goo blog サービス終了のお知らせ 

先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

デザインを通してアイヌ文化を伝えたい~平取町~【西野愛由】

2020-03-07 | アイヌ民族関連
NHK 2020年3月6日(金)

こんにちは、西野愛由です!もうすぐ春ですね。 新しい出会いやスタートに胸を躍らせている方も多いのではないでしょうか? 今回ご紹介するのは、平取町のアイヌ語教室に通う18歳の少女です。 これからの夢を聞いてきました!
地元のアイヌ語教室に通う大石光紗さんは、歌や踊りを通して6年間、アイヌ文化を学んできました。
大石さん「文様にしても、刺しゅうにしてもアイヌの人たちが作った物って、すごく長い時間をかけて細かいところまで凝っていますよね。そういったところから心のあたたかさを感じますし、自然を大切にするという考え方にも惹かれました。」
大石さんの夢は、プロのデザイナーになることです。
大石さん「アイヌの商品とかで、アニメ好きな人などに、手にとってもらえるような物が少ないと思ったんです。私自身イラストを描くのが好きなので、自分のできることでアイヌ文化を伝えていけたら良いなと。」
自分の進みたい道がこんなにはっきりと決まっているなんて、すごい。
私が18歳のころは、ここまで考えられていなかったなぁと思いながらお話を聞いていました。さらにすごいなぁと感じたのは、実現に向けすでに試作を始めているという点。作っているのは、アイヌの女の子や猫のストラップやSNS用のスタンプ。クオリティ高いですよね!
キャラクター設定は本格的。袖や背中部分など、本当に細かいところまでこだわって描いています!デザインを描くために、博物館などに何度も足を運んで文様を研究したそうです。
大石さんの夢が叶いますように。これからも注目していきたいと思います。
https://www.nhk.or.jp/sapporo/articles/slug-n1d4a3b631961

