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先住民族が巨大ミル貝で大儲け

2011-07-21 | 先住民族関連
(サンケイビズ 2011.7.21 05:00)

 米ワシントン州のピュージェット湾のおよそ270メートル沖に停泊するアルミボート「イチバン」は、地元警察組織の視察を受けていた。クレイグ・パーカー船長は、視察管が調査書類に記入する様をじっと見つめる。視察はイチバンの安全性を確認し、水中12~15メートルで作業する乗組員の熟練度を審査するためのものだ。
 調査を終えて視察官が立ち去るとパーカー船長は「みんなよくやった。コニーもよく頑張った」と大声でクルーをねぎらった。
 コニー・ホワイトナーさんは、潜水漁師として長年活躍している。彼女を含め、ボートの乗組員は全員スクォクソン族だ。スクォクソン族は、ピュージェット湾沿岸に住む1000人ほどの先住民族である。どんなに経験のある潜水漁師でも、視察官の許可が下りなければ、この仕事を続けることはできない。
 イチバンは巨大なミル貝を専門に漁を行っている。インディアン種族法によると、15分以内に約23キログラム相当の箱を貝でいっぱいにできなければ潜水漁師とは認められない。このテストに合格したホワイトナーさんは、1日の売り上げ約2万5000ドル(約198万円)の7等分を1日当たりの報酬として得る。
 ◆アジアで人気の食材
 成長したミル貝の重量は平均1.4キログラム。市場価格は日々変動し、この40年で急激に値上がりしている。
 この春、ワシントン州オリンピアでは1ポンド(454グラム)当たり10ドルで取引された。さらに空輸され、18時間後に中国深センの市場で取引される頃には、その価格が4倍に跳ね上がる。中国でミル貝は象抜蚌(シャンバーバン)と呼ばれ、人気の高級食材となっている。
 歯応えのある食感のミル貝は、中国では鍋の食材として多く用いられ、日本では刺し身で食される。また、その男性器に通じる見た目から、男性の精力促進にも良いと評判が広がった。
 ミル貝を売り続けて30年のアメリカ人、ケイシー・バッカー氏は「アジアにおけるミル貝の需要はとどまるところを知らない」と述べ、1980年代初めから約10年間はまるでゴールドラッシュのような勢いだったと振り返る。当時は中国との取引に規制がなく、一部の漁師との間で無秩序に売買されていたという。パーカー船長の父親も、かつては米ボーイングでエンジニアとして働くかたわら、イチバンで漁をして副収入を得ていた。
 ◆漁業権めぐり論争も
 パーカー船長は年間売上金額について具体的に語らなかったものの、600万~800万ドルを80人で分配したとして、潜水漁師の年収は7万5000~10万ドルになるだろう。
 潜水漁に携わっていない先住民族の年収は貧困ライン近くをさまよっている。15種族、各種族およそ1000人規模の先住民族社会で、違いは潜水漁に従事しているか否か。こうした状況で必然的にミル貝の漁業権をめぐる論争がわき起こりつつある。
 この海域でミル貝が発見されるようになったのは60年頃。米海軍がピュージェット湾に散乱する魚雷の撤去作業をしていたのがきっかけだ。
 ミル貝の生存期間は約100年。現在確認されている最長寿命は146年である。海底の地中約1メートルに潜っており、水中からは水管の先がかろうじて見えている程度だ。
 ワシントン州天然資源省は70年、1ポンド当たり10セントで販売する権利を地元の缶詰工場に与えた。当時はミル貝の市場が確立されていなかったが、10年後、中国を中心にシェアの95%をアジア地域が占めるようになると、単価は10倍に高騰した。ミル貝漁は一大ビジネスと化し、ミル貝は「ピュージェット・サウンド・ゴールド(ピュージェット湾の金)」と呼ばれるようになった。
 しかし、「実際はつまらない仕事」だとパーカー船長は言う。ただし、「春の時期はミル貝をサメに狙われることもあるし、ダイビング器具がクジラにひっかかったりしたらなすすべはない」と語る。
 ミル貝は水管の質によって4段階のグレードに分けられる。最上級とされるのは、バニラ色で無傷のもの。生気が感じられないようなものは、最下級に分類される。
 ◆1日最高4000ドル
 1日に450キログラム以上捕獲するダイバーもおり、収入に換算すると最高4000ドルにもなる。しかし、「すべては水中のコンディション次第」とニスクワリ族のビクター・シモンズ船長はこの仕事の不安定さを指摘する。シモンズ船長の3人娘も潜水漁師だ。
 現在ミル貝漁に従事しているのは15種族の先住民族に限られている。市場価格を適正にコントロールしつつ、将来的に組織を外部に広げるのであれば、米国内の需要拡大につながる可能性もある。
 「アメリカでミル貝を入手するのは難しい」。こう語るのはニューヨークの「15イースト」と「トクヴィル」で総料理長を務めるマルコ・モレイラ氏。「4つの業者に注文しても、2社から入荷できれば運がいい」というほど貴重な食材だ。
 モレイラ氏の仕入れ価格はだいたい1ポンド当たり30~40ドル。深センでの取引額と変わらないが、それだけの価値があると納得している。
 モレイラ氏はミル貝について「臭みがまったくなく、鮮やかで新鮮な海水の香りがする」と表現し、「非常に繊細な食材なので、生のまま少しのしょうゆとオリーブオイルにわさびを添えて提供する」とイメージを膨らませた。「ミル貝は歯応えが良く、おいしい。私の大好物だ」と絶賛した。(ブルームバーグ Manny Howard)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110721/mcb1107210506031-n1.htm

