苫小牧民報 (2017年 5/13)
日本クルーズ客船の大型客船「ぱしふぃっく びいなす」(定員620人、総トン数2万6594トン)が11日、白老港第3商港区に初寄港した。心待ちにしていた国内客船の初寄港に、多くの町民が白老港でお出迎え。歓迎セレモニーでは、パラグライダーによる歓迎飛行やムックリ演奏で寄港を歓迎。町民による船内見学も行われ、洋上ホテルの豪華ぶりに歓声を上げていた。
白老港へのクルーズ船寄港は2007年の外国客船以来で、国内客船の寄港は初めて。町が苫小牧港管理組合と連携してクルーズ船誘致に取り組み、暫定供用していた第3商港区への寄港が実現した。
午前8時からの歓迎セレモニーには、関係者のほかクルーズ船を一目見ようと多くの町民が足を運び、ムックリ演奏や花束贈呈などを通じて初寄港を歓迎した。
セレモニーが終わると、乗客たちは岸壁で待機していたオプショナルツアーのバスに乗り込み、アイヌ文化を体験するため白老町内を巡ったり、支笏湖や登別温泉などの観光地を満喫。午後からは、船内にとどまった乗客向けに、岸壁付近でアイヌ工芸品の販売コーナーや白老牛とカニ汁の試食コーナーが設けられ、乗客らは白老の食と文化に触れ合った。
神戸から乗船した兵庫県川西市の長濱福子さん(72)は「年に5回はクルーズの旅をしていて、いろんな船に乗ってきたが、この船が一番大好き。北海道はこれからが観光シーズンなので楽しみにしていた。今回は丸駒温泉に行ってきます」とクルーズ船の旅を満喫していた。
また、町民による船内見学も行われ、80人が参加。4班に分かれてメインホールやシアター、レストランなど、クルーズ船ならではの豪華な施設に歓声を上げた。夫婦で参加した村山俊三さん(75)は「よく乗るフェリーを大きくした感じ。ピアノがあるなどとても豪華に感じた。お金をためて乗ってみたい」と話し、船内では夫婦で記念撮影もしていた。
夕方の出港セレモニーでは、札幌のよさこいチーム「平岸天神」によるダイナミックな踊りが披露されたほか、アイヌ民族博物館職員によるアイヌの伝統儀式の安全祈願が行われた。出港時には乗客たちがデッキから紙テープを岸壁に向かって投げ、町民らが紙テープをつかみ、「また来てくださいね」と大きく手を振って同船を見送った。
第3商港区へのクルーズ船寄港について戸田安彦町長は「誘致活動を通じて白老港が知られていないことを痛感した。今回の寄港が大きな一歩であり、外国客船も含めてしっかり誘致を行い、年に1回はクルーズ船が寄港する港にしていきたい」と話している。
http://www.tomamin.co.jp/20170550508