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ウポポイ」って何?年100万人めざす北海道の新施設

2020-03-07 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2020年3月6日 9時00分
 「ウポポイ」をご存じだろうか? アイヌ文化の復興拠点として北海道白老町に4月24日オープンする国立施設「民族共生象徴空間」の愛称だ。中核となる国立アイヌ民族博物館の約700ある展示物はアイヌ民族の生活用具が中心で、きらびやかなものは少ない。それでも、年100万人の入場を目指す。年100万人といえば、インスタントラーメンのすべてを学べる体験型ミュージアム「カップヌードルミュージアム 横浜」とほぼ同じだ。どんな秘策があるのか?
博物館の入り口にレストラン
 JR室蘭線白老駅で降り北口から10分ほど歩くと、船の形にも見える大きな建物が見える。ウポポイの中核・国立アイヌ民族博物館だ。入り口のゲート手前のエントランス棟に、店舗が並ぶ。
 その一つにレストラン「ハルランナ」がある。まだ内装工事中。店名はアイヌ民族の儀式からとった。博物館に入らなくても食事を楽しめる構造になっている。
フレンチシェフが出合う「アイヌ」
 店に入ると、積み上がった薪と大きな木が出迎える。さらに進むと、ガラス張りにした厨房(ちゅうぼう)が見えてくる。そこに薪をたく囲炉裏を用意し、調理の様子を見せる仕掛けだ。
 店内は古代の北海道をイメージした。広さ約100平方メートルで、座席38席、テラスにも20席ある。窓からはポロト湖が見え、リゾート感覚も楽しめる。
記事後半には、西川祥一記者による高級フレンチレストランシェフ・石井誠さんのインタビュー、ミュージアムグッズの数々を撮影した動画も登場します。
 「アイヌ民族との共生を料理でどう表すのかが難しい。アイヌの豊かな食文化を参考に新しい料理を模索しています。ヌーベルホッカイドウキュイジーヌとでもいうのでしょうか」
 この店を経営する古川善浩社長は言う。古川社長は、札幌・定山渓温泉で「ぬくもりの宿ふる川」も経営している。
メインはサケとエゾシカ
 メニュー開発は、ミシュランの星を獲得したこともある高級フレンチレストラン「ル・ミュゼ」(札幌市中央区)のオーナーシェフである石井誠さんにお願いした。古川社長がお題として示した食材は、サケとエゾシカだ。
 「人間は自然の一部で、自然と共存して生きてきたアイヌ民族の考え方を理解し、フレンチの料理人である僕がどういう食で表せるのか」
 石井シェフは、こう話す。アイヌ民族は素材を生かす知恵にたけていたと思う。
野草や樹液もスパイスに
 ポイントの一つは、アイヌ料理で欠かせない野草の使い方。キハダの実、オオウバユリ、シラカバ樹液などに興味を持っている。
 石井シェフは「フォアグラやキャビアを使うような飽食の時代はとっくに、終わっている。北海道の先住民族の食材をモチーフに新しい料理をつくっていくことは、トレンドでもある。本来の意味で豊かな食を表現してみたい。アイヌ民族に刺激を受けて、僕の料理も変わっていくことになる」と意欲的だ。「フレンチでもない、アイヌ料理でもない新しい料理を、明解な切り口で見せたい」と試行錯誤を重ねる。
 コースは、前菜、オハウ(汁物)、メイン、デザートを基本にして、千円台から3千円台の4コースを想定。料理はランチだけ提供し、その後カフェスタイルにする予定だ。
「アイヌの工芸品PRのチャンス」
 「ウポポイには、全国から来てくれるし、海外からの方も多いでしょう。我々の工芸品を、広くPRする絶好の機会です」
 ミュージアムショップに、木彫りの工芸品やアイヌ文様を使ったマグカップ、ステンレスボトルを並べる貝澤守さんは、こう話す。平取町二風谷で「森の名手」と呼ばれる工芸作家だ。
 このショップは、国立アイヌ民族博物館1階のオープンスペースにつくられる。数百円の小物から数万円する木彫りの工芸品まで、商品は約千点そろえ、約200冊の書籍も集める。
 ウポポイの管理運営をするアイヌ民族文化財団の中屋真智子さんは「展示物を見た感動を商品にして持ち帰ってもらう。グッズを通じて、アイヌ文化を深く知ってもらえるショップにしたい」といい、ウポポイが目的とする「アイヌ文化の復興・発展」に沿ったコンセプトを考えている。
 店舗を運営する「オークコーポレーション」(東京都渋谷区)は、地域によって特色のあるアイヌ工芸品を全道から集めている。
レプリカじゃない「本物」を
 難しさは、博物館の展示物との関連性だ。最近のミュージアムショップは、「もう一つの展示室」という考え方をとっており、貴重な展示物のレプリカを目玉商品にするケースが多い。しかし、ウポポイには国宝も重要文化財もなく、レプリカをつくりにくい。
 そこで、消滅の危機に瀕(ひん)しているアイヌ文化の最前線を伝えるため、現代作家の作品を集めることにした。開発部長の梅津優さんは「他の博物館は国宝を手にとることができないからレプリカに意味がある。ウポポイは国宝がないからこそ、アイヌ民芸品の本物をそろえたい」という。
 若手デザイナーの作品にも力を入れる。例えば、貝澤珠美さん。北海道洞爺湖サミットで各国首脳にアイヌ文様をデザインした風呂敷を贈ったデザイナーで、「馬油クリーム」のパッケージを考案した。
 このほか、アイヌ民族をルーツに持つデザイナーの石上光太郎さんが、アイヌ文様の研究者津田命子(のぶこ)さんの監修を受けてつくる文具類やトートバッグなども。同社は今後、アイヌ文化の発展も意識し若手の作品も集めて支援していく、という。
鉄人シェフが火付け役
 おしゃれなレストランやミュージアムショップを備えるのは、近年の博物館や美術館では常識。2002年に東京国立近代美術館(千代田区)のリニューアルの際、鉄人シェフの石鍋裕さんが「クイーン・アリス・アクア」を開店させたのが「火付け役」となった。2007年にオープンした国立新美術館(東京・六本木)でも、三つ星レストランのカジュアル版「ブラッスリーポール・ボキューズミュゼ」が開店し、1~2時間待ちの人気になった。
 収蔵品約12万件、国宝89件を誇る東京国立博物館(台東区)も、ホテルオークラが運営するレストランやカフェを設置し、カップルや家族連れを呼び込もうとしている。ミュージアムショップでは、手軽な埴輪(はにわ)のキャラクターグッズから展示物のレプリカ、アクセサリーまで2千点が並ぶ。なかには、国宝の「八橋(やつはし)蒔絵(まきえ)螺鈿(らでん)硯箱(すずりばこ)」を模し、職人が技を尽くしてつくった複製品を、なんと300万円で売っている。
 京都国立博物館副館長で国際博物館会議京都大会運営委員長を務めた栗原祐司さんは、レストランやミュージアムショップは「博物館のもう一つの顔になっている」と話す。「ショップやレストランを目的にきてくださる方が、ついでに博物館でもみるか、というくらいでもいい」と言い切る。
 先住民族をテーマにした米・ワシントンの「国立アメリカ・インディアン博物館」、カナダ・ケベック州の「カナダ歴史博物館」でも、レストランは充実しており、先住民族の料理を現代風にアレンジして提供している。ウポポイの方向性について、栗原さんは「間違っていない。アイヌ文化を、展示とは別に料理で体験、グッズで持ち帰ってもらうアイデアは面白い」と話す。
「文化の盗用」に注意
 一方、伝統料理などを過度な形で「オシャレ」にアレンジすることには、批判もある。岩渕潤子・青山学院大客員教授(美術館運営・管理研究)によれば、21世紀に入って欧米で指摘されるようになった「文化の盗用」と批判されかねないデリケートな問題への配慮が必要だという。
 「文化の盗用」とは、伝統的な衣装や装飾品、料理などを表層的に取り入れて商業利用することを指す。ある文化が本来の意味や価値が失われたり、ゆがめられたりすることは、伝統文化に対する冒瀆(ぼうとく)という考え方だ。
 「多くの人はアイヌ料理になじみがなく、商業的に受け入れられない可能性もある。だからといって、欧米風にアレンジするとアイヌの人たちの批判を招きかねない。ましてフレンチやイタリアンが優れているという前提は好ましくない。アイヌの伝統を尊重し、アイヌ文化にインスパイアされた料理をおいしく提供しようという姿勢が大切だ」
 岩渕さんはこう指摘する。そして、レストランとは別に、博物館の教育メニューでアイヌ料理をきちんと教え、体験させるプログラムを充実させる必要があるのでは、という。(西川祥一)
民族共生象徴空間(ウポポイ)
 存立の危機にあるアイヌ文化を復興・発展させるナショナルセンターとして4月24日にオープンする。北海道白老町ポロト湖畔約10ヘクタールの敷地に、国立アイヌ民族博物館など3施設を建設している。総工費は約200億円。アイヌ民族をテーマにした日本初の国立博物館となる。
 このうち国立アイヌ民族博物館は、ウポポイの中核で、アイヌ民族の視点で約700件の展示品を歴史や文化を総合的・一体的に展示する。研究者を育成し、全国の大学、博物館をつなぐネットワークの拠点にもなる。
 国立民族共生公園は、再現された伝統的なコタン(集落)、体験交流ホール、体験学習館などが点在する「フィールドミュージアム」で、伝統芸能プログラムやアイヌ工芸に挑戦する製作体験などのメニューを用意する。
 全国12大学が研究目的で保管していたアイヌの遺骨と副葬品を集約し、アイヌの人々による受け入れ態勢が整うまで安置する慰霊施設もある。
https://digital.asahi.com/articles/ASN3344VHN2SIIPE01B.html?pn=11

