北海道新聞 05/22 11:55 更新
【白老】新型コロナウイルスの感染拡大で北海道に緊急事態宣言が発令され、多くの公共施設が休館する中、白老町内の国立施設、アイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」がほぼ通常通り開館しており、地元で不安や疑問が広がっている。町民からは「外出自粛が呼び掛けられる中、開館するのは矛盾を感じる」との声が上がる。
「(緊急事態宣言を出した)国の施設なのだから率先して休館すべきだ。町外から人が来る施設なので不安だ」。町内の商店主の60代男性はウポポイの営業継続に憤る。
飲食店経営の70代男性も「町内のお店も経営が苦しい中で営業時間を短縮するなど協力しているのに、おかしい」と話す。
緊急事態宣言を受け、道は16~31日、白老町を含む「措置区域」の公共施設に対し、「道立施設の原則休館」と「感染状況や施設の目的を踏まえた市町村立施設の休館などの検討」を要請している。感染者が特に多い札幌市など「特定措置区域」では市町村立施設も「原則休館」とされているのに比べ、弱い要請だが、白老町は図書館や生活館など全ての公共施設を自主的に31日まで休館。胆振管内の他自治体も多くの公共施設を休館としている。
一方、ウポポイは国立施設のため、これらの要請の対象外。運営するアイヌ民族文化財団(札幌)は「休業要請の対象ではないので感染対策を徹底して開館している」と説明する。野外プロジェクションマッピングを30日まで中止としたが、ほかは通常通りの営業。5月の連休中は1日に800~1700人が来場したが、宣言が出された16日は200人に落ち込んだ。同財団は「今後の運営は感染状況を見極めつつ適切に判断したい」としている。
北海道科学大の秋原志穂教授(感染症看護学)は「札幌市などから感染が拡大している。白老町外からの人の流れを止められないなら、要請の対象外でも対応が必要になるのではないか」とし、ウポポイも休館などの検討が必要との認識を示す。(斎藤佑樹)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/546740
【白老】新型コロナウイルスの感染拡大で北海道に緊急事態宣言が発令され、多くの公共施設が休館する中、白老町内の国立施設、アイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」がほぼ通常通り開館しており、地元で不安や疑問が広がっている。町民からは「外出自粛が呼び掛けられる中、開館するのは矛盾を感じる」との声が上がる。
「(緊急事態宣言を出した)国の施設なのだから率先して休館すべきだ。町外から人が来る施設なので不安だ」。町内の商店主の60代男性はウポポイの営業継続に憤る。
飲食店経営の70代男性も「町内のお店も経営が苦しい中で営業時間を短縮するなど協力しているのに、おかしい」と話す。
緊急事態宣言を受け、道は16~31日、白老町を含む「措置区域」の公共施設に対し、「道立施設の原則休館」と「感染状況や施設の目的を踏まえた市町村立施設の休館などの検討」を要請している。感染者が特に多い札幌市など「特定措置区域」では市町村立施設も「原則休館」とされているのに比べ、弱い要請だが、白老町は図書館や生活館など全ての公共施設を自主的に31日まで休館。胆振管内の他自治体も多くの公共施設を休館としている。
一方、ウポポイは国立施設のため、これらの要請の対象外。運営するアイヌ民族文化財団(札幌)は「休業要請の対象ではないので感染対策を徹底して開館している」と説明する。野外プロジェクションマッピングを30日まで中止としたが、ほかは通常通りの営業。5月の連休中は1日に800~1700人が来場したが、宣言が出された16日は200人に落ち込んだ。同財団は「今後の運営は感染状況を見極めつつ適切に判断したい」としている。
北海道科学大の秋原志穂教授(感染症看護学)は「札幌市などから感染が拡大している。白老町外からの人の流れを止められないなら、要請の対象外でも対応が必要になるのではないか」とし、ウポポイも休館などの検討が必要との認識を示す。(斎藤佑樹)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/546740