苫小牧民報 (2016年 6/1)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/07/86/321ac0796d0bdf7706236615249f341b_s.jpg)
国立アイヌ民族博物館の建設予定地
白老町のポロト湖畔に2020年に開設される「国立アイヌ民族博物館」について、文化庁は5月31日、館内の展示計画を発表した。基本展示室は「信仰」や「くらし」など六つの展示テーマで展開するほか、子供向け展示なども用意。国内外の人々に、アイヌの文化や歴史の正しい理解、認識を促す展示を目指す。
同博物館は、国が整備するアイヌ文化復興の拠点「民族共生の象徴空間」の中核施設で、建設予定地は現在のイオル事務所チキサニがある場所。延べ床面積約8600平方メートルで、2400平方メートルが展示スペースになる見込みだ。
基本展示室は約1250平方メートル。アイヌ民族の視点から▽世界(信仰)▽くらし▽しごと▽交流▽ことば▽歴史―の六つのテーマで構成する。アイヌ民族の目線で歴史や伝統を掘り下げ、過去から現代までを一体的に発信する展示を目指す。
「世界(信仰)」では、カムイ(神)の考え方や自然観、死生観を中心に、アイヌ独自の多様な儀礼などを解説。ヒグマやカジキマグロなどの動物神を対象とした霊送りも、道具と共に紹介する。
「くらし」は衣・食・住のほか音楽や舞踊について、時代の変遷による変化なども多面的に取り上げながら、特色や地域差などを示す。ジオラマやグラフィックなども利用し集落や家屋内部の構造を説明するほか伝承されてきた歌や踊りの資料、楽器も並べる。
「しごと」は、伝統的な狩猟や漁労、近代化以降に従事してきた農業や畜産業、観光業などの仕事、「交流」は和人などの周辺民族との交流の足跡をたどり、日本における多文化共生の在り方を示す。
「ことば」では、アイヌ語の構造や地域差、地名のほか、言語復興の取り組み、口承文芸の豊かな世界を表現。「歴史」は、時間軸と空間の広がりを重視しながら旧石器時代から現代までのアイヌ民族の変遷を伝える。
展示室では、幼児や未就学児を対象とした体験型の「子供向け展示」も計画。館内の解説パネルは必要に応じて、多言語に対応できる展示システムにするという。
基本展示室のほか、多様な切り口やテーマでの「テーマ展示室」や、映像や音声を用いて表現する「シアター」、最新の調査、研究の成果を紹介する特別展示室なども設置される予定だ。
文化庁は16年度中に博物館の施設、展示設計を終え、17~19年度に建設工事を進め20年度の開館を予定している。
http://www.tomamin.co.jp/20160638992
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/07/86/321ac0796d0bdf7706236615249f341b_s.jpg)
国立アイヌ民族博物館の建設予定地
白老町のポロト湖畔に2020年に開設される「国立アイヌ民族博物館」について、文化庁は5月31日、館内の展示計画を発表した。基本展示室は「信仰」や「くらし」など六つの展示テーマで展開するほか、子供向け展示なども用意。国内外の人々に、アイヌの文化や歴史の正しい理解、認識を促す展示を目指す。
同博物館は、国が整備するアイヌ文化復興の拠点「民族共生の象徴空間」の中核施設で、建設予定地は現在のイオル事務所チキサニがある場所。延べ床面積約8600平方メートルで、2400平方メートルが展示スペースになる見込みだ。
基本展示室は約1250平方メートル。アイヌ民族の視点から▽世界(信仰)▽くらし▽しごと▽交流▽ことば▽歴史―の六つのテーマで構成する。アイヌ民族の目線で歴史や伝統を掘り下げ、過去から現代までを一体的に発信する展示を目指す。
「世界(信仰)」では、カムイ(神)の考え方や自然観、死生観を中心に、アイヌ独自の多様な儀礼などを解説。ヒグマやカジキマグロなどの動物神を対象とした霊送りも、道具と共に紹介する。
「くらし」は衣・食・住のほか音楽や舞踊について、時代の変遷による変化なども多面的に取り上げながら、特色や地域差などを示す。ジオラマやグラフィックなども利用し集落や家屋内部の構造を説明するほか伝承されてきた歌や踊りの資料、楽器も並べる。
「しごと」は、伝統的な狩猟や漁労、近代化以降に従事してきた農業や畜産業、観光業などの仕事、「交流」は和人などの周辺民族との交流の足跡をたどり、日本における多文化共生の在り方を示す。
「ことば」では、アイヌ語の構造や地域差、地名のほか、言語復興の取り組み、口承文芸の豊かな世界を表現。「歴史」は、時間軸と空間の広がりを重視しながら旧石器時代から現代までのアイヌ民族の変遷を伝える。
展示室では、幼児や未就学児を対象とした体験型の「子供向け展示」も計画。館内の解説パネルは必要に応じて、多言語に対応できる展示システムにするという。
基本展示室のほか、多様な切り口やテーマでの「テーマ展示室」や、映像や音声を用いて表現する「シアター」、最新の調査、研究の成果を紹介する特別展示室なども設置される予定だ。
文化庁は16年度中に博物館の施設、展示設計を終え、17~19年度に建設工事を進め20年度の開館を予定している。
http://www.tomamin.co.jp/20160638992