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有色人種を漂白?「アナと雪の女王」が炎上を免れた理由

2014-05-03 | 先住民族関連
日刊SPA!-2014.05.02 エンタメ
 観客が主題歌に合わせて歌うなど、すっかり社会現象になった「アナと雪の女王」。日本でも動員1000万人を超え旋風を巻き起こしているが、公開当時アメリカでひと騒動あったことはあまり知られていない。
 問題となったのはクリストフという登場人物の容姿。彼は北欧の少数民族サーミ人という設定なのだが、劇中での見た目はモロに金髪白人。そのため「有色人種を漂白している!」と欧米圏のブロガーなどから怒りを買ったのだ。
「こいつはまたディズニーお得意の『白人の女の子が勇気あることをした』って話だろ? 地理的に考えても、冒険するうちに色んな人種に出会うはずなのに。雪の女王やら氷の呪文は現実的で、別な人種がいるのはファンタジーだってのか?」
 近年ディズニー・アニメではアフリカ系、アラブ系、アジア系、アメリカ先住民と様々な人種のヒロインが誕生しているが、ネット上には「プリンセスは金髪の白人という過去に回帰している」との声が溢れた。
「主役の姉妹は黒人やラテン系じゃダメだったのか? たしかにスカンジナビアには有色人種は少ないかもしれないけど、それを言ったら喋る雪だるまだっていないだろ?」
 作品を擁護し、「時代背景からして、そのころ有色人種がヨーロッパに少なかったのは事実だろ」と冷静に反論する声もあったが、中にはキャラクターの造形が差別だという人まで。
「『塔の上のラプンツェル』が人気だったから、それに合わせてヒロインの顔を『整形』したらしいな。それは差別だろ!ドイツ系みんなが同じ顔じゃないのに」
 ついには登場人物の人種を変えたコラ画像が出回るなど、批判の声は増すばかり……。ところが、この事態にブレーキをかけたのは意外なものだった。それは「アナと雪の女王」最大の特徴――音楽だ。
 実は映画のオープニング曲に起用されていたのは、発端となったキャラクターと同じサーミ人のコーラスグループ。またこの曲には「ヨイク」という伝統歌が使われており、多くのサーミ人は作品に好意的だったのだ。その中にはノルウェー・サーミ協会の会長も含まれており、差別だと怒るどころか「今や世界中にヨイクを聴いてもらっている。サーミ文化は新しい観客に広がっています」と、作品を讃えたのだ。かくして騒ぎは沈静化し、アカデミー長編アニメ映画賞を受賞するなど、「アナと雪の女王」は近年のディズニー映画の中でも最高の評価を得ることとなった。話題となっているのは主題歌だが、ぜひオープニング曲にも耳を傾けてほしい。こういった民族的背景を踏まえて聴けば、さらに音の深みが増すはずだ。 <取材・文/林バウツキ泰人>
http://nikkan-spa.jp/635868

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アイヌ文化を世界に発信 米写真家が白老町の博物館訪問

2014-05-03 | アイヌ民族関連
苫小牧民報  (2014年 5/2)
 世界的に有名なフリーカメラマンのクリス・レイニアさん(55、米ボストン市)が4月30日、白老町のアイヌ民族博物館を訪れ、アイヌ文化に関する取材と写真撮影を行った。「10代から関心があった」といい、野本正博館長がさまざまな質問に答えながら白老アイヌの文化を解説。レイニアさんも興味津々の様子で聞き入り、アイヌに伝わる精神文化などをメモ。「できれば何かの形で発表したい」と話した。
 外国人観光客の獲得を狙いに政府が展開している「ビジットジャパン」キャンペーンの地方連携事業。2020年に民族共生の象徴空間が開設すること踏まえ、北海道運輸局がアイヌ文化の海外発信などを狙いに企画した。先住民族に詳しいレイニアさんに呼び掛けて実現したもので、4月29日の函館市を皮切りに道東まで6地区を巡る。
 レイニアさんは、世界180カ国以上で約850万人が購読している月刊誌ナショナルジオグラフィックをはじめ、タイムやライフ、ニューヨークタイムズなどの各出版物に作品が取り上げられている写真家。米国の写真誌で「一番影響のある写真家100人の1人」にも選ばれ、ナショナルジオグラフィックトラベラー誌では寄稿編集委員を務め、少数民族の言語保存活動などにも力を入れているという。
 白老町を訪れたレイニアさんは「15歳の時に見た写真集を通じてアイヌ民族に関心があった」と言い、野本館長にアイヌ文化伝承の在り方や現状など幅広い内容を質問。伝統舞踊や博物館の展示物を見学したほか、民族衣装に深い関心を寄せ、ポロト湖畔で写真撮影も行った。
 取材後には「芸能も景色も素晴らしいものだった。取材も神秘的なイメージを表す写真が撮れた」と語り、同博物館でまとめたアイヌ言語のデータについて「ナショナルジオグラフィックのホームページに掲載することも考えたい」と、文化伝承に対する協力も申し出た。
 野本館長は「世界的に発信力のある同誌を通じてアイヌ文化の言語をアピールできるのは大変ありがたい」と述べた。
 レイニアさんは、4日まで平取や浦河、阿寒、弟子屈を訪れてアイヌ関係者への取材や博物館などを取材する予定だ。
http://www.tomamin.co.jp/20140512367

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第3回 収容所から脱出し、1600キロを徒歩で逃げたアボリジニ3少女

2014-05-03 | 先住民族関連
nikkei BPnet 2014年5月2日 
ナショナル ジオグラフィック日本版
1931年、3人の幼いアボリジニの少女が強制的に家族から引き離され、苛酷な環境の先住民収容所に送られた。オーストラリア政府が、数千人の子供たちを親元から隔離する政策を行っていたからだ。
 しかし、8~14歳の3人はすぐに脱走し、全長1600キロに及ぶウサギよけフェンスに沿って、灼熱の西部砂漠地帯を歩き通し、故郷にたどりついた。
ウサギ隔離政策と先住民隔離政策
 ウサギはオーストラリアに元々いた動物ではない。1859年、英国人入植者オースティンが24匹のウサギを野に放った。「少しばかりウサギを放したからといって、害もないだろう。ちょっとした狩りもできるし、故郷の雰囲気も味わえるし」。だが、ほどなくウサギは大陸全体に疫病のごとくはびこった。
 1901~07年、オーストラリア政府は世界でも類を見ない、大がかりな外来動物の封じ込め策を実施した。オーストラリアの西部全域を、全長3200キロものフェンスで封鎖してウサギの侵入を阻むのだ。地域全体を隔離するというこの大胆な作戦は、失敗に終わった。ウサギはとっくにフェンスを越えていたのだ。
 このフェンスは、当時の政府が行っていた、もう一つの隔離政策を象徴してもいた。
 オーストラリアの先住民アボリジニに対する、白人入植者たちの態度は、人によってさまざまだった。劣った民族と考える者もいれば、アボリジニを白人社会に同化させ、受け継がれてきた伝統文化を「除去」すればよいと考える者もいた。またアボリジニに対して寛容と理解を示す人々もいた。いうまでもなく、混血の子供もたくさんいた。それは当時のオーストラリアで最大の対立を生んだ問題だった。
『本当にあった 奇跡のサバイバル60』
 岩に挟まれた自分の腕を切り落として脱出した登山家、8年間地下室に監禁された少女、ヒッチハイカーを乗せたら身ぐるみをはがされて不毛の荒野に放置された男、難破した船上でくじ引きで負けた仲間を食べて生き残る男たち……。
 絶体絶命の危機から生還した驚異のエピソードを60本収録しました! 『大脱走』『127時間』『キャプテン・フィリップス』など映画や小説になった逸話も多数あります。写真や図解、地図もたっぷり掲載、当時の報道や脱出ルートがひと目でわかり、現場に居合わせたかのような臨場感を味わえます。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20140501/395425/?rt=nocnt

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