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「川湯温泉を全国区に」星野リゾート進出方針に地元期待 広域観光推進に弾み

2023-01-21 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年1月20日 21:13(1月20日 23:43更新)

弟子屈町の川湯温泉街。星野リゾートの進出が温泉街全体の再生につながるか期待がかかる
 【弟子屈】町川湯温泉に星野リゾート(長野県軽井沢町)が進出する方針を受け、地元からは温泉街全体の知名度向上と集客につながると歓迎の声が上がった。道東の中央に位置する川湯温泉が活性化することで、広域観光の推進に弾みがつくと観光関係者も期待を寄せている。
 川湯温泉街の活性化に取り組む住民有志でつくる阿寒摩周国立公園川湯地域運営協会の宮崎健一副会長は「星野リゾートの進出はゴールではなくスタートだ。川湯の名前が全国区になり、多くの人が温泉に来てくれることを期待している」と喜びをあらわにした。
 関係者によると、星野リゾートと環境省、町の3者が来月にも、川湯温泉の廃ホテル跡地における宿泊施設の整備・運営事業に関する協定を締結し、計画を発表する。事業は政府が掲げる外国人観光客の誘致方針を受け、同省が2016年に始めた「国立公園満喫プロジェクト」の一環。
・・・・・・・・
川湯温泉でも、川湯の名の由来になった温泉川(ミソノ川)や硫黄山、アイヌ文化などを生かした観光戦略が示されるのか注目される。(清水竜也、五十地隆造)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/790118

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札幌など トークショー、試食会 アイヌ文化楽しく学ぼう /北海道

2023-01-21 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2023/1/21 地方版 有料記事 446文字
 アイヌ文化を楽しく学びませんか――。道は30日から、アイヌ文化のトークショーや伝統料理の試食会を札幌市など5カ所で開く。歴史を感じながら、シェフがアレンジしたアイヌ料理に舌鼓を打つのはいかがか。
 トークショーと試食会は30日から2月10日にかけての5日間、札幌、釧路、登別、富良野の各市と七飯町の計5カ所のホテルで開かれる。登別市はトークショーのみ。
 この事業は道アイヌ政策課が初めて実施するもので、いずれも参加費は無料。2021年8月の東京オリンピックのマラソン・競歩の競技開始前、札幌市内で披露されたアイヌ舞踊の総監督を務めた秋辺日出男さんが各会場のトークショーに登場し、試食会はホテルや料理店のシェフが伝統的なアイヌ料理を現代風にアレンジした品々を振る舞う。
この記事は有料記事です。 残り113文字(全文446文字)
https://mainichi.jp/articles/20230121/ddl/k01/040/028000c

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【北海道】1ヶ月弱で目標金額300%を達成!アイヌ文様ストールのクラファンは1月28日まで

2023-01-21 | アイヌ民族関連
ストプレ2023/01/20
北海道札幌市在住のアイヌ民族の刺繡家・早坂ユカ氏が、2022年12月16日(金)よりクラウドファンディングサイト「Makuake」にて、アイヌ文様をデザインしたストールを販売中だ。
クラウドファンディングの実施は、1月28日(土)まで。
アイヌ文化を全国に発信したい

「アイヌ文様ストール」は、2020年に札幌市が立ち上げた「SAPPORO AINU PRODUCTS」事業の一環として、同氏が試作品を制作したもの。同事業では、「現代の暮らしの中に息づくアイヌ文化を。」というコンセプトのもと、様々なアイヌプロダクトが生み出された。
今回は、「SAPPORO AINU PRODUCTS」事業で試作されたストールを実際の商品として、多くの人のもとに届けたいと同氏が思い、クラウドファンディングが立ち上げられた。同氏は、「伝統的なアイヌ文化と現代的なファッション感覚の融合に挑戦し、アイヌ文化を全国に発信することを目指しています」と話している。
大好評につき目標金額の300%を達成!
2022年12月16日(金)より、クラウドファンディングサイト「Makuake」で、初めて一般販売を開始したところ、初日から目標金額を達成。現在にいたるまで多くの注文があり、販売を開始してから約1ヶ月弱経過した現在では、当初の目標金額の300%を達成している。
なお、売り上げの一部は、アイヌ民族の子どもたちの教育資金として札幌アイヌ協会に寄付される予定。同プロジェクトは、アイヌ文化の価値を高めて資金を集め、アイヌの子どもたちを支援する取り組みでもある。
伝統が持つ美しさを、求めやすい価格で
刺繍家の早坂ユカ氏は、アイヌ文様の刺繍がもつ美しさをもっと一般の人に知ってほしいと考えていた。しかし、アイヌ民族の女性たちがつくり出す伝統的なアイヌ文様の刺繍品は、とても美しい工芸品であると同時に、すべてが手仕事でつくられるため高価にならざるをえない。
そこで、その伝統が持つ美しさをそのまま活かしつつ、普段の暮らしの中で使ってもらえるよう、より求めやすい価格で提供することを目指して作られたのが「アイヌ文様ストール」だ。ストールの半分にあしらわれたアイヌ文様は、単なるグラフィックとしての模様ではなく、実際のアイヌ刺繍の味わいを感じられるよう、刺繍のステッチの風合いを活かして図案化されている。
素材はポリエステルで、サイズはW170cm×H90cm。カラーはオレンジ/ネイビーの2色から選ぶことができ、価格はどちらも18,000円(税込)だ。
クラウドファンディングは1月28日(土)まで。ストールを手に取って、アイヌ文様の美しさや意味を体感してみては。
Makuake:https://www.makuake.com/
プロジェクト名:アイヌ文化を全国へ|受け継がれる伝統の文様をもっと自由にカジュアルに|ストール
(オガワユウコ)
https://straightpress.jp/20230120/828756

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株式会社レッドクリフ、北海道白老町のウポポイ(民族共生象徴空間)に隣接する氷結湖上での日本初となる※1 ドローンショーを9日間実施

2023-01-21 | アイヌ民族関連
株式会社レッドクリフ2023年1月20日 10時00分
300機の煌めくドローンアート ~ウポポイの夜空を彩る特別な9日間~
国内最大数のドローンを保有・運営する株式会社レッドクリフ(https://redcliff-inc.co.jp/ 本社:東京都新宿区、代表取締役社長:佐々木孔明、以下レッドクリフ)はこのたび、2023年1月27日(金)~29日(日)、2月3日(金)~2月5日(日)、2月10日(金)~2月12日(日)の合計9日間、北海道白老町のウポポイ(民族共生象徴空間)に隣接する氷結したポロト湖上でドローンショーを実施いたします。

