北海道新聞 05/19 19:49
【厚岸】町海事記念館は、現地調査が難しい道指定史跡のチャシ跡と竪穴住居群跡を小型無人機(ドローン)を使った最新の測量技術で調査し、再現模型の制作に取り組んでいる。測量会社が14日までの5日間で厚岸湖北岸の遺跡周辺にドローンを飛ばして地面の凹凸を読み取り、地形データを収集した。
1966年に道から指定を受けた史跡は「厚岸神岩チャシ跡及び竪穴群」。続縄文時代(紀元前1世紀ごろ)からアイヌ文化期(16~18世紀ごろ)の遺跡で、広さ160ヘクタール。20~30メートルの崖の上にあるアイヌ民族のチャシ跡5カ所と、それ以前の先住民族により造られた700カ所を超える竪穴住居跡からなる。
海事記念館によると、史跡に林道はなく、クマの生息地のため現地調査は30年ほど実施されていない。同記念館は「全容を解明してアイヌ文化への理解を深め、観光資源に活用しよう」と事業初年度の調査費として1400万円を予算計上し、本年度の国のアイヌ政策推進交付金を充てた。
調査は、プロペラ6基で、下部にレーザー測量機器を搭載した特殊なドローンを使用。岐阜県の測量会社のスタッフ7人は2班に分かれ、風や雨を避けて厚岸湖上の漁船からチャシ跡や竪穴群の上空に飛ばして地形を精密に測量した。
考古学が専門の小田島賢学芸員(27)は「チャシはアイヌ民族の砦(とりで)であり、神聖な場所」と説明し、「新しいチャシ跡や竪穴群が見つかる可能性がある」と期待する。模型はデータを基に来年度以降に制作する方針だ。(山村晋)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/545721
【厚岸】町海事記念館は、現地調査が難しい道指定史跡のチャシ跡と竪穴住居群跡を小型無人機(ドローン)を使った最新の測量技術で調査し、再現模型の制作に取り組んでいる。測量会社が14日までの5日間で厚岸湖北岸の遺跡周辺にドローンを飛ばして地面の凹凸を読み取り、地形データを収集した。
1966年に道から指定を受けた史跡は「厚岸神岩チャシ跡及び竪穴群」。続縄文時代(紀元前1世紀ごろ)からアイヌ文化期(16~18世紀ごろ)の遺跡で、広さ160ヘクタール。20~30メートルの崖の上にあるアイヌ民族のチャシ跡5カ所と、それ以前の先住民族により造られた700カ所を超える竪穴住居跡からなる。
海事記念館によると、史跡に林道はなく、クマの生息地のため現地調査は30年ほど実施されていない。同記念館は「全容を解明してアイヌ文化への理解を深め、観光資源に活用しよう」と事業初年度の調査費として1400万円を予算計上し、本年度の国のアイヌ政策推進交付金を充てた。
調査は、プロペラ6基で、下部にレーザー測量機器を搭載した特殊なドローンを使用。岐阜県の測量会社のスタッフ7人は2班に分かれ、風や雨を避けて厚岸湖上の漁船からチャシ跡や竪穴群の上空に飛ばして地形を精密に測量した。
考古学が専門の小田島賢学芸員(27)は「チャシはアイヌ民族の砦(とりで)であり、神聖な場所」と説明し、「新しいチャシ跡や竪穴群が見つかる可能性がある」と期待する。模型はデータを基に来年度以降に制作する方針だ。(山村晋)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/545721