魚梁瀬ダムの水が干上がって
ダム湖の底に沈んだ旧集落跡が見えているという特集を組んだのは
きのう朝の高知新聞。
事ほど左様にあっちの川もこっちの水路も
まとまった雨が降らないことによって水位はどん底
そろそろ雨が欲しいなとお百姓さんは思うのでしょうが
もうちょっとこのままで・・・
と考えてしまうのが
年度末のラストスパート真っ最中のぼくら土木屋で
ま
とはいえお天道さまはそんな下界の思惑など
ぜんぜん関係なっしんぐなのですから
降るときは降る
降らないときは降らない
これが自然の理なのでございます。
と
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それにしても水
少ないよなあ・・・
と川をのぞきこみつつ現場へ着いたぼくの目に飛びこんできたのは
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鋼製の仮橋が架かり
土工部の掘削仕上げの真っ最中。
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杭ナビショベルを使っての
マシンガイダンス施工です。
業界の構成員にとっては今さらですが
このマシンガイダンス
常に移動する自らの刃先の位置情報(XYZ=緯度経度高さ)を把握することで
タブレットディスプレイに映るナビゲーションにもとづいて
運転手が操作するというもの。
今ではめずらしくもなんともなくなった機械であり施工方法ですが
かつては夢のような
と言っても大げさではないようなものでした。
国土交通省が情報化施工の推進をうちだしたのが2008年
i-Constructionが始まり
ブルドーザー、モーターグレーダー、バックホウ(油圧ショベル)のICT化によるICT土工を
どんどんバリバリやるようにとのお達しがあったのが2016年ですから
大手ゼネコンや先端をゆく中小建設業はともかく
一般的にいうと10年前には
少なくとも「当たりまえ」ではありませんでした。
それが今ではあって「当たりまえ」
それによって
たとえば掘削補助作業員だとか
またたとえば事前の測量や準備にかかる人員だとか
もしくはそれに要する器械とか
それまで「当たりまえ」だったものが
「当たりまえ」ではなくなってきました。
「当たりまえ」ではなかったものが「当たりまえ」になり
「当たりまえ」だったものが「当たりまえ」ではなくなる。
特にそれがむちゃくちゃ速くなったのが今という時代の土木です。
で
ぼく思うんですけど
そこで大事な心持ちが
転石苔むさず
主体的に変わりつづけること
転がりつづける石には苔がつきません。
ライク・ア・ローリング・ストーンです。
といってもねぇ・・・
主体的に変わりつづける
をつづけてゆくのはときとして少々辛い
そんなときは
ぐるぐる循環するのもアリ
一周回って
捨てたはずの従来方法を見直してみると
お
これってけっこう使えるぢゃないか
というか
今という時代にとっちゃぁある意味新鮮
なんてことも十分あり得るわけです。
どっちにしても
常に変わりつづけるのだという心持ちは必須
そして
そのマインドを活かすために必要なのが多指向性のアンテナ
それによって受信した情報を自らの内に取り込むための「上向きのコップ」。
これらを総称してぼくは
オープンマインドと呼びます。
そこから先は実践
仮説を立て
試行して
錯誤して
思考して
仮説を立て直して実践する・・・
それが自分(たち)のものになるために実践する
そのプロセスで
こいつぁオレたちにはそぐわないな
と思えば
捨てることだってじゅうぶんアリ
何かをものにするには
あきらめずにシツコクやることが大切ですが
どこかで見切りをつけることも大事。
教科書はあっても
その教科書が「自分と自分たちの環境」でそのまんまで活かせるかというと
たいていの場合それはムリ
環境にフィットするように翻訳して
環境に土着するように姿形を変えたりすることも必要です。
あらあらぼくとしたことが
バケットの動きに見惚れていると
そんなことを考えはじめてついついぼーっとしておりました。
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現場でぼーっとする
これ
もっともしてはいけないことですね。
「ぼーっと生きてんじゃねえよ!!」
そんな声が後ろ右斜め上35度方向から聞こえた気がして
思わず背筋を伸ばすおじさんなのでした。
ということで
でわまた来週 (^O^)/
(みやうち)
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