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【厚真】注目集める「厚真遺跡」 アイヌ文化紐解くヒントに

2011-07-21 | アイヌ民族関連
(苫小牧民報 2011年 7/19)

 発掘調査が進む厚真町で貴重な資料の発見が続き、町内外から関心を集めている。特に1000年前から350年前の出土品がアイヌ文化の歴史を探る上で貴重とされ、8月には教員免許更新講習が「アイヌ史」をテーマに現地で開かれることになった。また、以前出土したつぼが常滑産で、道内初となることが今年3月に判明。世界遺産に先日登録された奥州平泉の北方交易を示唆する資料というだけでなく、擦文文化からアイヌ文化の変遷期の歴史の空白を埋めることへの期待も寄せられている。
 厚真町の遺跡発掘調査の成果展が19日まで町内の青少年センターで開かれ、会場に置かれた芳名帳には180人近くが記帳。安平町や苫小牧市、札幌市、岩見沢市などの町外者も多く訪れた。
 町教育委員会によると、学芸員が依頼を受けた講演や研究者などの現地視察の受け入れや主催の講座企画などに、ここ数年は年間延べ1000人前後が参加している。
 今年に入り、メディアに取り上げられるケースも増えた。同遺跡の発掘を基に研究成果をまとめた書籍出版などが続き、地元の学芸員がラジオに出演して同町の遺跡を紹介した。8月の教員免許更新講習でアイヌ史をテーマにした講座の会場に厚真町が選ばれ、受講者50人が訪れる予定にもなっている。
 今年4月1日現在で町内の遺跡数は133カ所に上る。今年も厚幌ダム建設事業に関連してヲチャラセナイ遺跡、オニキシベ5遺跡、ヲイカルマイ遺跡、朝日遺跡の発掘調査が進む。
 これまでの出土品を見ると、道内、国内で「初めて」「最古」などの言葉も並ぶ。学芸員の乾哲也さん(38)は「道央圏のアイヌ文化の起源に迫ることができる貴重な資料が出土している」と説明する。「交易の結節点として人の行き来が活発だった」とも指摘し、厚真川流域沿いに海岸から山間部まで点在する集落の形跡も見つかっている。
 常滑産のつぼについても、平泉とのつながりだけでなく、擦文文化の終わる時期との重なりから、アイヌ文化成立の過程を探る資料的な価値も強調する。乾さんは「アイヌ文化を伝える資料がこれだけ出土している地域は珍しい。歴史を学び、考えてもらう素材がたくさんあることを広く知ってもらいたい」と力を込めた。
http://www.tomamin.co.jp/2011s/s11072002.html

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楽器演奏や古式舞踊披露 新ひだか

2011-07-21 | アイヌ民族関連
(北海道新聞 07/20 15:00)

【新ひだか】道アイヌ協会新ひだか支部(大川勝支部長)は16日夜、アイヌ文化普及啓発事業「ウトゥラ カネ(共に歩む)」を静内真歌の伝統的家屋チセで開き、楽器演奏や古式舞踊を披露した。
 同支部が目指している、国の伝統的生活空間「イオル」再生事業の誘致に向けた取り組みの一つ。昨年に続いて2回目で、町などが共催した。
 大川支部長はあいさつで「町民のみなさんにアイヌ文化に触れてもらい、協力して将来にアイヌ文化を残していきたい」と述べた。
 トンコリとムックリの演奏に続き、空を舞うアマツバメの姿を表現した踊り、親子ネズミがわなをかわして餌を手に入れるユーモラスな踊り、儀式的な輪踊りなどが披露され、来場者の目を引きつけていた。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki/306605.html

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