先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

秋サケ山漬け切り身いかが 室蘭漁協が販売

2023-01-27 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年1月26日 19:58
 秋サケを使った室蘭漁協のサケの山漬け(200グラム千円)の冷凍切り身が公式オンラインショップと道の駅「みたら室蘭」(祝津町)で販売され、好評だ。
 サケの山漬けは室蘭沖で漁獲したサケを塩で漬け込み熟成させ、1カ月ほど乾燥させるアイヌ民族の伝統食。営業企画部の後藤裕晶課長は「切ったままで酒のつまみに、お茶漬け、おにぎりの具材にしてもおいしい」と話す。
・・・・・
(古田裕之)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/792732

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<ウポポイ オルシペ>56 園内の案内 アイヌ語表示が生まれるまで

2023-01-27 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年1月26日 10:22

展示で紹介されている案内表示の一例。アイヌ語で「ウセイカラ トゥンプ」、その下に「給湯室」と日本語で表示
 ウポポイ園内の案内表示はアイヌ語が先頭に示されています。園内の各所にそうした表示がありますが、アイヌ語は2009年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)により「消滅の危機にある言語」と位置づけられており、表示をひとつつくるにあたっても、たくさんの方の協力や検討が必要でした。
 2月12日まで国立アイヌ民族博物館で開催している第3回テーマ展示「ウアイヌコロ コタン アカラ 民族共生象徴空間(ウポポイ)のことばと歴史」の第2章では、バックヤードを含め園内にある115のアイヌ語表示の写真を展示しています。写真の裏面にはアイヌ語の意味を記載し、来館者自身が気になったものを手にとって意味を確認したり、反対にアイヌ語の意味から何の表示かを推測しながらひっくり返して写真を見たりできるようになっています。
・・・・・
(文・小林美紀=国立アイヌ民族博物館研究員)
◆「ウアイヌコロ」の「ロ」と、「アカラ」の「ラ」、「ウタラ」の「ラ」、「パテク」の「ク」、「ウセイカラ」の「ラ」、は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/792460

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動いた帯広のアイヌ政策 「ヒューマニズムの問題」

2023-01-27 | アイヌ民族関連
十勝毎日新聞2023/01/26 12:01
 とかちエテケカンパの会が発足した1990年は、革新系の高橋幹夫帯広市長が就任した年でもあった。98年までの高橋市政2期の間には、笹村二朗さん(故人)がアイヌ初の帯広市議となり、市は全国の自治体で初めて「アイヌは先住民族」と認めた。エテケの発展期は市のアイヌ政策が大きく動いた時期と重なり、会の活動を助けたほか、社会のアイヌ理解が進む礎ともなった。
この記事は会員限定です。
https://kachimai.jp/article/index.php?no=202312114713

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ドローンショーと影絵公演 あすから「冬ウポポイ」第3弾 白老

2023-01-27 | アイヌ民族関連
苫小牧民報2023.01.26 16:00
白老町のアイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)は27日から「とっておきの冬ウポポイ」第3弾の企画をスタートさせる。ドローンショーと影絵公演の文化イベントを繰り広げ、この季節ならではのウポポイの魅力を来場者に伝える。

体験交流ホールで開かれる影絵公演(提供)
ドローンショーは27~29日と2月3~5日、10~12日の計9日間、各日午後5時半から約7分間、体験学習館前の芝生広場で開く。300機の機体を夜のポロト湖上空に飛ばして動かす。
同空間運営本部の広報担当者は「伝統的コタンのチセ(家屋)のライトアップと一緒に楽しんで」と呼び掛ける。午後5時までに入場すると見ることができ、観覧者にはドローンショーのオリジナル記念カードを進呈する。
影絵の公演は28、29両日、各日午後0時半から体験交流ホールで開催。アイヌの伝統歌ウポポを伝承する姉妹ボーカルユニット「アペトゥンペ」と影絵ユニット「ほしふね」が出演する。
アペトゥンペは、儀式の時などに集団で歌う歌「ウポポ」の再生と伝承をテーマに活動する女性ボーカルグループ「マレウレウ」のうち、レクポさんとマユンキキさんの姉妹2人のユニット。ほしふねは、仮面舞踏家小谷野哲郎さんと作家わたなべなおかさんのユニットで、影絵や仮面などを駆使し、さまざまなアーティストと舞台作品を構築している。
当日は、アイヌの子守歌と幻想的な影絵で夢の世界を展開する。
鑑賞希望者は、公演前にエントランスの総合案内所かホール前で整理券を入手する。定員は各日303人。広報担当者は「遠い昔の記憶のような夢幻のひとときをお届けします」と魅力を語る。アドレスは、https://ainu-upopoy.jp/
http://kyodoshi.com/article/14508

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2022年度公開セミナーⅡ「原爆と植民地化を経験した街からデモクラシーを考える」開催のお知らせ

2023-01-27 | アイヌ民族関連
明治学院大学2023/01/26
開催日 2023年3月13(月)・17(金)・20(月)・23(木) 日 全4回
時間 18:30-20:00
会場 Zoomウェビナーによるオンライン開催
主催 国際学部付属研究所
デモクラシーでは、みんなの多様な意見にお互いに耳を傾け、調整して共同生活のあり方を決定していく。しかし、みんなが同じように意見を言えるわけでもない。また、お互いの意見は同じように耳を傾けやすいわけではない。意見を強く言える人と、意見をいうことがそもそも困難な人がいる。また、耳を傾けなくても理解できる意見と、耳を傾けても理解しにくい意見もある。意見をいうことが困難な人、耳を傾けてもらえにくい人をマイノリティと呼ぼう。かれらにとって、デモクラシーは一方的な押し付けに見えるかもしれない。今回のセミナーは、マイノリティの経験をどのようにデモクラシーの中で表現し、耳を傾けさせ、共同生活のあり方に反映させていくのかを考えたい。特に、マイノリティの経験として原爆と植民地化を経験した街での実践に注目したい。したがって、デモクラシーの理論的な理解というよりは、街での生活者がどのようにマイノリティの声を表現し、具体的な制度の中で反映させることができるのか、その条件について考える機会としたい。具体的には、原爆の経験を経て平和都市であることをアイデンティティとしてきた広島における選挙と立憲主義、そして、植民地化問題と向き合う北海道、沖縄を事例に選挙と立憲主義について考える。
参加無料
要予約 https://zoom.us/webinar/register/WN_yQLYFTrwSbW5wVZxybgkCg
※上記アドレスをクリックし、登録フォームよりお申し込みください。
※参加申し込みは公開セミナー最終日まで可能です。
※ご記入いただいた個人情報は本セミナーの実施目的以外には使用いたしません
プログラム 第1回 3/13(月) 小田 博志(北海道大学大学院教授/人類学)
   「北海道の脱植民地化とアイヌ民族の遺骨の帰還」
第2回 3/17(金) 大井 赤亥(広島工業大学非常勤講師/政治学)
   「広島から現代政治を考える―平成年間の政治対立軸とその展望」
第3回 3/20(月) 楾 大樹(弁護士)
   「広島における立憲主義の実践と困難」
第4回 3/23(木) 花谷 史郎(石垣市議会議員)
   「戦争に加担しない」

司会:浪岡 新太郎(明治学院大学国際学部付属研究所所長)
お問い合わせ先
国際学部付属研究所 
Email: frontier(at)k.meijigakuin.ac.jp
(at)を@に変えてお問い合わせください
関連リンク
http://www.meijigakuin.ac.jp/~iism/events/seminar/seminar22_second.html
https://www.meijigakuin.ac.jp/event/archive/2023/h7okRdNZ.html

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ブラジル新大統領が直面する国内政情不安 米中板挟みの恐れも

2023-01-27 | 先住民族関連
Wedge 2023年1月27日
 英フィナンシャル・タイムズ紙の1月5日付け社説‘Brazil’s Lula can succeed through pragmatism’は、ブラジルの大統領に返り咲いたルラ新大統領が成功するために、国際投資や貿易開放を活用すべきだと論じている。要旨は次の通り。
 ルラの初期の動きの多くは心強い。アマゾンの森林破壊を止め先住民族を保護する決意、社会的および人種上の公正を追求する姿勢、飢餓を撲滅する約束、ボルソナロ前大統領の信望者により混乱した主要な省庁に専門的なリーダーシップを回復させるという公約など、いずれも歓迎されよう。
 西側諸国、ロシア、中国に影響力を持つ途上国の大国であるブラジルの立場は、外交的な機会を得ることができる。最大限の圧力としての制裁が見事に失敗した米国のベネズエラやキューバとの交渉において特に貴重となり得る。
 しかし、ルラの過剰な介入主義や財政責任を果たさないことへの懸念から金融市場は暴落している。憲法で定められた歳出上限を「馬鹿げたこと」と断じたことは、軽率だったかもしれない。国営石油会社ペトロブラスと国立開発銀行を経済発展の原動力とする公約は、過去の失敗を思い起こさせる。
 今回の僅差の選挙結果は、ルラの労働者党に対する国民の不信感の大きさを示す。労働者党は過去の失敗(汚職、ルセフ元大統領の弾劾、不況)から学んだことを示す必要がある。
 ルラは、経済的・政治的に寛容でない環境を乗り切るために、現実的な政治を行い、彼の勝利を支えた広範な連合の有能な人材を活用すべきだ。
 ルラの最大の課題は、10年間の停滞の後、ブラジルを力強い持続可能な成長に戻すことである。そのためには、税制の簡素化、貿易経済の開放、教育の改善、インフラ投資の拡大など、大胆な取り組みが必要だ。
 野心的な選挙公約のための資金調達の方策は、差し迫った問題だ。借入れを増やす余地はほとんどないが、削減できる無駄はある。「より大きい政府」ではなく、「より良い政府」が答えとなろう。
 社会的公正、環境保護、持続可能な成長という要請を調和させるためのルラの最善策は、ブラジルの巨大な潜在的経済力を引き出すために、国際投資と貿易の力を活用することだ。そうすれば、真の意味で歴史的な3期目への道が開けるだろう。
*   *   *
 この社説は、ルラ政権が成功するためには、大胆に経済自由化に舵を取るしかないと提言しているわけであるが、そうはいかないというのがブラジルの現実のように思える。
 1月8日に起こったボルソナロ派の大統領府など襲撃は最初の警鐘だ。ボルソナロの党は下院の最大政党であり、ルラ政権が躓き国民の不満が高まれば、再びその受け皿となることを狙っているであろう。価値観の分断や左派的政策に対する批判は根強く、今後も様々な形の揺さぶりを受けるであろう。
 政権の置かれている政治的な状況や選挙公約、新政権の閣僚の顔触れや閣僚の数などから考えると、ルラには、社説が言うような外国投資や市場経済化を通じて経済を活性化する発想を期待するのは無理のように思える。
 確かに、ルラ当選の背景には中道派を含む広範囲な政治的連合があったが、中道派の有権者の意識としては、ボルソナロを忌避したのであって、ルラの公約を積極的に支持した訳ではなく、中道派が一致して連立政権に参加しているわけでもない。
 労働者党だけでは過半数にはるかに届かないので、中道派もアルキミン副大統領兼商工相などが政権に参加しているが、アダッジ財務相始め要職に労働者党の閣僚が多数配置され、ルラ当選に大きく貢献し企画予算相に就任した中道派の「ブラジル民主運動」のテベテは格差是正と貧困対策を最重要視しており、投資と貿易に政策の重点が置かれることにはならないであろう。
 さらに、ルラがボルソナロに競り勝ったもう一つの要因は、貧困層に対する選挙キャンペーンでボルソナロよりも評価されたことにある。従って、貧困層などの期待に応えることは必須であり、社会保障や公共投資の増額が必要となるが、そのためには、連立の維持や議会対策で多くのエネルギーを費やすことになる。
 また、国営企業の民営化の停止や国営石油企業の活用を図る発想は、左派的体質そのもので、保護主義的政策が強化される可能性すら懸念される。ルラ政権が財政規律をどこまで尊重できるかも懸念される。
米中ともにブラジル新政権に接近か?
 他方、ルラ政権の外交についてはこの社説の言う通り期待できる面がある。対米関係では、気候温暖化防止やトランプ・ボルソナロ同盟を共通の敵として民主主義や人権を守る点でも波長が合う。米国としては、ルラとの良好な関係を築くことにより、左傾化するラテンアメリカ諸国がさらに反米化する歯止めとなり、また、ブラジルが中国一辺倒になることを牽制する効果を期待するであろう。
 しかし、中国にとっても、米国との対抗上、BRICS(中露など新興5カ国の枠組み)の拡大・強化、南南協力、ラテンアメリカの連帯など、多極化外交を志向するルラを取り込むことは、グローバルな戦略やラテンアメリカへの影響力拡大のための大きなチャンスである。また、中国にとって利益になる資源やデジタル、電気自動車(EV)などの分野への投資も期待できるであろう。
 ルラとしては、これにより米中の板挟みとなることに注意を要するが、米中を天秤にかけて双方から好意的な反応を得る有利な立場ともいえる。このような外交的構図は、直面する内政や経済問題の解決に直接寄与するものではないが、これらの問題に取り組む上での良い国際環境を形成することにはなるであろう。
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/29178

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「オーストラリアの日」めぐり議論 先住民ら反対の声

2023-01-27 | 先住民族関連
日本経済新聞2023年1月26日 17:40 [有料会員限定]
【シドニー=松本史】オーストラリアは26日、「オーストラリア・デー」を迎えた。英国のフィリップ大佐が1788年の同日、シドニー湾から上陸したことを記念する祝日だが、先住民は「侵略の日」だと反発し、日程変更などの見直しを求めている。
「偉大で多様な社会のサクセスストーリーが迎える次の章を祝うために今日、我々は集う」。26日、記念式典に出席したアルバニージー首相は出席者にこう語りかけた。南半球にある...
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残り472文字
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2627C0W3A120C2000000/

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ハワイ先住民の他州への移住が急増

2023-01-27 | 先住民族関連
マイハワイ2023年01月26日
米国国勢調査局最新調査
ハワイ・ニュースナウの報道によりますと、米国国勢調査局がまとめた最新データで、生活費の高騰によりハワイ州を離れるハワイ先住民が増えていることが明らかになりました。
物価高騰の影響で生活が困窮し、多くのハワイ先住民がハワイ州と比べて物価が安いネバダ州ラスベガスに移住しているということです。
ホノルル市の一戸建て住宅の中間価格(販売された物件のうちの中央値)は100万ドル(約1億3千万円)を超えており、3寝室の一戸建て住宅は、ホノルル市ではおよそ120万ドル(約1億5,600万円)で販売されているのに対し、ラスベガスでは30万ドル(約4千万円)程度。家賃が収入に占める割合は、ハワイ州では40%を超えており、全米では最も高くなっています。
また最新の調査によりますと、米本土に居住するハワイ先住民は約37万人に達しており、ハワイ州内の居住者(約31万人)を上回っています。
(Hawaii News Nowより)
https://www.hawaii-arukikata.com/news/2023_0126_highcostofliving.html

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先住民アートで祝福

2023-01-27 | 先住民族関連
大宮経済新聞2023.01.26

26日、「オーストラリアの日」を迎えたシドニーで、極彩色に染まった夜明けのオペラハウス。先住民の芸術家のアート作品という。 【EPA時事】
https://omiya.keizai.biz/gpnews/1215088/

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米軍、グアム先住民埋葬地に記念碑 市民「空虚なジェスチャー」と批判 在沖海兵隊の移転先

2023-01-27 | 先住民族関連
琉球新報2023年1月26日 13:46

 【グアム共同】米軍は在沖海兵隊のうち約4千人の移転先となる米領グアムの新基地「キャンプ・ブラズ」で25日、施設建設中に見つかったチャモロ系先住民の埋葬地の記念碑をお披露目する式典を行った。歴史文化財を保護する姿勢を示し、基地建設に反対するチャモロ系などの一部住民の反感に配慮した形。日本は記念碑の整備を財政支援した。
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https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1652881.html

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大手広告代理店を辞めて写真家になった田中克佳が衝撃を受けた南米アンデスの「人」と「絶景」 

2023-01-27 | 先住民族関連
アエラ2023/01/26 17:00
 25年ほど前、田中克佳さんは南米アンデス奥地の厳しい自然のなかで暮らす人々の姿に魅せられた。
 アンデスは世界最長の山脈である。南米大陸の西側を縦断し、7つの国にまたがる。赤道付近から南にかけて、熱帯雨林や砂漠、さらには南極、グリーンランドに次ぐ規模の氷床が広がる。そんな場所に田中さんは毎年、何度も足を運んできた。
 田中さんは1993年に大手広告代理店・博報堂を退職後、2年間、ナショナルジオグラフィックの写真家・マイケル・S・ヤマシタ氏のアシスタントを務めて独立した。
 自ら立てた雑誌の企画をきっかけに南米ペルー・クスコ周辺の集落に足を運ぶようになると、人々がいまだに血塗られた歴史を引きずっていることに気がつき、衝撃を受けた。その象徴が、祭りの際に踊り手がかぶる仮面(マスク)だという。
「すごくユーモアというか、グロテスクな感じのマスクをしている人がたくさんいた。最初はなぜ、彼らがそんなマスクをしているのか、わからなかったんですけれど、これは征服者のスペイン人を揶揄(やゆ)したものなんです」

Sacred valley 撮影:田中克佳
■血塗られた過去の記憶
 田中さんの写真集『ACROSS THE ANDES』(東京ブックランド)を開くと、祭りの日、教会の前を行進する人々の姿が写っている。カラフルな民族衣装とは対照的に、目を見開いた黒い仮面が際立って見える。
「さまざまな南米の国を訪ねて、実感したんですけれど、ペルーの国民性、特にアンデス奥地に住んでいる人々は非常に寡黙で、言ってみれば、猜疑心(さいぎしん)が強い。それは『コンキスタドール』、つまり征服者に蹂躙された過去があり、その記憶や血が色濃く残っているからなんだろうなと、感じました」
 ペルーには、先住民とスペイン人を祖先に持つメスティーソが大勢暮らしている。
 かつて、「黄金の都」といわれたクスコはインカ帝国の首都だった。高度な農耕技術や建築技術を有していたインカ帝国は1533年、スペイン人によって征服され、滅亡した。
 スペイン人はインカ文明に代表されるアンデスの知恵や宗教を押しつぶし、キリスト教を強制した。
「ペルー国民のほとんどはキリスト教徒ですから、キリスト教は彼らの生活にはなくてはならないものです。でも、彼らはキリスト教を信仰しつつ、どこかで拒絶している。ものすごく複雑な精神文化を持っている。それを目の当たりにしたとき、ものすごい感銘というか、ショックを受けた。さらに、高地の厳しい自然環境で生きる人々の神秘的な強さと美しさを同時に感じた。それが、25年前の旅だった」
■できたばかりの地球の表情
 それから10年ほど後、田中さんはアンデスの南端、パタゴニア地方を訪れた。すると、今度は天を突きさす山々の世界に圧倒された。
「最初は意味がわからなかったんですよ。いったい自分は何に打ちのめされているのか。目の前にある風景は確かに奇麗なんですけれど、他の場所で美しい自然や大絶景を目にしたときには1度も感じたことのなかった畏怖、恐怖心を抱くというか、圧倒的なものを感じた」
 パタゴニアの核心部、トレス・デル・パイネ国立公園(チリ)で撮影した写真には、巨大な岩を鋭く彫り上げたような山がいくつもそびえ立つ。その姿は芸術作品のようだ。
「調べていくうちにわかったんですが、この山岳群は世界的に見ても、ものすごく若い。なので、稜線がすごくシャープなんです。できたばかりの地球の表情というか、原始の風景。ああ、だから、ほかの場所では感じなかった感覚を覚えたんだな、と思いました」
 パタゴニアは地球上でもっとも氷河が集中している地域でもある。
「氷の帯がものすごい時間をかけて流れ下ってくるんですが、その先端が最後に湖で崩れ去る。何百年もの時間を凝縮したものが、一瞬で終わる。最初、その意味もよくわからなかったんですが、何回も目にするうちに『時間』というキーワードが風景のなかに浮かび上がってきました」
■もっとも強烈な体感
 写真集を開いて意外に思ったのは、田中さんがボリビアのウユニを訪れたことだった。ウユニには絶景スポットとして知られる湖があり、世界中から観光客が押し寄せる。なぜそんな場所を訪れたのか?
「そこはアンデスのなかで、かつてない強烈な体感を覚えた場所なんです。ぼくにとってのウユニは、何日も究極の体験をしながら旅をして、最後にたどり着いたところ。観光客が飛行機でポンとウユニに着いて、あの鏡のような湖面の写真を撮って、インスタに載せて、という場所ではないんです」
 世界一乾燥しているといわれるチリのアタカマ砂漠を北上し、ボリビアとの国境を越えると、「アルティプラーノ」と呼ばれる地域に入る。標高約4800メートル。
「ふつう、そのくらいの高度だと山を想像されると思うんですけれど、アルティプラーノは平原なんです。アンデス山脈の真ん中に広大な盆地が広がっている。そこはこれまで私がさまざまな場所を旅してきたなかで、もっとも人間の足跡のない、遠隔地中の遠隔地だった」
■桃源郷のようなウユニ
 アルティプラーノにあったのは、「見る者を突き放す風景」だった。距離感を失う月面のような荒野。地底から吹き上げる蒸気。塩湖で羽を休めるフラミンゴの群れ。
「超遠隔地で毎日、圧倒的な自然と向き合って撮影しているうちに、ものすごい恐怖感が湧き上がってきた。自分の存在意義みたいなものを見失い始めた。いったい何をしているんだろう、ぼくは、みたいな」
 自分の外側に視線を向けて写真を撮っているつもりが、いつの間にか、その視線が自分の内側に向かってきた。
「毎日のように自分への問いかけが始まった。自分の存在とか、目指そうとしていることとか。自己認識を強烈に感じた。今まで世界中で写真を撮ってきて、そういう体験をしたことはなかった」
 標高が高いので、酸素濃度は通常の半分ほどしかない。睡眠は浅く、日に日に体力が奪われていく。荒涼とした大地の上を渦巻く雲と精神状態がリンクして、大混乱しているかのように感じた。
「そんな場所から少しずつ高度を下げていって、最後に到達するのがウユニなんです。少し体力を回復できて、一息つける桃源郷のように感じました」
 ウユニの湖に到達した田中さんは撮影中、1人の観光客とも出会わなかった。
「湖は広大で、ぼくが写したのは大勢の観光客がやってくる場所とはまったく別のところなんです」
■25年かけてもごく一部
 田中さんはこの写真集について、「とてつもなく長い山脈のなかで、さまざまなことが起こっている。それを一つの壮大なストーリーにまとめたかった」と語る。「まあ、抽象的ことばかりがテーマになったんですけれど」。
 一方、「25年かけても『これがアンデスです』と、言っていいのか、というくらいの場所しかカバーできていない」と、率直に言う。
 写真集の前文を寄せてくれたマイケル・S・ヤマシタ氏は文章を、こう締めくくった。
<本写真集の完成までには、25年という歳月を要していますが、彼がアンデスへの想いをすべて完結させたとは思っていません。次の章と出会える日を心待ちにしています>
「マイクは、これからも撮り続けろと、強いメッセージを投げかけてくれましたが、まさにそのとおりです。また違うアンデスを表現し続けていければな、と思います」
 さらに田中さんは定点観測的にアンデスを撮影し、メッセージを発信し続けることの重要性を感じている。
「おそらく、ぼくの子どもや孫の時代になったら、もう見られないと思われる光景がたくさんあります。今、起こっていることを伝えるだけでなく、それを写真で残さなければならない」
 人々の生活だけでなく、自然環境も変化している。
「初めて見たパタゴニアの氷河と、今の氷河ではもうまったく別ものというくらい、先端が後退してしまった。一方、赤道近くのベネズエラやコロンビアに目を向ければ、ぜんぜん違う表情が現れる。アンデスは定点観測するという時間の軸と、北から南まで見るという途方もない距離の軸、2つの軸で表現できる場所なんです」
(アサヒカメラ・米倉昭仁)
https://dot.asahi.com/dot/2023012400006.html?page=1

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《ブラジル》ヤノマミ族問題=連警がジェノサイド罪で捜査開始=州都の病院は既に満杯に=国際法廷への訴状提出も

2023-01-27 | 先住民族関連
ブラジル日報1/27(金) 6:59配信

重篤な栄養失調のため、州都に移送される前に点滴を受ける子供(Condisi-YY/Divulgação)
 【既報関連】ロライマ州に住むヤノマミ族がマラリアや深刻な栄養失調などで大量死していた事が判明した事で、連邦警察がジェノサイドとしての捜査を開始。国際法廷に提訴する動きも強まったと23~26日付現地紙、サイトが報じた。
 ジェノサイドは「特定のグループの抹消を目的として行われる暴力的な犯罪行為」を指し、「ジェノサイド罪の防止と処罰に関する条約(ジェノサイド条約)」では、集団の構成員を殺すこと、集団の構成員に重大な肉体的、精神的な危害を加えること、全てまたは一部の身体的破壊をもたらすような生活条件を故意に集団に課すこと、集団内の出生妨害を意図する措置を課すことなどをジェノサイドと規定している。
 ヤノマミ族の窮状は不法な金採掘を行う金鉱夫の大量侵入によるマラリアなどの蔓延、土地や川が水銀で汚染されて農作物や魚、飲料水の確保が不能となり、深刻な食料不足や飢餓、疾病状態が生じたことが原因だ。しかも、先住民による金鉱夫撤去要請や医療制度のアクセス確保の要求は3年以上無視され、診察や治療さえ受けられずに死ぬという最悪の事態を招いた。
 ボルソナロ前大統領はロライマ州での金採掘を2度も許可しており、一部専門家は無作為による当然の権利や資産へのアクセスの阻害で先住民の減少や消滅を図り、金採掘を容易にしようとした可能性さえ指摘している。
 保健省のスタッフが現地入りして現状が判明後、連邦政府は公共衛生・人道上の非常事態を宣言。法務省の要請で市警もジェノサイドと救出拒否などの無作為、環境犯罪その他で捜査を始めた。
 ヤノマミ族居住地では4年間で5歳未満児が少なくとも570人死亡。内505人は1歳未満だった。また、昨年は3万人中1万1530人のマラリア罹患が確認されている。
 非常事態宣言後は大統領などによる現地視察や医療部隊派遣、陸空軍の人道支援などが続き、半数は病人とされる同族住民の中でも重症者が州都のボア・ヴィスタの病院に運ばれている。小児病棟や野営病院は既に満杯だが、現地ではまだ、病院への移送が必要な患者が列をなしている。
 ボルソナロ政権での無作為などは前政権中から前大統領やダマレス元人権相らをハーグの国際法廷に提訴する動きを招いていた。今回の非常事態宣言や連警の捜査はこの動きを更に強固にし、加速させると見られている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2db1fdd64df3a5d8797955b70182f5a0ba1c31f9

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