日刊ゲンダイ 2025.02.18
ハンノ・ザウアー オランダ・ユトレヒト大学哲学・宗教学部准教授
人種差別、経済格差、ジェンダーの不平等、不適切な発言への社会的制裁…。
世界ではいま、モラルに関する論争が過熱している。「遠い国のかわいそうな人たち」には限りなく優しいのに、ちょっと目立つ身近な他者は徹底的に叩き、モラルに反する著名人を厳しく罰する私たち。
この分断が進む世界で、私たちはどのように「正しさ」と向き合うべきか?
オランダ・ユトレヒト大学准教授であるハンノ・ザウアーが、歴史、進化生物学、統計学などのエビデンスを交えながら「善と悪」の本質をあぶりだす話題作『MORAL 善悪と道徳の人類史』(長谷川圭訳)が、日本でも刊行される。同書より、内容を一部抜粋・再編集してお届けする。
『MORAL 善悪と道徳の人類史』 連載第68回
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