<本イベントとドローンショーについて>
アイヌ文化やウポポイをテーマに煌びやかなドローンアートとして夜空を彩る予定です。アイヌ文化と最先端技術であるドローンを用いたエンターテイメントを組み合わせることにより、歴史と最新テクノロジーを融合させ、 アイヌ文化の振興や普及啓発をドローンの光と共に全世界へ伝えることを目指します。
通常のドローンショーでは1日のみの実施が多いですが、この度レッドクリフは週末の金、土、日曜日の3日間連続ドローンショーを3週間連続で実施します。ご都合がつかなくて生のドローンショーをご覧になることを断念していた方は、この連続開催のチャンスにぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。 
* ウポポイドローンショー開催概要
<開催期間>
2023年 1月27日(金)、1月28日(土)、1月29日(日)
2023年 2月3日(金)、2月4日(土)、2月5日(日)
2023年 2月10日(金)、2月11日(土)、2月12日(日)
各回17:30開始予定(約7分間)
ドローンショー実施日の入園は17:00まで、退園は18:00までとなります。
気象条件により中止となる場合がございます。下記の開催状況をご確認ください。
https://ainu-upopoy.jp/topics/droneshow23janfeb/
<開催場所>
〒059-0902 北海道白老郡白老町若草町2丁目
民族共生象徴空間 ウポポイ園内(有料エリア)
<入場料>
大人(一般) 1,200円
大人(団体) 960円
高校生(一般) 600円
高校生(団体) 480円
中学生以下 無料
* 株式会社レッドクリフ概要
会社名       株式会社レッドクリフ(REDCLIFF, Inc.)
設立        2019年5月15日
役員        代表取締役 佐々木 孔明
所在地       東京都新宿区新宿4-3-15 レイフラット新宿B棟3F
事業内容      ドローンショー運営、ドローン空撮
資本金       1億2550万円
メール       hello@redcliff-inc.co.jp
ホームページ    https://redcliff-inc.co.jp/
日本国内最大数のドローンを保有するドローンショーの企画・運営企業。大規模なドローンショーを国内に提供するドローンショーリーディングカンパニーです。2019年に設立し、ドローンショーを実施するために様々な準備を行なってまいりました。2021年に初となる国内最大規模の300機のドローンショーを、氷点下の北海道という厳しい環境下で過酷なミッションにチャレンジし、卓越した技術とチームワークで無事に10日間連続のドローンショーを成功させました。その後も挑戦し続けることを信念とし、500機そして、現在は700機規模へシステムを増強させ、2023年は1000機のドローンショーを開催予定です。これまでに16都市以上でショーを開催し、2022年6月に開催した横浜開港祭では約30万人もの観客を魅了した。TVやSNSをはじめ、多くのメディアで大きな反響が得られました。
<会社としての今後の展望>
国内外問わずドローンショーの可能性を広げるため、2023年には1000機以上の運用まで機体を増やし、複雑で立体的な3Dアニメーションや2次元コードなどの表現が可能になり、直接URLへの誘導する広告やイベント、限らず様々なシーンでドローンショーの活用可能になります。更に地域の文化や歴史などを最先端の技術で融合・表現し、まちおこしにも積極的に協力して皆様があっと驚くような全世界で『初』となる新しい形のエンターテイメントにチャレンジします!
【YouTube】
https://www.youtube.com/channel/UCEX4sV_UZGkcaKLz_Xawbhg
【Twitter】
https://twitter.com/redcliff_drone
【Instagram】
https://www.instagram.com/redcliff.xyz/
※1 2023年1月20日現在、日本国内で実施されたドローンショーにおいて自社調べ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000087924.html

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北海道ニセコの名宿「坐忘林」。 美しくも厳しい自然と共存するソーシャルグッドな知恵と工夫。

2023-01-21 | アイヌ民族関連
アエラ2023.01.20
社会によりよい取り組みを行うソーシャルグッドなホテルを、トラベルエディター伊澤慶一が紹介。今回は北海道ニセコの原生林の中にひっそりとたたずむ宿、坐忘林へ。どこを見渡しても自然風景と調和のとれた美しい施設だが、一方で北海道の厳しい大自然と隣り合わせ。時に戦い、時に共存する、数々の知恵と工夫を紹介する。
旅館でもなく、ホテルでもない。まるで、芸術家のアトリエのよう……。初めて坐忘林を訪れた私は、ロビーでチェックインの手続きをしながらそんなことを思っていた。和の伝統を採り入れながらも、極限まで無駄をそぎ落とす洗練された空間は、モダンアートのエキシビションのようにも映る。実際、坐忘林のデザインを担当したショーヤ・グリッグ氏はクリエイティブディレクターとして活躍する人物。日本国内各地を旅するなかで、日本の温泉文化と旅館に心ひかれながらも、彼自身の感性を全て納得させるものがなかったため、同じビジョンを持ったイギリス人夫妻とパートナーシップを組み、この坐忘林を建てたそうだ。日本に魅せられた外国人たちが、日本の宿を独自に解釈して創り上げた「未来のRYOKAN」。私の第一印象もあながち間違ったものではないかもしれない、そう感じながら館内を進んでいくことにした。

フロントデスクに飾られた屏風絵。館内にはアイヌ文化の美術品や北海道の作家による絵画や写真などがいくつも飾ってある。
坐忘林の館内には、北海道の風景画や使い古された楽器、オリエンタリズムあふれる骨董品などがちりばめられ、すべてが不可欠なアートとなって坐忘林を形成している。外国人の目から見た日本の景色や伝統文化はこんなにも美しいのかと感心させられる。また廊下は「陰翳礼讃(いんえいらいさん)」をテーマに、すべてを明るく照らすのでなく、光と影が絶妙に計算されたデザインに。ある意味、日本人よりも日本の奥ゆかしさを重んじて設計されているのが坐忘林という宿だ。さらにその美意識は、自然との関わり方にも表れている。周囲の景観を守るために平屋造りにしたという建物の外壁には、工場のオフカット材をリサイクルして使用。石炭の製造過程で出る余剰分から作られたものでコーティングすることで、焼杉のように天然ながら防水・防腐効果の高い外壁材になっている。ちなみに坐忘林にはエアコンが設置されておらず、夏場は窓を大きく開けて外気を取り込み、冷たい湧き水を床に循環させて室温を下げるなど、環境負荷を抑えたソーシャルグッドな設計がなされている。冬は温泉の熱を融雪や床暖房に活用。自然に溶け込むということは、険しい自然と隣り合わせであることと同義であるが、坐忘林はその美しくも厳しい自然環境を敬って、十分に配慮しながら共存しようとしているのがわかる。
坐忘林はスキー客でにぎわうニセコひらふエリアから車で15分ほどのロケーションなのだが、打って変わって雄大な大自然の中にある。その敷地面積は、およそ4万㎡。手付かずの雑木林や自然の池を避けるように配置された宿泊棟の客室はわずか15部屋だけで、いかにぜいたくな空間の使い方をしているかがわかるだろう。各部屋は「棟間」と呼ばれる空間によって離れの造りとなっており、滞在中に聴こえてくる音は客室露天風呂に注がれる温泉の音と、時折屋根からザザザと滑る落雪の音のみ。「静寂に包まれる」という日本語は、まさにこういうことなのだと教えられる。そもそも「坐忘」とは禅の世界で、「静座して現世を忘れ、雑念を取り除く」行為を指すそうだ。確かに原生林に降り積もる雪景色を眺めていると、メディテーションをしているかのごとく心が穏やかになっていく。館内のパブリックスペースのいたるところでも自然に向けて椅子が配置されているので、それらを転々と巡ってみるのもよいだろう。
全長約11mにもなる一枚板のバーカウンターも坐忘にふさわしい、とても居心地のいい場所だ。日中、天気が良ければ大きな窓からは蝦夷富士「羊蹄山」やニセコアンヌプリが望め、夜もライトアップされた幻想的な光景が窓一面に広がる。ペアシートに腰掛けながら、「白樺モヒート」や「プルーンのコスモポリタン」といった坐忘林オリジナルのシグネチャーカクテルを味わう時間は究極にロマンチックだ。静謐(せいひつ)な空間に身を委ねていると、ロビーのほうからパチッパチッと薪が爆ぜる音が聴こえてくる。海外のホテルはそれぞれロビー用に独自のフレグランスを用いているところがあるが、坐忘林の場合はこの薪の香りがそれにあたる。リピーターの方はこの薪の甘く柔らかい香りに包まれたロビーに到着すると、坐忘林に戻ってきたと実感するのだという。独自の世界観が反映された宿で、ゲストもさまざまな体験を通じ、滞在中に五感を研ぎ澄ませていく。あからさまにスイッチで演出するのでなく、自然に非日常へといざなっていく坐忘林のアプローチが、非常に心地よく感じられた。
坐忘林での食体験も、自然とのつながりを強く深く感じさせてくれるものだ。北海道の大地で育った食材を、その時々で最も旬な状態で提供してくれるのは北海道生まれの総料理長、瀬野嘉寛氏。「北懐石(きたかいせき)」と名付けられたオリジナルの北海道郷土料理で、花咲蟹や鱈場蟹、真だち(真鱈の白子)、北海道和牛、真ほっけ、ななつぼし、シャインマスカットといった、道内のさまざまなごちそう食材がずらりと並ぶ。料理はどれも素材がもつ本来のうま味を最大限に引き出すべく、シンプルな味付けにこだわりながら、火入れや下処理に丁寧な工夫が凝らされたものばかり。北海道の風景を表現することもあるという美しい盛り付けや、料理長自ら工房から買い付けてくることもあるという食器も、目で見て存分に味わっていただきたい。
美しくも過酷な北海道の自然と隣り合わせのなか、温泉や湧き水を再生エネルギーとして活用し、その恩恵を最大限に生かしながら共存共生を図る坐忘林。昨今の温暖化によって夏場の気温上昇や冬場の異常気象も頻発し、客室の空調も電力に頼らざるを得ない場面もあるというが、それでも自然環境への感謝を忘れることなく、日々自然と共に歩んでいく。「未来型のRYOKAN」坐忘林は、環境に対する取り組みもまた未来志向の美しい宿だった。
坐忘林
北海道虻田郡倶知安町花園76-4
0136-23-0003
https://zaborin.com/
伊澤慶一
トラベルエディター
旅行ガイドブック『地球の歩き方』編集部にて国内外のガイドブックを多数手がけ、2017年に独立。現在は、雑誌のホテル特集ページ制作を手がけたり、「ワーケーション」や「ステイケーション」をテーマに連載記事の執筆、また自らのInstagramアカウント(@izawakeiichi)で日々おすすめホテル情報を発信している。
URL: https://www.instagram.com/izawakeiichi/?hl=ja
https://asm.asahi.com/article/14817606

