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14歳の少女を演じるシガーニー・ウィーバー、メイキング映像公開「これぞ真の演技」

2023-01-21 | 先住民族関連
オリコンニュース1/20(金) 16:29配信

キリ(左)=『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(公開中)(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
 昨年12月16日の世界同時公開から約5週間、今月19日時点で全世界興行収入19億2825万ドル(日本円で約2468億円、1ドル=128円換算※Box Office Mojo 調べ)をあげ、『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム』を抜き、全世界歴代興行収入ランキング6位となった、ジェームズ・キャメロンの映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(公開中)。TOP5も射程圏内となっており、歴代興収ランキングTOP10には、ジェームズ・キャメロン監督作品が3本ランクインしている状態だ(1位が『アバター』29億2291万ドル、3位『タイタニック』21億9469万ドル、6位『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』)。
 最高の映像美でエモーショナルに描かれる、美しい海とそこに宿る生物たちの息吹、そして神秘の星パンドラの侵略を目論む人類と先住民ナヴィとの激しい戦い、その中に垣間見る家族のドラマが、大きな感動を呼んでいる本作。
 あまりにも“自然”であるがゆえに、忘れてしまいがちなのだが、主人公のジェイク・サリーとネイティリの養女で、今後の「アバター」を担うであろう重要キャラクターの14歳の少女キリを演じているのは、現在73歳のシガーニー・ウィーバーであるということ。
 解禁となった映像には、繊細な表現力と高度なパフォーマンスキャプチャーを駆使した撮影の様子とともに、キャメロン監督、サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナら、主なスタッフ&キャストが「これぞ真の演技」「彼女の演技は“芸術”」などと称賛してやまないコメントが収録されている。
 キャメロン監督の「無邪気な面があるから適役だ」の一言により役を引き受けたことを明かすシガーニーだが、映像にうつる表情や動きは、まさに14歳の少女そのもの。これまで「エイリアン」シリーズや「ゴーストバスターズ」シリーズなど数多くの作品に出演してきた彼女だが、本作では「今までとは違う役づくりを心がけた。“シガーニー”らしい要素を捨てるためにね。少女として毎日を過ごすのは楽しかった」と語っている。
 私生活で若者の動きを観察するほか、自身のティーンエイジャー時代を振り返りながら難役に挑んだシガーニーは「人間は14歳の頃からそれほど変わらない。当時の喜びや苦しみを鮮明に覚えているものよ。キリに心を奪われたわ」と振り返る。
 シガーニーのこん身の演技を目の当たりにしたジェイク役のサム・ワーシントンは「14歳と話している気分になったよ。少女になりきったシガーニーの演技に思わず引き込まれた」、ネイティリ役のゾーイ・サルダナは「彼女の演技は“芸術”だわ。それに見とれていると忘れてしまう。目の前の相手が長身で大女優だということをね」、再びパンドラへ脅威をもたらすクオリッチ役のスティーヴン・ラングは「イタズラ好きな少女みたいな女優さ。威厳があるけどドジな面もあるんだ」、プロデューサーのジョン・ランドーは「14歳を演じる姿に感服したよ。これぞ真の演技だ。時代を代表する大物女優さ」と口をそろえて絶賛する。
 キリをはじめとして、環境の変化に葛藤するティーンエイジャーの苦悩もエモーショナルに描かれる本作。彼女を抜てきしたキャメロン監督も「シガーニーは14歳の少女を演じきった。完璧にね。10代の少女になりきっていた。それも、無意識なうちにね。驚かされたよ」と、想像を超える彼女の才能に満足げだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d6949b03bdd017a8ace0cce1ef21b54b465f7a27

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米白人歌手の「私は日本人」発言、アジア系アメリカ人記者が抱いた“嫌悪感”の正体

