先住民族関連ニュース

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知里幸恵の生涯、一人芝居 江別

2011-10-10 | アイヌ民族関連
(北海道新聞 10/09 15:00)

【江別】アイヌ文化伝承者で、19歳の若さで生涯を閉じた知里幸恵(1903~22年)の生涯を演じる舞台劇「神々の謡(うた)」が6日、アートスペース外輪船で開かれた。東京の劇団「ムカシ玩具(おもちゃ)」の女優舞香さん(29)が、20人の役を1人でこなす熱演に、会場は圧倒された。
 江別市民にアイヌ文化や幸恵の活動に理解を深めてもらおうと、実行委(安念智康委員長)が初めて主催。約240人が鑑賞した。
 音楽を担当するいわさききょうこさん(30)の幻想的な電子ピアノの演奏のなか、舞香さんが舞台に登場。幸恵と家族などを、口調や表情を変え、身ぶり手ぶりを交えながら20人の役を熱演した。
 なかでも、幸恵が心にため込んでいたアイヌ民族の思いを吐き出す場面は、苦悶(くもん)に満ちた表情で刀を振り回す激しいアクションで、会場は息をのんだ。
 観覧した出口良枝さんは「見応えがあり、幸恵さんの存在や、アイヌ民族の歴史を知るきっかけになる。若い人にも見てもらいたい」と話していた。
 また、公演前日の5日には「アイヌ神謡集」などを朗読するワークショップが、アートスペース外輪船で開かれた。舞香さんが講師を務め、参加者約30人がアイヌ民族の衣装を着て、1人で複数の役を演じる「スイッチング」を学んだ。(竹内桂佑)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/sapporo/324078.html

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詩歌の森へ:アイヌ文様刺繍と詩=酒井佐忠

2011-10-10 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2011年10月9日 東京朝刊

 アイヌ文様刺繍家(ししゅうか)として知られるチカップ美恵子さんの刺繍と詩作品をコラボレートした『チカップ美恵子の世界--アイヌ文様と詩作品集』(北海道新聞社、写真・解説、植村佳弘さん)が刊行された。詩の整理を手伝った北海道・奥尻町出身の詩人、麻生直子さんから贈られた一冊だが、民族の祈りを現代アートとして生かした文様刺繍の美しさと、大きな生命愛に満ちた詩作品に圧倒される。
 チカップさんは、釧路市生まれ。刺繍は母から受け継いだ。波乱に満ちた生だったが、大空を羽ばたく鳥(アイヌ語でチカップ)のように、自由で大らかな精神を作品に込め、また「肖像権裁判」の活動などでアイヌ文化の伝承と発展に尽くした。2002年、第6回女性文化賞受賞。さまざまな活動の中で昨年2月、急性骨髄性白血病のため61歳で亡くなった。
 刺繍を写真撮影した植村さんの解説によると、88点の刺繍のほとんどは、釣りざおと釣り糸を使って、宙に浮かせた状態で撮影したという。もちろんチカップさんの名を表す鳥をイメージさせるため。「刺繍は、一針、一針に込めた祈りうた、いとおしい人への恋のうた」「作品をアートとして見てほしい」とチカップさんは語っていたという。
 刺繍と詩は、四季ごとに配列されている。<つらさや苦しさ 悲しみなどは/深く暗い海を泳ぐための人生の試練のようなもの/その試練こそが自分を鍛える強さになっていく>。空を舞う鮮やかなアイヌ文様刺繍とともに、力強い詩人の声が聞こえてくる。(文芸ジャーナリスト)
http://mainichi.jp/enta/art/news/20111009ddm014070009000c.html


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=パームオイルから「知る」「つながる」「広がる」=

2011-10-10 | 先住民族関連
EICネット 2011.10.09

☆ 学生団体ALPO現地調査報告イベント =パームオイルから「知る」「つながる」「広がる」=☆
★ファストフード、スナック菓子、化粧品。それらの多くに必ずと言っていいほどパームオイルが使用されていることをご存知ですか?
その原材料であるパームオイルは、生産地であるインドネシアやマレーシアの環境破壊、先住民族の権利侵害など、様々な問題をはらんでいます。
★パームオイルを取り巻く社会問題へのアプローチを考える団体学生団体ALPOでは、パームオイルに関わる様々な問題を「生産者と消費者を結び付ける」グローバルな問題としてどのように向き合うべきなのかを考えています。
消費面だけでなく、アブラヤシの生産地の環境や生産者の生活の安定性を確保できる「持続可能な」アブラヤシ産業とはどうあるべきか、一消費者として持つべきオルタナティブな視点を探ります。
★私たちALPOはこの夏、メンバー全員でマレーシアにてパームオイルプランテーションの現地視察を行いました。パームオイル産業に関わる様々な人々と出会った10日間の現地視察を報告します
◎日時 2011年10月29日(土)午後5時30分~9時 (午後5時オープン)
◎場所 まれびとハウス 
(JR山手線田端駅より徒歩7分)
・行き方 明治通り沿いのローソンの隣に酒のカクヤスがあり、その脇のマンションの9階です。 (シェアハウスの一室となっています)
・地図 http://bit.ly/bxhmp3 
◎主催:学生団体ALPO -Alternative Look at Palm Oil- 
(パームオイルを取り巻く社会問題へのアプローチを考える団体)
◎参加費:500円(飲食代込み) Twitter割引にて300円!!
※ @2011ALPO のアカウントをフォローし、イベントのつぶやきをリツイートしてくださる方を対象とした割引です。
◎お申込み: 
下記連絡先に必要事項を記入し、ご連絡ください!
※Twitter割引をされた方は、その旨もご記入ください。 
①氏名・Twitterアカウント名 ②所属(大学名・会社名) ③電話番号(任意)
連絡先: alpo.event@gmail.com 
◎お問い合わせ: 学生団体ALPO 担当:栗原
・メールアドレス:alpo.event@gmail.com
★参加対象
国際開発に興味がある方 環境問題に興味がある方 旅に興味がある方 東南アジアが好きな方…
どなたでも大歓迎! 様々なバックグラウンドを持つ方と語れる貴重な機会です☆ 
★参加人数 40名(定員になり次第締め切り)
http://www.eic.or.jp/event/?act=view&serial=26676&category=