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北海道土産に激推し! 可愛すぎる子熊型の日本酒「ポンエペレ」が飲んだ後も楽しい理由

2023-01-21 | アイヌ民族関連
食楽Web1/20(金) 11:02配信
●調査内容:北海道の物産店には熊をモチーフにした土産物が溢れていますが、日本酒好きにおすすめしたいのが釧路の歴史ある酒造『福司酒造』の「ポンエペレ」。定番土産としておすすめの理由とは?

「ポンエペレ」300ml、1500円 | 食楽web
 長らく北海道土産の定番に君臨していた木彫りの熊。土産店には必ず置いてあり、北海道の伝統工芸として象徴的な存在でした。近年は職人が減少している上、スイーツや海産物グルメの方に注目が集まっており、昭和の全盛期に比べると需要も減りつつあるようです。
 しかしながら、やっぱり熊は北海道にはなくてはならない存在! そこで酒は辛党の人にもおすすめしたい、おいしくいただいた後に飾って楽しめる「熊」をご紹介します。
 それが1919年、釧路で創業した『福司酒造』の「ポンエペレ」。この「ポンエペレ」とは、アイヌ語で“子熊”という意味。パッケージには、あどけない姿の子熊の姿が描かれています(本物はめちゃくちゃ凶暴なのですが……)。
使い方にも工夫あり! 「ポンエペレ」の魅力はここ
 陶器で作られた熊は木彫り風のタッチで、フォルムも可愛らしい。頭と栓を外すと、中には本醸造の日本酒が入っています。可愛らしい見た目にそぐわず、味は淡麗辛口。北海道を代表する酒米「吟風」を使用し、精米歩合は65%。仕込み水は自然の深い道東で濾過された伏流水で、清らかさでキレのある味が特徴です。
 ゴム栓を外すのに手こずりましたが、栓が開くと芳醇な香りが広がります。実は、頭は杯として使えるというギミック付き。個人的なおすすめは、冷酒よりも燗酒! より香りが広がり、深みを堪能できますよ。
 飲んだ後は色んな角度からお気に入りのポジションを見つけて飾ってみてください。正面や横顔も良いですが、後ろ姿も絶妙な猫背感で胸キュンです。
調査結果
『福司酒造』の「ポンエペレ」は、サイズもコンパクトなのでスーツケースで持って帰りやすいのも魅力。熊の容器は北海道土産らしく、辛党にも熊好きにも喜ばれる逸品です。
●DATA
ポンエペレ
(撮影・文◎亀井亜衣子)
https://news.yahoo.co.jp/articles/5e12fa8427599d399ad200068cc96801d3b2313a

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博物館講座「十勝のチャシ跡」:イベント情報

2023-01-21 | アイヌ民族関連
十勝毎日新聞 2023/01/20
地域 帯広
開催日 2023年1月21日(土)
時間 14:00~16:00
内容・説明 アイヌ語で「柵囲い」を意味するチャシの遺跡について、十勝の事例から紹介する。講師は同館の森久大学芸員。参加には電話での事前申し込みが必要。定員は50人(先着順)。
場所 帯広百年記念館
住所 帯広市緑ケ丘2
料金 入場無料
問い合わせ先 0155-24-5352(帯広百年記念館)
http://kachimai.jp/event/event_calendar_data.php?id=5906

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「イグルー」楽しく制作/つがる

2023-01-21 | 先住民族関連
陸奥新報2023/1/20 金曜日 

県西北地域県民局地域連携部は18日、圧雪ブロックを積み上げたドーム「イグルー」作りを体験する「イグルーマイスター講座入門編」をつがる市のつがる地球村で開いた。
 イグルーはカナダの先住民族イヌイットがかつて冬場に使っていた簡易住居。県民局ではイグルーを新たな冬の観光素材として提案し、制作過程なども含めて楽しんでもらおうと初めて企画した。
 18日午前は津軽地方を中心に県内外約10人が参加。踏み固めた雪をのこぎりでブロック状に切り出してドーム状に積み重ね、高さ約3メートル、内径約2・8メートルのイグルー1基を完成させた。
 講座は20日まで行われており、延べ約60人が参加し、全部で8基ほどを制作する予定。完成したイグルーは22日につがる地球村で開かれる「雪フェスタin地球村」と21日午後3時からの前夜祭などで活用される。
【写真説明】雪のブロックを積み重ねてイグルーを作る参加者
http://www.mutusinpou.co.jp/news/2023/01/74198.html

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人は必要もないのに、なぜ走るようになったのか?古人類学者が教える「運動の正解」

2023-01-21 | 先住民族関連
@DAIME2023.01.20
令和5年の初詣には、最寄り駅から3駅目の、五重塔が優美なお寺に行った。
そこを訪ねるのは、去年この地に引っ越してきて以来、初めてのこと。土地勘がないため、駅を降りたらスマホの地図を見るつもりであったが、肝心のスマホを忘れた。
外出前にグーグルマップで、おおよその位置を把握していたので、その記憶を頼りにお寺を目指したが、一向にたどりつかない。
根負けして、道行く人に尋ねると、全然違う方向に歩いていることを指摘される。それでも教えられた道順にしたがい、どうにか目的のお寺に着いた。
帰りは、駅がどこかわからず、結局3駅分を歩いて帰宅した。トータルで25キロは歩いただろう。玄関にたどり着いて、くたびれた体を座らせたとき、「大昔の狩猟採集民」になった気分であった。
人類学的に見れば、筆者のこの感想には、1つの正解と1つの誤りがある。正解とは、狩猟採集民は日々、現代人よりずっと長い距離を歩いていたこと。誤りというのは、食料調達以外の目的で25キロも歩かないことである。
結局、人は「運動」したほうがいいのか?
■必要もないのに、なぜ走るのか
狩猟採集民が、車とITに頼る現生人類よりも、身体を動かす機会が多かったのは確実だが、どれほどの活動量であったのだろうか?
それを調べるべく、今も狩猟採集民的な暮らしを送るハッザ族をたずねたのが、ハーバード大学人類進化生物学部の古人類学者、ダニエル・E・リーバーマン教授だ。
タンザニアの奥地に分け入った教授が、まず目にしたのは、「地べたに座って噂話をしたり子供の世話をしたりしながら軽い雑用をこなしているか、ただブラブラしている」ハッザ族の男女であった。

教授は、著書『運動の神話』上巻(中里京子訳、早川書房)で、その様子について、感想を記している。
“誰も力仕事はしていなかった。もちろんソファでくつろいだり、テレビを見たり、ポテトチップスを食べたり、清涼飲料水を飲んだりしていたわけではないが、彼らは多くの健康専門家が避けるべしと警告していることをしていたのである。つまり、座っていたのだ。”
とはいえ、ハッザ族も、ネット通販で食料を調達するようになったわけではない。男性は、狩りの際に1日あたり十数キロ歩き、女性は塊茎を掘りに数キロ先まで行く。
それ以外の日中の時間は、育児や軽作業に勤しみ、することが終われば特に何もしない。現代人より活動量は多いが、想像するほど過酷な労働ではないようだ。
リーバーマン教授は、メキシコの先住民族であるタラウマラ族の集落も訪れている。タラウマラ族は、俗に“走る民族”などと呼ばれ、山から山へと信じられない距離を裸足で走っている人たちだと、信じられている。
しかし教授によれば、「走っている人はそれまで一人も見かけなかったし、裸足のものさえいなかった」という。また、「腹が出ていたり、太りすぎたりしている人も少なくなかった」とも『運動の神話』(上巻)で描写している。
しかし、タラウマラ族のひとり、エルネストは想像されるようなランナーであった。70代の小柄な男性で、現代人の基準からすれば20~30歳は若く見える。走って獲物の鹿を追い詰めたり、儀式で何日も踊り続けたこともあるエルネストは、今もときおりレースで走る。だが、彼は走力を維持するために、何か訓練をしているわけではない。
教授は、アメリカ人は、「健康を維持し、レースに備えるために週に何度もランニングをする」と説明すると、エルネストは、「必要もないのに、なぜ走ろうなどと思うのか」と尋ね返してきたという。
要するに、健康のために走るという概念は、タラウマラ族の人々にはない。まず間違いなく、数万年前のご先祖様にもなかったろう。
https://dime.jp/genre/1532894/

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圧巻の大地ノーザンテリトリー 究極の非日常を知る旅へ

2023-01-21 | 先住民族関連
CREA2023.1.20
ノーザンテリトリーには、オーストラリアの感動体験が濃縮!
レッドセンター 感動の聖地へ
 オーストラリア中北部に位置するノーザンテリトリー (北部準州) は、感動大陸の魅力が凝縮したエリア。

聖地ウルルを望む最高のロケーションにあるラグジュアリーリゾート「ロンギチュード131 °」。Photo:Tourism NT/Julian Kingma
 太古より多様な生命が息づく野生生物の楽園は、心を優雅に満たす旅人たちにとっての楽園でもあるのです。
 今から約6000万年前に南半球の大海原に浮かぶ “絶海の大陸” となったオーストラリア。外界と隔絶したその大地では極めて貴重な固有の生命が育まれ、先住民族であるアボリジナルの人々の文化が守られてきました。
 なかでもノーザンテリトリーは、「これぞオーストラリア!」という魅力が詰まったエリア。未だ体験したことのない、本物の感動が待っているのです。
 さて、日本の約3.6倍の面積に約25万人の人々が暮らしているノーザンテリトリーですが、その南部はレッドセンターとよばれ、赤土の大地がどこまでも続くオーストラリアの最奥部。聖地ウルルをはじめ、一生の思い出となる圧倒的な体験が満載です。
 旅の決め手は、リゾートとアクティビティ。多彩な選択肢のなかから、自分の旅スタイルに合ったものをチョイスできます。
 たとえば、優雅で贅沢な旅を楽しむなら、ウルルを望むラグジュアリーリゾートに滞在して、遊覧飛行やサンセットディナーを。
 また、壮大な大地のパワーを深く体感したい人は、長期滞在してトレッキングやウォーキングを満喫。幻想的な「フィールド・オブ・ライト」など、夜のアクティビティも必体験です。
 さらに、レッドセンターの魅力を楽しみ尽くすなら、アリスプリングスでの滞在もおすすめ。
 人口3万人ほどの町には、ホテル、レストラン、カフェ、アートギャラリーなどが揃い、観光の拠点となる町です。
 ぜひ訪れたいのが「カンガルー・サンクチュアリ」。広大な自然保護区で、孤児になった赤ちゃんカンガルーを救出して育てており、旅行者はツアーで見学可能です。
トップエンド 幻想的な野生の王国へ
 ノーザンテリトリーの北部・トップエンドは、緑の大地が広がる野生の楽園。この地では、ラグジュアリーにワイルドライフを楽しむことができます。
 南北約1600㎞もの広さをもつノーザンテリトリー。南部レッドセンターの赤い大地に対し、北部のトップエンドには、鬱蒼とした熱帯の緑が広がり、その対照的な風景が、ノーザンテリトリーの雄大さと奥深さを物語ります。
 旅の拠点となるのは、州都ダーウィン。市街には、おしゃれなレストランやショップがあり、ミンディルビーチの散策やサンセットハーバークルーズなどが人気です。
 そしてダーウィンは、トップエンド各地へ向かうツアーの発着地となっています。
 さて、トップエンドの醍醐味といえば、なんといってもカカドゥ国立公園。その面積は約2万㎢ (東京都約9個分!)、約200種の野鳥、約1600種の植物、約1万種もの昆虫が棲息し、独自の進化を遂げてきたオーストラリア固有種の楽園なのです。
 さらに4万年以上前から先住民が暮らしてきた原初の土地であり、紀元前の壁画も多数発見されていて、自然と文化を複合する世界遺産となっています。
 悠久の時を超えて育まれてきた自然の “美” は、ヘリやセスナの遊覧飛行で堪能するのもおすすめです。
 また、優雅な海辺のリゾートライフを満喫できるのもトップエンドならでは。
 なかでもティウィ諸島は、ラグジュアリーなリトリートに滞在しながら、本土とはまったく異なる生態系、独自の先住民文化などに触れられる美しき秘境。いつかは訪れてみたい憧れの島です。
 ひとつの州でありながら、これほどまでに多彩な魅力に出会えるのは、ノーザンテリトリーだからこそ。
 訪れるたびに未体験の楽園時間が待っているのです。
ノーザンテリトリーで泊まりたい感動ホテル
 多彩なアクティビティを用意するラグジュアリーでユニークなホテルに滞在して、ノーザンテリトリーを満喫しよう!
エアーズロックリゾートの5ツ星ホテル
◆セイルズ・イン・ザ・デザート/Sails in The Desert
 ウルル・カタジュタ国立公園のほとりに5つの宿泊施設を擁するエアーズロックリゾート。
 そのうちのひとつ「セイルズ・イン・ザ・デザート」は、ゆったりとしたプール、おいしさ自慢のレストラン、セレクトも素敵なギャラリーブティックなど、充実した施設で人気の5ツ星ホテルです。
贅沢の頂点を極める予約困難リゾート
◆ロンギチュード131°/ Longitude 131°
 ウルルを望む最高のロケーションにある、レッドセンターを代表するラグジュアリーリゾート。客室はわずか15室で、食事やアクティビティなどのすべてが料金に含まれるオールインクルーシブスタイル。
 極上の滞在を一度は体験したいと、世界中の旅人たちを魅了しています。
アリススプリングスでのどかな休日
◆オーラミンナ・ステーション・ホームステッド/Ooraminna Station Homestead
 アリススプリングスから車で約30分、雄大なアウトバックにたたずむこちらの宿は、オーナーファミリーの温かなおもてなしが魅力的。
 広大な敷地に個性的なキャビンやコテージが点在し、客室はわずか5室のみ。満天の星の下で味わうオーストラリア料理のおいしさも評判で、のんびりと至福の休日を満喫できます。
奇跡の楽園アイランドで夢のひととき
◆ティウィ・アイランド・リトリート/Tiwi Island Retreat
 ダーウィンから飛行機で約30分、ティモール海に浮かぶティウィ諸島は、手つかずの自然が残る奇跡の島々。
 その海辺にたたずむラグジュアリーなリトリートには、唯一無二の体験がいっぱいです。先住民の食文化にインスパイアされたダイニングの料理も美味!
野生の楽園に溶け込む最高級ロッジ
◆バムル・プレーンズ/Bamurru Plains
 こちらの高級サファリロッジがあるのは、カカドゥ国立公園に隣接するメアリーリバー湿原。
 客室は9室のみで、野生生物たちの楽園の中に身を置きながら、その魅力を存分に堪能できる究極のリゾートです。アクセスはダーウィンから陸路3時間、セスナで約20分。
驚嘆の体験満載のグランピングリゾート
◆トップエンド・サファリ・キャンプ/Top End Safari Camp
 ダーウィンから車で約90分、リッチフィールド国立公園の北西に位置するグランピングリゾート。
 オールインクルーシブスタイルで、市街からの送迎、夕・朝食のほか、ボートクルージング、ワニの餌やり体験、湿原のヘリ遊覧などのアクティビティも心おきなく楽しめます。
2022年春に誕生した最新リゾート
◆フィニス・リバー・ロッジ/FINNIS RIVER LODGE
 トップエンドの雄大な大地で3代にわたる歴史を守り継いできた牧場が2022年4月、6室のスイートルームのみという高級ロッジをオープン。
 サバンナや熱帯雨林など、この地の大自然を思う存分満喫できるほか、牧場に暮らす動物たちとふれあえるのも楽しい!
ノーザンテリトリー/Northern Territory
日本との時差 +30分 (オーストラリア中部標準時)
公用語 英語
通貨 オーストラリアドル (AU$)=約90円/2023年1月現在
ビザ 日本国籍をもつ人は、観光・商用ともに3カ月未満の短期滞在の場合、ETAS (電子渡航認証システム) で申請可能
https://northernterritory.com/jp/ja
https://crea.bunshun.jp/articles/-/40241

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生物多様性、わかりやすく解説。COP15で決まった「世界目標」4つのポイントは? 2023年は何をするべき?

2023-01-21 | 先住民族関連
ハフポスト2023年01月20日 7時0分 JST
COP15では企業側からの熱い発言に拍手喝采の場面も。
2022年12月19日(現地時間)にカナダ・モントリオールで閉幕した、生物多様性条約について話し合う国連会議「COP15」。中国が議長を務め、2030年までの世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組み」が採択されました。
COP15に現地参加していたWWFジャパン自然保護室 生物多様性グループ長の松田英美子さんは、「まずは世界目標が時間内に無事採択されたことは大きな成果です」としつつも、良い点も悪い点もある内容になったと指摘します。
世界経済フォーラムが発表したグローバルリスクレポート2023によると、生物多様性の損失は気候変動に並び「次の10年のリスク」TOP4にランクイン。世界で待ったなしの危機だと認識されています。
これからの10年の鍵を握る「生物多様性の損失」、押さえておきたいポイントとは?
<記事のポイント>
・生物多様性「世界の新目標」のポイントとは?
①「ネイチャーポジティブ」の表現が明記された
②生物多様性の減少が著しい「淡水域」も保全対象に
③絶滅危惧種への対策は「後退」
④目標や実施状況を報告する義務はなし
・ビジネス側の発言に拍手喝采の場面も
・2030年まであと8年、やるべきことは?
①生物多様性に取り組む「前提」を知る
②企業がやるべきことは?
③政府がやるべきことは?
生物多様性「世界の新目標」のポイントとは?
①「ネイチャーポジティブ」の表現が明記された
今回の新目標で注目したいポイントの一つは、2030年までに「生物多様性の損失を止め反転させ回復軌道に乗せるための緊急な行動をとる」という文言が明記されたことです。
「損失を食い止めるだけでなく、回復に向かわせることを意味する『ネイチャーポジティブ』を目指していくことを、世界188カ国が同意しました。大きな一歩だと思います」と松田さんは話します。
前身の2020年までの目標を定めた「愛知目標」では「生物多様性の損失を止める」だった表現が、今回の世界目標では「回復に向かわせる」と一歩踏み込んだ表現になりました。
②生物多様性の減少が著しい「陸水域」も保全対象に
ネイチャーポジティブの実現に向けて、具体的にどのような目標値を掲げるかは大きな焦点の一つでした。
ドラフトの段階では、世界全体の陸域と海域の30%を保護区とする「30 by 30」が提案されていましたが、一時は30%以下を主張する国々もおり、交渉は予断を許さない状況だったと松田さんは言います。
そんな議論の末、2030年までに世界全体の陸域と海域、そして陸水域30%を保全する「30 by 30」の目標が決定しました。特筆すべきは、湿地や河川などの陸水域が含まれたことだと松田さんは指摘します。
「WWFの調査によると、淡水域の生態系は、過去50年間で84%減少するほど危機的な状況にあります。WWFとして淡水域も目標に含めることを求めていたものの、難しい要求だと思っていました。しかし最終的に目標に含まれることになり、正直とても驚きました」
③絶滅危惧種への対策は「後退」
生態系は絶妙なバランスで成り立っており、一つの種の絶滅が全体のバランスに大きく影響することもあります。また、一度失われてしまうともう元に戻すことはできない「不可逆的」なものでもあります。
松田さんは、「絶滅危惧種をゼロにする」という明確な目標を立てることは非常に重要なポイントの一つだったと言います。
しかし、「2050年までに絶滅速度の絶滅リスクを10分の1にする(ゴールA)」「絶滅危惧種の回復と保全のために緊急の管理行動を確保する(目標4)」など、むしろ後退してしまったのではないかと松田さんは指摘します。
他にも、大量生産・大量消費による環境負荷(フットプリント)に関する具体的な削減目標は記載されていない(目標16)など、“甘い目標設定”になってしまったのは残念なポイントです。
④目標や実施状況を報告する義務はなし
高い目標を掲げたとしても、実際に行動しなければ意味がありません。完全に達成できた目標がゼロだった「愛知目標」の敗因は、国際目標と国家目標の整合性が取れていなかったことが指摘されています。
気候変動におけるパリ協定では、各国の気候変動対策と温室効果ガスの削減目標(NDC)を5年ごとに提出・更新することが「義務」になっています。このプロセスがあることで、世界の目標と各国の目標の整合性を取ることを求められ、また進捗を確認しあいプレッシャーを掛け合うことができます。
WWFは同じようなプロセスや、各国の目標や進捗報告の「義務化」をCOP15でも求めていたと松田さん。残念ながら進捗をモニタリングし評価する仕組みについて記載はあるものの強制力はなく、自主的な参加を求めるにとどまりました。

国連生物多様性会議(COP15)で抗議活動を行う先住民族の気候活動家たちAFP=時事通信
ビジネス側の発言に拍手喝采の場面も
生物多様性条約のCOPの特徴は、各国の代表だけでなく、先住民やユース、女性、NGO、ビジネスなど様々な立場の人々が議論に入っていくことができる点です。
特に印象的だったシーンは、企業や金融機関の情報開示に関する目標15の議論の時だったと松田さんは言います。
「ビジネスセクターの情報開示の義務化について、各国の意見が真っ二つに割れてしまった時、議長が企業側の意見を聞いてみましょうと、一人の女性にマイクを渡しました」
その女性は、Business for Natureという経済界を中心としたイニシアチブのエグゼクティブディレクター、Eva Zabeyさん。Zabeyさんは、「前向きな企業は、野心的であることを求め、より強力な規制を求めています」と情報開示の義務化を後押ししました。
ビジネスサイドからより厳しい情報開示の「義務化」を求める声に、会場は拍手に包まれたと松田さんは言います。
「ビジネスサイドから政府により積極的な取り組みを求めてきたBusiness for Natureや、今年の9月には最終提言をまとめる予定の自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)など、ビジネスサイドの動きが各国政府の動きに先行している面もあります。
結局、その後議論は紆余曲折あり『義務化』には至りませんでしたが、企業に情報開示を求めることは明記されました。これもCOP15の大きな成果の一つでした」
2030年まであと8年、やるべきことは?
①生物多様性に取り組む「前提」を知る
2年遅れで世界の新しい目標が決まり、ネイチャーボジティブの実現に向けて動き出す2023年。あと8年しかない中、まずやるべきことはなんでしょうか?
松田さんは、「政府にも企業にも個人にも、まずは生物多様性は一度失われると元に戻らない不可逆的なものだという前提を持ってほしい」と話します。
「虫が一種類くらいいなくなっても大丈夫じゃない?なんて人もまだまだ多いのですが、種が一ついなくなるだけで、生態系のバランスに大きな影響があるということを心に留めておいてほしいです」
②企業がやるべきことは?
ビジネスセクターには「どんなに小さなことでも、事務所の一つからでも自然情報の開示に取り組んでもらえたら嬉しい」と松田さんは話します。
「世界の潮流を見れば、いずれ情報開示が『義務化』になることは明らかです。生物多様性への影響を把握することは複雑で不確実性も高いことを前提に、まずはやってみて改善を繰り返すしかありません。WWFも具体的にどのようなツールや基準が使えそうかなど、できる限りのサポートしていく予定です」
③政府がやるべきことは?
日本政府は2023年、COP15の結果を受けて次期生物多様性国家戦略を検討する見込みです。COP15で具体的な数値目標がない項目もある中、各国の政策でどこまで数値目標を詰められるかが勝負になると松田さんは指摘します。
「日本政府には陸域、海域に加え陸水域の30%を保護すること、さらに『面積』だけを求めるのではなく、『質』も求めてほしいです」
今の次期生物多様性国家戦略の議論を見ていると、生態系の保全と経済が結びついているように見えません。日本は良くも悪くも“経済中心”の国です。本来生態系の保全は経済効果が高い側面もありますので、ネイチャーポジティブを見据えて次期戦略を策定していただきたいと思っています」
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_63c787e0e4b0c8e3fc738d79

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永江朗・評 『綿の帝国』=スヴェン・ベッカート著、鬼澤忍、佐藤絵里・訳

2023-01-21 | 先住民族関連
毎日新聞 2023/1/21 東京朝刊 有料記事 1358文字

 (紀伊國屋書店・4950円)
綿の悲しい歴史、膨大な資料で詳説
 綿(コットン)なしの生活なんて考えられない。ぼくが大好きなジーンズもTシャツも靴下も綿。もちろんウールや化繊も着るけれど、肌触りの優しさやガンガン洗える気楽さは綿にかなわない。
 でも、綿ほど悲しい歴史を背負ったものはないのではないか。アメリカの歴史家が書いたこの本を読んでそう思わずにいられない。膨大な資料をもとに(原註(げんちゅう)だけで137ページもある)、綿と人間の歴史を詳述した大著である。
 ワタの木は大昔から中米や南アジア、東アフリカに生えていた。5千年も前から、人びとは綿花から糸を紡ぎ、布を織った。ヨーロッパ人が知るのはずっと後のこと。亜麻か動物の毛でつくった服を着ていたヨーロッパ人は、柔らかな綿に触れて驚いたらしい。本書の扉には木の枝に羊がなっている絵が載っている。昔のヨーロッパ人が想像したワタの木だ。
この記事は有料記事です。 残り965文字(全文1358文字)
https://mainichi.jp/articles/20230121/ddm/015/070/019000c

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観光開発に力が入るマンダリカ 西ヌサトゥンガラ州ロンボク島 「千のモスクの島」

2023-01-21 | 先住民族関連
ジャカルタ新聞2023/01/21
「千のモスクの島」との異名を持つ西ヌサトゥンガラ州ロンボク島。政府による観光開発が進むマンダリカでは、先住民のササック人が暮らす「サデ村」や丘から眺める壮大な海の景色、海を背景に歩く水牛を楽しんだ。まだ手つかずの自然が残る島。野犬や猿に襲われながら得た、旅行情報をつづっていきたい。
 ロンボク島の魅力を語る前に注意書きを2つほど。まず、「野犬が驚くほど多い」。海にも飲食店にも道路にも、どこにでも野犬がいる。千のモスクの島なのに「なぜ⁉」と住民に聞くと「誰も飼う人がいないから妊娠して増える一方」だそう。発症したらば一発アウト、ほぼ100%の致死率という狂犬病や動物の持つ感染症には十分に気を付けて観光してもらいたい。また、ロンボク島は人の手が加わっていないありのままの自然が残されている。故に、動物も人なれしていない。食べ物を持って歩いていると野生の猿や犬が襲い掛かってくる。
 次に空港の注意点を。州都マタラムにあるマタラム空港は現在稼働しておらず、プラヤにあるロンボク国際空港のみとなる。政府は国家観光戦略特区としてロンボク国際空港から車で30分ほど南下したマンダリカ地区の観光開発に力を入れている。
 マンダリカ地区で1番好きな観光スポットとなった、丘「MERESE HILL」。夕日を眺めるならここだ! と地元住民が太鼓判を押すこの丘では、壮大な海の景色が見られる。また、牛が草を食べている様子も近くで観察できる。ここにたどり着く道中では、道路が建設中で「まさに開発途中なんだなあ」と感じた。
 ビーチ「SELONG BELANAK」では午後5時ごろ、夕日とともに水牛が海の散歩をする。私が訪れた日は、このビーチにあるカフェの店員さんが「今日は風が強いから水牛は来ないよ」と。いつも旅行に運がつかない私は「またか……」と諦めていたが、急に店員さんが「水牛!!」と声をかけてきた。ビーチに目をやると水牛が歩いているではないか。「全くインドネシア人は!」と少し思いつつ店員さんにお礼を言い、全力疾走。砂浜に足を取られながらも水牛の写真を収めることに成功した。
 ラヤ・クタ通りにおしゃれなカフェや海鮮料理などが密集しているのでお腹の誘いに乗り向かった。中でも白人の旅行客で賑わっていたのが「KRNK Bar & Restaurant」。目の前で焼かれるパティと巨大なハンバーガーに目と口が幸せになる。
 また、太陽が雲に覆われていたため分からなかったが、住民が最も透明度が高いと口をそろえるビーチ「TANJUNG AAN」も観光スポットの1つだ。 (ロンボク=青山桃花、写真も)      =続く
https://www.jakartashimbun.com/free/detail/61986.html

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「と……と、とにかく、逃げられるだけ逃げよう」大熊に追われたハンター3人…銃も使えない絶体絶命の逃走劇――2022年BEST5

2023-01-21 | アイヌ民族関連
文春オンライン2023/01/21
2022年(1月~12月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。クマ部門の第5位は、こちら!(初公開日 2022年5月21日)。
*  *  *
 これまで100頭以上の熊を目撃し、450キロを超える大熊を退治したこともある開拓者・西村武重。しかし、そんな熊狩り名人の彼でも熊から逃げ出したことがある。それはいったいどんな状況だったのか? 著書『 北海の狩猟者 』の一部を抜粋。(全2回の2回目/ 前編 を読む)
1頭の羆を追跡していた
 北見と根室の国境に聳立する斜里岳(1547メートル)と、サマッケヌプリの山のなかで1頭の羆を追跡したことがある。
 3歳ぐらいのからだの軽いやつで、敏感でなかなか接近できず、猟友3人はいろいろ作戦を練って追いかけまわしたが、なかなか思うツボに入らず、ここ一発という機会がない。われわれは3日間も辛棒づよく追跡したのだが、1、2回、遠くから姿を見せたきり、作戦は失敗ばかりで、裏をかかれたかたちとなり、どうしても好機が摑めない。
 だが姿をたびたび見せるようになると、猟人も張りあいがあり、元気も出てくる。この次は、この次は……と張りきって追っていけるので、速度も早くなる。
ここ一番と思う時は、日が暮れても追いかけて、10キロも20キロも山奥深く踏みこんでしまい、家に帰れずに露営するのである。
 われわれの露営は、なるべく負担にならないように寝具などは携行しない。行きあたりばったりに、燃料となる枯木のあるところへビバークするのである。
 まず風のあたらないような場所をよく選んで、枯木を集めてどんどん燃やす。冬の雪中では山火事の心配はないので、度胸よく炎をあげて焚火ができる。
 その焚火の場所は次第に雪が融けて穴になり、遂に地面に達して、直径2メートル、深さも同じくらいの大きな雪洞となる。
 その穴の周囲にトドマツ、エゾマツの枝を二重、三重にたてめぐらして、立派な丸小舎が出来あがるというわけだ。少しぐらい風が吹いても、文字通りどこ吹く風という具合で、少しも感じない。雪が降ってもヘッチャラだ。そのなかへ、同じくトドマツ、エゾマツの小枝を敷きつめると、フワフワした青畳にいるような気分がする。
 なかで小さな焚火をして暖をとり、炊事もできる。食料さえ持ってくれば、何日いても極楽へきたようなもので、家庭とは違った別な興味が湧く。トドマツやエゾマツの青葉の独特の匂いを嗅ぎながら、おとぎの国の別荘のような気分もでてくる。
 家のことなどは忘れてしまい、焼酎の肴にウサギ肉の焼きたてをむさぼりながら狩猟談に花を咲かせ、またぐらをあぶりながら大法螺を吹きあい、大気炎をあげて「羆はきっと明日は射つぞ」「獲ってみせるぞ」と、獲らぬ狸の皮算用に余念がなく、猟天狗ぶりを発揮するのである。
 ところが、ひとたび家に帰ると、家族の者に大目玉を喰ってしまう。山へいって3日も4日も帰ってこない。道に迷ってどこかへいってしまったのではなかろうか。羆に喰い殺されたのではないだろうか。あるいは、凍死したのでは……などと、夜も眠れないくらい心配していたのだ。
 家人と猟人の、この気持の違いは、実に雲泥の差である。猟人は雪洞で、家人のそんな心配など夢にも知らず、実にノンキなものである。
「こいつは大羆だ」
 サマッケヌプリから斜里岳の分水嶺まで、3日間追跡していた羆の足跡は、突如2頭分の足跡になった。
 いままで追っていた足跡の上を踏みつけた新しい足跡――それは、1時間たったか、たたぬかの実に新しいもので、蹴散らした雪片が転がっているように見えるくらい、たったいまつけられたものであった。
 この足跡の、大きいの、大きくないのといったら、いままでお目にかかったこともないくらいのデッカイものだった。輪カンジキを穿いて歩いたくらいの大きさである。
 こいつは大羆だ――と、われわれはおおいに緊張した。足跡の大きさは、実に大きい。われわれは即座に相談して、これまで追ってきた小さい羆を、大きい羆にのりかえることにした。小を大に変えたわけだ。この大ものを一つやっつけようということになった。
 それからは注意深く、咳一つにも気をつけるのはもちろん、スキーの音もなるべくたてないように、全身これ耳といった慎重さで追跡していった。
 北見の斜里川上流と、根室の忠類川との分水嶺を辿って、斜里岳に向っていたのが、足跡は急に忠類川の渓谷へ真一文字に直滑降していった。ほとんど直立のような急斜面を、一気に尻滑りでぶっとんでいったのである。われわれのスキーでは、とても滑降できない。悪場のうえにブッシュが多く、スラロームもできないのだ。
 そこでスキーを脱いで腰までもぐる深い雪をこいでいたが、エイッ面倒だ……とばかり、シンコ(エゾマツ)の枝を尻に敷き、馬乗りの格好で、羆が尻滑りで滑った跡を滑り下りた。
 渓谷へ下ってみると、足跡は真向うの稜線へ、これも直立の壁を登っているではないか……。しかも、人間が選んで攀(よ)じ登るのと同様の巧みさで、ジグザグに乗りきっている。
 このようにして、渓谷を3本越えた。この渓谷を越える逃げ方は、実に意地が悪いという言葉に尽きる。それは、一番深い渓谷へ下り、その次に一番高い峰に登っていき、また一番深い谷底へ下り、さらに次は前より高い稜線を目指して登っていく。
 このようにして、前よりはけっして低い稜線とか峰へは登らない。前より高いところを目あてに登っていくのである。
 われわれは息せききって下っては、喘ぎ喘ぎ攀じ登り、また下っては登り、へとへとに疲れてしまった。こいつはとても姿を見せそうもないし、見ることもできないような気がしてくる。
 こうして、やっと4本目の稜線を越え、その次の谷を見下して、われわれは思わずアーッと溜め息をついた。一心に追ってきた羆の足跡は、どのくらい深いか見当もつかない渓谷へと下っていたのだ。
大羆に追いかえされる
 ところが、われわれが渓谷から稜線へ登りつこうとした時、おどろくべきことが起こった。
 見るも巨大な羆が岩峰上で、ガウオーッと咆哮し、こちらを威嚇したのだ。思わずドキッとした。いつもならシメた……と銃をかまえるところだったが、いかにせん場所が悪かった。
 なにしろ、登るのがやっとの急斜面である。四つん這いになってようやく登れるくらいの雪の壁なのだ。これでは射撃どころではない。銃をかまえたら、自分のからだが墜落してしまう。と、いって横に散れるような場所ではないのだ。
 巨大な羆はいまにも襲いかかってきそうだった。向うは身を躍らせ、得意の尻滑りでくればたちまちわれわれを襲える。しかも、こっちは持っている銃を自由に使えないのだから、無防備も同然だ。
 ゾッと全身に油汗が流れた。
「逃げろ!」
 誰がいったのか、われわれはすぐに逃げだした。それでも私は殿(しんがり)を承り、万一の時はなんとか銃を射とうと、こわごわ準備だけはした。
 いまにも襲いかからんばかりの岩峰上の大羆を見て、度胆をぬかれ、ペチャンコになったわれわれ猟人は、恥も外聞もあったものではなかった。こうなると、もうあの羆を倒そうなどという気はなくなり、恐ろしさが先にたつ。最後部殿の私は、後から羆に追いかけられているような気がして、ただヒヤヒヤと恐怖心に追いたてられ、無我夢中でストックをつっぱって走った。
 かくして三の谷を越え、二の渓谷上の稜線に逃げ登って、振り向いてみた。すると、さっきの岩峰上には、もはや羆は見えない。
 ヤレヤレ……と、われわれもようやく胸を撫でおろし、ヤツも逃げて姿を消したのだろう……と一安心した。
「ヤア、助かったなあ」
 と、異口同音に囁きあい、ほっとした思いで流れる汗を拭った。
 と、その時、われわれの1人、沢野が、
「ヤッ、あれはなんだ!」
 と、とてつもない声で叫んだ。ショックだった。彼の指す方を眺めると、なんと先刻までわれわれの立っていた前方の稜線上に大羆が前と同じ格好をしてわれわれを見下しているではないか。
 それこそ愕然として息をのんだ。冷水三斗というが、それどころではない。胆っ玉もでんぐり返ったかと思われるほどのショックだった。
 瞳をよくこすって、よくよく確めたが、やはりあの羆に間違いはない。いつのまにか、われわれを追いぬいてきているのだ。お互いに顔は土色になり、全身はがたがた胴震いがきてとまらない。
 無言のまま、青ざめた顔を見合せて声も出ないありさまである。やられるのでないか……という感じが、一瞬、脳裡を稲妻のようにかけた。
「と……と、とにかく、逃げられるだけ逃げよう」
 各々が猟銃を持っていることさえ、しばし忘れた格好であった。
 石本は悲壮な声を震わせながらいった。
「と……と、とにかく、逃げられるだけ逃げよう」
 沢野もいう。
「どうしてもダメなら、度胸をすえ、3人で待ち伏せして、一斉射撃でやっつけてやろうじゃないか」
 もとより、私に異存のある筈はない。
「よしッ、もう1つの渓谷を越えていって形勢を見てみようぜ」
 石本、沢野、私の順で、またまた滑走に移った。なるべく遠まわりになっていいから登り坂は避け、下り一方にと、トドマツの欝蒼とした樹間や、シラカバの密林帯をとばしにとばした。あまり慌てるものだから、転ばずにすむところでも転倒して、なお慌てるという狼狽ぶりである。
 ともかく、一生懸命、生命からがら4キロあまりを一気に滑降したわれわれ一同、おそるおそる振り向いて見まわしたが、羆の姿は見あたらなかった。密林帯のことだから遠望はきかないが、まず近くにいないのは確かである。
 流れる汗が目にはいり、しみこんで痛い。いくら拭いても流れこんでくる。痛い目をこすりこすり、一刻も早く林間を脱出しようと努めているうちに、だんだんと心も落着き、幾分、神経にも余裕が持てるようになった。しかし、まだ警戒は怠れない。たびたび振りかえって羆の追跡に心を痛めたが、幸いもう姿は見せなかった。
 羆射ちの猟人が、しかも3人もいて、羆を見ただけで意気地なく逃げ出したのでは、猟天狗もへったくれもあったものではない。恥かしくて、人さまに話もできない。
 第一、後から考えると、あの時、なぜあんなに慌てふためいて逃げたのかわからない。まるでなにか、魔術にでもかかったようなものだった。
 猟銃だって、ウインチェスター・ライフルと、ブローニングの5連と2連とを持っていたのだから、そう慌てなくても、じっくり構えていたら、大羆といえども射倒せたのではなかったろうか……と、先刻までのおそろしさを忘れて、いまいましくてならなかった。
「アイヌたちの真似はとてもできない」
 ある時、私はこのことを、岩内からきたという猟人にザンゲ話に話したことがあった。すると、その猟人も同じような話をしてくれたのだ。
「僕もそれと同じ様なおっかない目にあったことがある。やはり3人で、羆射ちの目的で雷電山にのりこんだまではよかったが、向側の峰に、大岩のように大きい羆が坐っているのに出あって、とても銃を向ける気持はしなかった。3人とも電気にでもうたれたようになり、一目散に逃げてしまった。羆のケタハズレに大きいやつは、いくら猟人でもいやだからノウ……。大きい羆は度胸がいいというのか、小さいやつのように、人を見たからといって一目散に逃げ出さないのだ。28番や30番の村田銃ぐらいでは、心もとなくてとても射つ気にはならないよ」
 超弩級のものに出あうと、やっぱり同じように生命が惜しくなり、からきし意気地のないものだと、ひそかに話しあったものだった。岩内の猟人はなお言葉を継いだ。
「今日のアイヌは、もう度胸がなくなってしまったが、昔のアイヌは、この大ものを喜んで追跡したものだった。小さいやつは、はしっこくて、なかなか近寄れないが、大ものは度胸があるせいか、人間をあまり怖れないらしい。そこがアイヌたちのツケ目で、接近して射ちまくるのだ。わりあいに小羆より大羆の方が捕り易いものだ……と述懐していたものだ。しかし、まあ、われわれの羆狩りは職業ではなく、1つのスポーツとして、遊び半分の道楽でやっているものだから、アイヌたちの真似はとてもできない。生命がけの仕事はそうやりたくないからね。アイヌのいうように、大羆は度胸が図太いから、逃げださないで射ちやすいことは間違いないのだが、万一にも射ち損ったら、一跳びに襲われてしまうのは請けあい、まず、おだぶつだ。クワバラ、クワバラ……」
(西村 武重)
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/と-と-とにかく-逃げられるだけ逃げよう-大熊に追われたハンター3人-銃も使えない絶体絶命の逃走劇-2022年best5/ar-AA16zyCT

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山漬けの切り身食べて、室蘭産のサケ使用 2年ぶり、21日販売

2023-01-21 | アイヌ民族関連
室蘭民報2023.01.20

21日から販売を開始する山漬けの切り身
焼いて良し、お茶漬けでも良し
 室蘭漁業協同組合(室蘭市舟見町、室村吉信組合長)は、室蘭産秋サケを使った「山漬けの切り身」(税込み千円)を21日から販売する。同漁協の名物が手軽に楽しめると市民や観光客に人気の商品で、2年ぶりの販売。「お茶漬けや好みの塩加減で焼いて食べるとおいしいです」とPRしている。
 地球岬沖で取れた雄サケを、大量の塩で交互に積み重ね、水分を抜きながらうまみを凝縮するアイヌ伝統の調理法「山漬け」に仕上げた。昨年12月に同漁協で行われた直売会では、大勢の市民らが詰めかけた。
 切り身はサケをさばく手間を省き、冷凍庫に保存しやすいようにと、2切れ(200グラム)ずつ真空パック詰めした商品。同漁協が2020年から祝津町の道の駅みたら室蘭の売店で販売しており、好評を得ている。
 昨年は秋サケの不漁のため、販売を中止したが、今年は80匹分を確保。担当職員が押切包丁で加工し、400個用意した。みたらの売店と同漁協のオンラインショップ「むろらん産直市場」で販売する。
 冷凍で約1年間保存できる。同漁協では「アイヌの食文化を知る機会にもなる。多くの方に味わって頂けたら」と話している。
https://hokkaido-nl.jp/article/27938

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