2023-01-21 | 先住民族関連
文春オンライン1/20(金) 12:06配信

グウェン・ステファニー ©getty
「私は日本人」……アメリカの白人ミュージシャン、グウェン・ステファニーの発言が文化盗用の最たるものとして大きな波紋を呼んでいる。
 グウェンはミュージシャンとしての20年以上のキャリアを通して日本のハラジュク・カルチャーを筆頭にアフリカ、ラティーノ、インド、ネイティブ・アメリカンなどのカルチャーを次々と取り入れ、その度に「文化の盗用」を批判されてきた。それに対し、グウェンは文化は相互交換されるものという自説を貫き、謝罪は行っていない。
 だが、今回はファッションや音楽の盗用だけでなく、日本人のアイデンティを盗用したと言える。加えてマジョリティ、わけてもグウェンのように人気と影響力を持つ人物の場合は、文化の盗用が経済搾取の側面も併せ持ってしまう。
「文化の盗用」とは何か
 文化の盗用とは、 他人種/他民族、他国/他地域などの文化を当事者以外が真似、当事者の尊厳を傷付ける行為を指す。過去に日本で最も問題視された事例は、黒人音楽に憧れるミュージシャンが黒塗りで演奏した件。当人およびファンは「黒人音楽への敬意の念」と主張したが、黒塗りは黒人が侮蔑と受け取る行為ゆえに、現在の米国では絶対的なタブーとなっている。
 また、文化の盗用は経済的な搾取にもなり得る。盗用する側は、音楽やファッションなど盗用した文化をビジネス化することによって時には莫大な収益を上げるが、盗用された側には一切の経済的還元が行われない。
 ロック・バンド、ノー・ダウトのヴォーカリストであるグウェンは2004年に初のソロ・アルバム『ラヴ.エンジェル.ミュージック.ベイビー. 』を発表。グウェンは4人の日本人/日系アメリカ人ダンサーからなるハラジュク・ガールズを結成させ、ビデオやコンサート・ツアーで大々的にフィーチャーした。
 ハラジュク・ガールズは日本の女子中高生の制服にインスパイアされた衣装を着、そこに“おてもやん”を思わせる丸く赤い頬紅、舞妓のカンザシを合わせることもあった。
 当時、韓国系アメリカ人コメディアンのマーガレット・チョーはハラジュク・ガールズを「ミンストレル・ショー」であると厳しく批判した。ミンストレル・ショーとは昔、白人が黒塗りして黒人を面白おかしく演じた舞台を指し、ハラジュク・ガールズが若いアジア系女性のステレオタイプを演じていることを意味する。
 しかし文化の盗用という言葉も、SNSもなかった時代であり、グウェンが批判を受け入れることはなかった。その後も現在に至るまで根強い人気を保っているグウェンが雑誌『allure』最新号のインタビューで、日本文化の大ファンである自分は日本人なのだと言い切ったのだった。
アジア系アメリカ人記者が抱いた「嫌悪感」
 グウェンは子供時代、米国ヤマハ勤務の父親が日本に頻繁に出張しており、父からの土産話によって日本に大いに憧れていたと言う。大人になり初めて日本を訪れた際、原宿を見て感極まって「神様、私は知らなかったけれど日本人なの、と口にした」とインタビューで語った。
 グウェンをインタビューしていたのはアジア系の女性記者であり、「アイム・ジャパニーズ」を一度ならず繰り返すグウェンにえも言われぬ気持ちになったことが記事の行間から読み取れる。
 記者がグウェンの言葉に違和感というより嫌悪感に近いものを抱いたのは、グウェンが日本文化のファンであることと、自分を日本人だと主張することの違いにまったく気づいていなかったからだろう。その背景にはアメリカの人種階層の問題がある。
 グウェンは米国のマジョリティである白人であり、マイノリティの立場や心情を慮らずとも生きていける。しかし人種マイノリティは常にマジョリティの動向に左右されてしまう。
 アジア系に関していえば、その最たる例はトランプが大統領時代にコロナウイルスを「チャイナ・ウイルス」と呼び続け、アジア系へのヘイトクライムが激増して何人ものアジア系が殺害されたことだろう。
 記者は、その時期にグウェンがヘイトクライムに関して一切のコメントを発していないと指摘している。日本人を自称するグウェンだがアジア系ヘイトクライムの被害者にはなり得ず、グウェンには他人事だったのだ。
 そもそも多人種社会であるアメリカでは多くの人が強い人種民族アイデンティティを持っており、「私は〇〇人」または「△△系アメリカ人」といった表明は決して軽いものではない。グウェン自身、「私はイタリア系(父方)で、あとアイルランド系(母方)とか~」とも発言している。だが、他者のアイデンティティを「文化が好き」というレベルで語ることには、なんの躊躇もないのだ。