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今週の本棚:富山太佳夫・評 『ディエゴ・リベラの生涯と壁画』=加藤薫・著

2011-10-10 | 先住民族関連
毎日新聞 2011年10月9日 東京朝刊

 (岩波書店・1万8900円)
 ◇想像を超えた巨大な画家の全貌
 メキシコ--この国名を前にして、われわれは何を連想するだろうか。観光旅行の目あてにもなる古代マヤ文明の遺跡だろうか、スペインのエルナン・コルテスによる征服の歴史だろうか、それとも二〇世紀の革命の英雄エミリアーノ・サパタのことだろうか。高校時代の私ならば、メキシコと聞けばすぐさまテレビ番組の「怪傑ゾロ」か、覆面レスラーのミル・マスカラスを思い浮かべただろう。
 勿論(もちろん)、今は違う。大学に通うために渋谷の駅を通るたびに岡本太郎の巨大な壁画を眼にしては、ディエゴ・リベラの巨大な壁画群を思い浮かべてしまう。そして、フリーダ・カーロのあの独特の雰囲気をもつ絵を。この二人の絵を眼にしたあとでは、メキシコを連想しないことの方が困難かもしれない。しかも、この二人は二度結婚しているのだ。
 この本の三七一頁(ページ)に「新婚直後のディエゴとフリーダ」の写真がのっている。カエルのような顔をした超肥満のディエゴ(彼は「二〇歳頃には身長一八五センチ、体重一〇〇キログラムを超える巨体となっていた」)と、何とも美しく、すらりとした彼女。彼の方は「生涯に四人の女性と五回の結婚生活」をしている。
 こうなると、二〇世紀のメキシコを--と言うよりも、二〇世紀の世界美術を代表するその画業以前に、その人間性に興味を引かれてしまうことになるのだが、フランスの小説家ル・クレジオの証言がある。「支配欲と肉欲の原型、女たちの前では小児同然の臆病者、エゴイスト、享楽主義者、移り気で嫉妬深く、ストーリーテラー、虚言癖、さらに力と熱情と強さと、ほとんど異常なまでの無邪気なやさしさの化身」。その彼は、「自分はイタリア人、ロシア人、スペイン人、ポルトガル人、メキシコのクリオーリョ、メスティーソ、インディオ、それにアフリカ人の血が混じった国際的混血人だと自慢していたこともあった」。まったくわれわれの想像の届かない人物だと言うしかない。そのような彼が第一次大戦の時代のヨーロッパに留学して、キュビスムの画法を習得して戻って来るのだ。
 もっとも、彼の性格からしてマティスからピカソに至る線上におとなしくとどまっているはずはなかった。それを徹底的にメキシコ化したのだ。その技法を巨大な壁画にしていったのだ。その代表作「メキシコの歴史」はスペイン人による侵略以前からの先住民の歴史を描き出す。ピカソのように、ひとつの歴史的出来事に集中したのではなく、壁画という空間を利用して、その歴史の全体像を描き出したのだ。そこに幾つもの顔を描き込んで。彼の手になる壁画は、彼の手になるものであることがすぐに分かる。誰かがそれを模倣すれば、それがディエゴ・リベラの模倣であることが分かる。
 『ディエゴ・リベラの生涯と壁画』は、そのような稀有(けう)な画家の評伝である。本文が七五〇頁ほど、注などが約一〇〇頁ほど。いや、もっと大切なことがある。図版や写真などが五〇五点収録されているのだ。彼の三歳のときの絵「鉄道と汽車の素描」を始めとして、藤田嗣治による「ディエゴ・リベラの肖像」、リベラによる「川島と藤田の肖像(キュビスム風の)」、そして革命家サパタの写真も。私生活から美術、政治や経済との関わり、日本との関係にいたるまで、ともかく彼と関わりのあることは恐らく殆(ほとん)どすべて説明されていて、超肥満化したすばらしい本である。ヨーロッパに執着するだけの絵画観を超えた人物についてのすばらしい伝記である。
http://mainichi.jp/enta/book/news/20111009ddm015070013000c.html

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