恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

2023/09/11 池袋演芸場昼席(主任:柳家小里ん)

2023年09月11日 | 噺とか
9月中席の初日、池袋は小里ん師匠のトリ。
国立のトリに二度も足を運び、
最近はすっかりハマってしまいました。
顔付けも少し渋めな感じなのと、
柳家の噺家さんが多いですね。
客席もどちらかというと落ち着いた感じ。
なかなか寄席でお目にかからない師匠も。

十徳   まんと
湯屋番  小もん
転失気  海舟
漫才   おしどり
無精床  小きん
万病円  小三太
奇術   如月琉
つる   歌る多
宗論   さん遊
漫才   ロケット団
鹿政談  小団治
─仲入り─
釜泥   わさび
鰻の幇間 小さん
曲独楽  紋之助
試し酒  小里ん

詳細は控えますが、
寄席でなかなか見かけない師匠、
それはそれなりの理由があるのかな、と。
池袋のお客さんだけあって、
決して噺がわからず静かなのではない、
という印象をもちました。
そんなこともあって、前半は大人しめ。

初めて見る奇術の如月琉さんあたりからジョジョに盛り上がり始め、
寄席で活躍する歌る多師匠がしっかりと客席を掴んでいきます。
さん遊師匠の宗論もいじりすぎず、
かつ笑いたっぷりの楽しい一席。
末廣亭の出番をよく見る小団治師匠は、
鹿政談をたっぷりと聴かせてくれます。
ぜんざい公社のイメージが強いのですが、
さすがといったところ。

仲入り後のわさび師匠、
今日の顔付けだととにかく若い。
新作ではなく釜泥を面白く。
小さん師匠も鰻の幇間をこの出番で。
これも嬉しい誤算。

小里ん師匠、池袋のトリということで、
なにか他では聞けない噺が聴けるか、
と期待感が高まります。
酒のマクラから入り、一人酒盛か?
と思いきや、試し酒へ。
いや、これはこれでいいですね。
酒を飲む所作、飲む間に入るセリフなど、
どれをとっても目を離せない。
きっちりと期待に応える一席でした。

9月になっても相変わらず外は30℃超え。
とはいえ朝晩少しずつ涼しくなりました。
寄席でも秋の噺が出てくる頃ですね。

恐懼謹言?

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2023/08/30 末廣亭昼席(主任:春風亭一之輔)

2023年08月30日 | 噺とか
久しぶりの末廣亭。
確か今までは8月下席は歌る多師匠の芝居だったように思います。
今年は一之輔師匠が出るというのと、
比較的新作派の方々が多い顔付けで、
前々から計画していたのですが、
仕事の関係もあって千秋楽になりました。
開場前から長い列ができており、
笑点効果か、はたまたそうでないのか、
とにかくその人気ぶりを感じます。

やかん      いっ休
桃太郎      㐂いち
土産話      花いち
紙切り      楽一
後生鰻      丈二
鈴ヶ森      左龍
漫談       ペー
勢朝作用     勢朝
宮戸川      志ん弥
漫才       ホンキートンク
詐欺に勝つ    朝馬
馬のす      小満ん
─仲入り─
浮世床      一蔵
漫才       ロケット団
ひろっちゃった! 天どん
金明竹      歌る多
太神楽      仙志郎・仙成
お見立て     一之輔

客席も満席に近く、2階も開きました。
どちらかというと陽気な客席で、
初めて足を運んだ人も多い印象でした。

花いち師匠の新作、公式サイトに演題がありましたが、とても楽しい新作。
この人の新作をもっと聴いてみたい。

丈二師匠はいつも池袋の印象で、
末廣亭では初めて。しかも古典。
久しぶりに後生鰻を聴きました。

元・三遊亭天歌さんを弟子にして、
吉原馬雀として引き取った朝馬師匠は、
詐欺を啓発する新作落語。
澱みない話し振りはとても心地良い。

ロケット団も時事ネタを入れてきますね。
ビッグモーターネタはさすが。
短めながら、実力が出ますね。

天どん師匠のひろっちゃった!は、
ずいぶんと久しぶり。
一頃よく聴いたネタです。
ところどころアップデートされてますね。

トリの一之輔師匠は、客席にお子さんがいますが、と断りを入れつつ吉原の噺へ。
さすがに時間の制約などもありますが、
やや時間を超えてのお見立て。
基本の筋は残しつつも、喜瀬川花魁や、
喜助、杢兵衛を大胆にアレンジ。
やはりこの辺のセンスはさすが。
間に挟まれる立場の人間の悲哀。
無茶振りを下に命じる上役。
無理難題を押し付ける顧客。
いろいろ考えさせられますが、
笑いの多い楽しい一席でした。

