中日新聞 2014年5月13日
津市のPR会社「たけしろうカンパニー」が、北海道の命名で知られる松阪出身の幕末の探検家・松浦武四郎が著した蝦夷地の調査日誌「久摺(くすり)日誌」を現代風に訳した読み物を出版した。久摺は現在の釧路。編さんに携わった社員の大谷久弥さん(25)は「武四郎を知らない人でも楽しめる内容に仕上がった」と売り込んでいる。
原本は、松阪市の松浦武四郎記念館に所蔵されている。原文を元に、現代仮名遣いで難解な部分は言葉を補うなど、分かりやすい言い回しで読みやすくした。原本の挿絵の写真に、今の釧路の写真を並べて載せ、今昔が一目で分かる工夫も。社員三人が昨年六月から取材を始め、今年三月に完成させた。46判百ページで全カラー。
武四郎は一八四五~五八年に計六回、先住民のアイヌ民族の協力を得て蝦夷地を調査した。その際、松前藩による人権を無視したアイヌ支配の実態を幕府に告発したことでも知られる。数多く残した日誌は、後に江戸を中心に出版され、庶民の人気を集めたという。
久摺日誌はその一冊で、武四郎が五八年の春に釧路を調査した二十四日間を記した。大自然を探検した記録や案内役のアイヌとの交流などがつづられている。
同社は昨年三月、設立。県などの委託で、北海道で三重のPRイベントを開くなどしている。社名は北海道と松阪にゆかりが深い武四郎からとった。北海道の拠点が釧路市にあることから今回、久摺日誌を取り上げた。
冊子は県の補助で出版。松阪市の全小中学校、図書館、松浦武四郎記念館に無償配布された。同社は今後、二〇一八年の武四郎生誕二百年に向け、別の日誌の現代語訳も検討している。大谷さんは「迫害を受けていたアイヌに米や布、タバコを分けるなど、武四郎の人柄がしのばれる。挿絵は武四郎のスケッチを基に、当時有名だった絵師に描かせたもので、画集しても楽しめる」と話している。
(吉野淳一)
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20140513/CK2014051302000015.html
津市のPR会社「たけしろうカンパニー」が、北海道の命名で知られる松阪出身の幕末の探検家・松浦武四郎が著した蝦夷地の調査日誌「久摺(くすり)日誌」を現代風に訳した読み物を出版した。久摺は現在の釧路。編さんに携わった社員の大谷久弥さん(25)は「武四郎を知らない人でも楽しめる内容に仕上がった」と売り込んでいる。
原本は、松阪市の松浦武四郎記念館に所蔵されている。原文を元に、現代仮名遣いで難解な部分は言葉を補うなど、分かりやすい言い回しで読みやすくした。原本の挿絵の写真に、今の釧路の写真を並べて載せ、今昔が一目で分かる工夫も。社員三人が昨年六月から取材を始め、今年三月に完成させた。46判百ページで全カラー。
武四郎は一八四五~五八年に計六回、先住民のアイヌ民族の協力を得て蝦夷地を調査した。その際、松前藩による人権を無視したアイヌ支配の実態を幕府に告発したことでも知られる。数多く残した日誌は、後に江戸を中心に出版され、庶民の人気を集めたという。
久摺日誌はその一冊で、武四郎が五八年の春に釧路を調査した二十四日間を記した。大自然を探検した記録や案内役のアイヌとの交流などがつづられている。
同社は昨年三月、設立。県などの委託で、北海道で三重のPRイベントを開くなどしている。社名は北海道と松阪にゆかりが深い武四郎からとった。北海道の拠点が釧路市にあることから今回、久摺日誌を取り上げた。
冊子は県の補助で出版。松阪市の全小中学校、図書館、松浦武四郎記念館に無償配布された。同社は今後、二〇一八年の武四郎生誕二百年に向け、別の日誌の現代語訳も検討している。大谷さんは「迫害を受けていたアイヌに米や布、タバコを分けるなど、武四郎の人柄がしのばれる。挿絵は武四郎のスケッチを基に、当時有名だった絵師に描かせたもので、画集しても楽しめる」と話している。
(吉野淳一)
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20140513/CK2014051302000015.html