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登別・銀のしずく記念館で20日から金成マツ企画展

2011-07-17 | アイヌ民族関連
【室蘭民報 2011年7月16日(土)朝刊】

 登別市登別本町の「知里幸恵 銀のしずく記念館」(横山むつみ館長)主催の第1回企画展「アイヌ民族の心の記憶 ユカラ筆録者金成マツ展」が20日から同館で始まる。アイヌ文化伝承に心血を注いだマツの功績や人となりが浮かび上がる。
 知里幸恵(1903~22年)の育ての親として知られるマツ(1875~1961年)の没後50年に合わせ、多くの市民にアイヌ文化への理解を深めてもらおうと企画した。「NPO法人知里森舎」(横山理事長)と「知里幸恵 銀のしずく記念友の会」が中心となり準備を進めている。
 企画展では生い立ちや婦人伝道師としての活動内容などの写真や書籍、賞状など約30点を紹介する。
 過去に1度ほどしかお披露目されていないという「明治~大正時代の幌別町周辺住宅街分布図」や、旧幌別教会で掲げられていた聖画など貴重な資料が含まれている。マツがにこやかに笑みを浮かべる写真もある。解説を付け展示内容を分かりやすくする工夫を施した。
 15日は資料の最終の点検やセッティングを実施。知里森舎メンバーと横山館長が入念に一点一点を確認していた。
 横山館長は「20日開始ですが見ることができます。多くの人に素晴らしさを知ってもらいたい」と来場に期待している。同館では今後、幸恵の父・高吉、弟・真志保の没後50年企画を実施する予定だ。
 金成マツ(アイヌ名・イメカヌ)は幸恵の伯母。晩年はアイヌ民族の英雄叙事詩「ユカラ」をローマ字表記で大量に書き残し、「アイヌ叙事詩ユーカラ集」として刊行され、昭和31年に無形文化財に指定された。紫綬褒章受章、登別名誉町民表彰などを受けている。同36年4月6日、85歳で生涯を終えた。
(粟田純樹)
http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2011/07/16/20110716m_05.html

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