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礼文にたどる 北方民族の姿

2011-07-12 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2011年07月10日

■遺跡発掘 7年計画
 アイヌなど北方圏の狩猟採集民族の系譜と、その文化がどのように形成されてきたかを明らかにしようと、北海道北とカナダ・アルバータ大を中心とした7カ国・1地域の国際調査団が、7年間にわたる壮大な発掘調査を礼文島で始めた。
■北大など7カ国1地域の調査団
 今回の発掘は、アルバータ大が過去10年間、ロシア・バイカル湖周辺で続けてきた研究を継続・発展させたものだ。調査団は、両大学の「バイカル・北海道考古学プロジェクト」が中心。これに米、英、ロシア、オランダ、ルーマニアの各国と台湾、東京大、九州大、慶応大などの考古学者や人類学者らが加わった。
 発掘を始めたのは、島北部の船泊湾に面した浜中2遺跡の周辺地。この一帯は明治時代から遺跡の点在が知られ、何度も発掘調査されて遺骨や石器、土器などの遺物、炉跡などが出ている。バイカル湖の遺跡で発見された物と同じ縄文期の平玉なども発掘された。
 保存状態がよく、深さ約4メートルにわたって縄文時代から16~17世紀ごろの近世アイヌ時代まで3千年余にわたる遺物が連続して埋まっており、各時代の変化を比較しやすいという。
 共同研究責任者でアルバータ大のアンジェイ・ウェーバー教授(57)は「礼文島はいわば小さな宇宙。ここの先住民と環境の歴史的変化を知ることは、北海道全体やバイカル湖周辺の民族の変化を説明するのにも役立つ」と説明している。
 発掘現場では1日から、インターネットで募集した世界各国の学生約20人が作業を始め、地面を掘り下げて遺物や遺構を探している。すでに深さ約1メートルでオホーツク文化(11世紀ごろ)の地層になり、クジラの骨や、骨製の狩猟用具、島にはいないはずのクマの歯などが出始めている。
 日本側責任者の北大アイヌ・先住民研究センターの加藤博文教授(45)は「各国の研究者が日本で考古学の共同研究をするのは初めてではないか。長期間の調査なので、地元にも国際的研究ならではの貢献をしたい」と話している。
 発掘に参加する米国人で、英ケンブリッジ大博士課程のリンジー・フリードマンさん(27)は「礼文の人たちはあたたかく接してくれる。地元の子供たちとの交流も楽しみ」と話していた。
 17日に札幌市の北大・学術交流会館で開始式とシンポジウムを開き、20日に各国の研究者が発掘現場を視察する。今月末からは日本の学生たちも発掘調査に合流する予定だ。
(宮永敏明)
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001107110010

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「函館野外劇」 五稜郭で開幕

2011-07-12 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2011年07月09日

 函館市の国指定特別史跡・五稜郭で8日、市民創作「函館野外劇」が始まった。今年で24回目。毎回、出演者やスタッフとして数百人の市民がボランティアとして参加している。8月6日までの毎週金、土曜日と7月24日に上演される。
 特設ステージで、アイヌ民族の時代から高田屋嘉兵衛、箱館戦争、北洋漁業の繁栄といった函館の歴史シーンが次々と演じられた。途中、堀には北前船や軍艦を再現したボートも多数登場。作家の新井満さんが作ったテーマ曲も初公開された。
 大人2500円(前売り1800円)、高校・大学生1千円(同900円)、小中学生500円(同400円)。問い合わせはNPO法人市民創作「函館野外劇」の会(0138・56・8601)へ。
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001107110006

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