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アイヌ協会長がサケ“密漁” 「和人の許可は要らぬ」の波紋

2020-03-07 | アイヌ民族関連
デイリー新潮3/7(土) 5:59配信
 アイヌはサケをカムイチェプ(神の魚)と呼ぶが、和人の許可は要らぬ、と“密漁”したのは北海道の紋別アイヌ協会長だった。神のため、とはいえその行為が波紋を広げている。
 アイヌ民族の歴史に詳しい東北学院大の榎森進名誉教授によれば、
「アイヌにとってサケは主食でした。遡上してきたことへの感謝を表す儀式があって、カムイチェプノミと言います。サケに祝詞(のりと)のような祈りを捧げるのです」
 紋別アイヌ協会の畠山敏会長(78)はその儀式に供えるため、昨年夏に“密漁”に踏み切ったのだ。
 地元記者が解説する。
「北海道では川でのサケ漁は禁じられ、アイヌの儀式のためなら、道に申請を出さねばならない。それが8月31日の日中、堂々、紋別市内の藻別川に網を仕掛け、翌朝、サケ約60匹を無断で捕獲したのです」
 結果、道は水産資源保護法違反などの疑いで畠山会長を紋別署に刑事告発。2月18日には、書類送検されるとも報じられた。
 北海道オホーツク総合振興局の担当者は、
「我々も事前に自宅で説得したり、漁の最中に止めるように指導はしましたが、従ってくれませんでした」
 現場で数十人のマスコミや関係者が見守る中、道職員が法律違反の旨を告げると、“(法律は和人が)勝手に作ったもんだべ”と色をなして反論した。
残りはお裾分け
 今年1月、麻生太郎財務相が“(日本は)一つの民族”と発言、批判が殺到したのは記憶に新しい。昨年にはアイヌ民族を先住民族と明記したアイヌ新法が成立したばかりだった。
 畠山会長に真意を聞くため自宅を訪ねると、2月に脳梗塞で倒れ入院中だという。代わって会長の“同胞”を名乗る知人に尋ねると、
「畠山さんはコタン(集落)を仕切っていた首長の血筋。漁業を営んでいて、3年前までは漁師をしていました。75歳で奥さんに社長を譲り、漁師を引退したのです」
 以前から申請せずに漁をしようとして揉めていたが、強行したのは事実上、昨年が初めてだった。知人が続ける。
「自由にサケ漁を行っていたのに、明治時代に和人が一方的に禁じ、権利を奪った。それは和人の罪だと。そもそも許諾を得るのがおかしいと、法を犯してでも主張しようとしたのです」
 儀式に必要なサケは2匹。ほかのサケはどうしたのか。
「儀式の後、自身の漁業会社の倉庫で同胞らとお酒を飲んで、サケ料理を食べました。残りは参列者に振る舞い、お裾分けです」(同)
 地元の漁業組合員はこう苦言を呈す。
「畠山さんの親族は本人に“許可とらなきゃダメだべさ”と言ったけど、頑固なところがあってさ。網でごっそりとって“権利だから”はないんでないの。書類送検なんて自業自得だべ」
 畠山会長の心情は分からぬでもないが、ルールはルール。許可さえとれば問題ないのだから、本当の密漁行為と区別するためにも今後はぜひ法律を遵守して、アイヌの伝統儀式を未来につないでもらいたいものだ。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200307-00611919-shincho-soci

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする