時事通信 2024年11月25日(月)
小型のプロペラ機が飛び去ると、ツンドラを渡る風の音だけが残った。かつて子供の笑い声であふれた広場は、バスケットボールのゴールが倒れたまま。米アラスカ州西部ニュートックは気候変動で移転を迫られ、「北米初の気候難民」と呼ばれた先住民族ユピックの村だ。30年近く要した全住民の移住は、来月終わる。近く消滅するその村を12年ぶりに訪れた。
12年間の変化
土壌浸食が進み、青い屋根の学校校舎近くまで川が迫る米アラスカ州の村ニュートック。写真上は2012年6月撮影、下は2024年10月7日撮影 【時事通信社】