 グウェンが盗用したのは日本文化だけではない。ノー・ダウトの初期にはアフリカ由来のバンツーノットと呼ばれる髪型に、南アジア系の女性が額に付けるビンディを合わせていた。
 ソロ・アルバム『ラヴ.エンジェル.ミュージック.ベイビー. 』では原宿フレイヴァーを炸裂させながらも、ヒップホップおよび「チョラ」と呼ばれるメキシカン・アメリカン女性のファッションも取り入れていた。2012年にノー・ダウトとして発表した曲「Looking Hot」のビデオではネイティブ・アメリカンの装束で現れている。
 2020年にリリースした久々のシングル曲「Let Me Reintroduce Myself(再度の自己紹介をさせて)」では自身の過去のファッションをいくつも再現しており、ビンディ、桜を背景にしたかんざし姿も含んでいる。そして昨年5月にレゲエ・シンガー、ショーン・ポールの「Light My Fire」にフィーチャリング・アーティストとして参加した際にはジャマイカ国旗の色の衣装にドレッドロックスの出で立ちで歌っている。
“ハラジュク”で10億ドル以上稼いだ側面も
 グウェンは「もし私たちが文化を売買したり、交換したりしなければ、私たちはこれほどまでに美しいものを手にしていない」「(そうしたことを咎める)ルールは、私たちをますます分断していくだけ」と語っている。
 古今東西のあらゆる文化が他の文化を取り入れることによって発展してきたのは事実だ。だが、現在のアメリカではアメリカの歴史に沿って延々と行われてきたマジョリティによるマイノリティ文化の盗用と搾取に対して、ついにマイノリティ側が声を上げ始めているのだ。つまり今は時代の転換期であり、今後、文化盗用の自制と、多文化ミックスによる文化発展のバランスをどう取っていくのかーーこれが非常に大きな課題と言える。
 先に書いたように文化の盗用は他者のアイデンティティを強奪する行為だが、同時に経済搾取でもある。昔、白人俳優が黒塗りをして大流行させたミンストレル・ショーによって黒人は「間抜けだが陽気で歌と踊りは上手い」というステレオタイプをかぶせられただけで、黒人の懐には1セントも入らなかった。
 近年、プロ/アマを問わずネイティブ・アメリカンの名を冠したスポーツ・チームがようやく改名し始めているが、これも白人の侵略に抗戦した先住民を「どう猛」とステレオタイプ化し、その名とキャラクターグッズの販売で人気と利益を得たのはチーム側のみだ。同様のことが他の分野、他のマイノリティ人種民族にも延々と起こってきた。
 グウェンはインタビューにおいて奇しくも「文化を売買」というフレーズを持ち出しているが、本質的な意味は理解していないと思われる。ショービジネスの世界に生きるグウェンもまた多数の他文化を見聞き、時には購入し、それを取り入れた作品を作り、販売して大きな利益を上げてきた。中でもハラジュクはグウェンにとって莫大な収入源となった。
 グウェンは、成人服ブランド L.A.M.B. (ブランド名はハラジュク・ガールズ4人のニックネームLove/Angel/Music/Babyのイニシャルをもとにしている)、香水が大ヒットした姉妹ブランド Harajuku Lovers、子供服ブランドHarajuku Miniを次々と売り出した。
 それに際して「Harajuku Girl」 「Harajuku Lovers」「Harajuku Mini」の商標登録申請も行っているが、これは却下されている。しかし3ブランドの売り上げ総計は10億ドルを超えていると、『allure』の記者は書いている。
 グウェンによって日本のカワイイ・カルチャーは世界に広まった。自国のカルチャーをセレブが大々的に喧伝してくれたことを嬉しく思った日本人も少なくないようだ。
 しかしアメリカに暮らす日系人を含むアジア系女性は、以前からのステレオタイプをさらに強烈に押し付けられただけで得るものは何もなかった。ある音楽番組でのパフォーマンスで、ブリーチした金髪をなびかせる白人セレブに、文字通り三つ指をついてひれ伏す中高生ファッションのハラジュク・ガールズ。その光景は目を覆いたくなる以外の何物でもなかったのだ。
堂本 かおる
https://news.yahoo.co.jp/articles/3bc632ec2a0d87b64eb45aec5a3a6c3fa16b4fe9

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