さ、8月もいよいよおしまい。
比較的よく落語を聴けた8月でした。

恐懼謹言。

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2023/08/23 池袋演芸場昼席(主任:柳家三三)

2023年08月23日 | 噺とか
久しぶりの池袋演芸場です。
正蔵師匠と三三師匠が交互にトリを取るのが池袋演芸場8月の下席です。
一之輔師匠トリの末廣亭と迷って池袋へ。
ちょっと前まで2000円だったのに、
500円値上がりしたのは痛手ですが。

子ほめ    ぼんぼり
初天神    黒酒
三助の遊び  さん助
てれすこ   萬窓
漫才     風藤松原
ぞろぞろ   春輔
悋気の火の玉 正蔵
−仲入り−
焼肉     ふう丈
小言念仏   さん遊
紙切り    楽一
唐茄子屋政談 三三

ぼんぼりさん、初めてでした。
定番の子ほめですが、サゲが定番のものではありませんでした。
どう見ても半分でございます、
ってちょっとわかりにくい。
確かに時代に合わせると、
今日の方がわかりやすいかも。

黒酒さんは二つ目昇進したての時以来。
初天神も珍しく凧のところだけ。
飴や団子は何度も聞いていますが、
凧のところだけって初めて聞きました。
独自の演出もあってとても楽しい一席。
いい意味で裏切られました。

さん助師匠の三助の遊びも初。
名前が同じ縁もあるのでしょうが、
お湯屋さんの三助の由来とか聞いて、
へえーと。
日本からは絶滅してしまったわけですが。
こういう出会いがあるのはさすが池袋。

萬窓師匠も久しぶり。てれすこですが、
先日の圓朝忌で奉納落語として披露されたように思います。
なかなか珍しい噺だと思います。
私も多分久しぶりに聞きます。

風藤松原はよく顔付されていますが、
私は初めてお目にかかります。
ホンキートンクやロケット団とは違う、
そんな面白さのある漫才ですね。
じわじわくる笑いというか。
ぜひまた見てみたいものです。

春輔師匠もかなりのご無沙汰。
もういぶし銀ですね。
噺の後には踊りで奴さん。
交互でトリの正蔵師匠は悋気の火の玉。

仲入り後のふう丈は新作で、焼肉。
ジェネレーションギャップを題材にした、
あるあるネタですね。
今日の客層にはあまり合わなかったか?

時間が押していたせいか、
さん遊師匠は比較的短めの小言念仏。
とても楽しい一席でした。
今日のお目当ての1人でしたが、
ぜひ次はトリネタでお会いしたいところ。

楽一さんは夕涼みの鋏試しのあと、
鴨川シーワールド、小言念仏を。

トリの三三師匠は、噺の入りから、
船徳かと思いましたが、唐茄子屋政談へ。
以前、別の師匠で聞いた際には途中までだったのですが、今日は全編を通しで。
勘当される徳三郎のクズっぷりから、
唐茄子を売ることで了見が変わる、
そんなストーリーをしっかりと感じることができました。
やはり三三師匠の腕が光る、そんな一席。

お子さんが客席にいて、
一緒にいるお母さんが寄席に慣れている方なんでしょうね。
マナーについてきちんと教育している姿が好印象。
物を食べるなら音を立てずに、
演者の交代の時に、とか。
演者の言葉を鸚鵡返しにするのはダメとか。
むしろそれを守れていない大人に聞かせたいところ。
よく子供を連れてきて野放しにしたり、
雰囲気を壊されることもありますが、
今日はお子さんが全体的に寄席を盛り上げてくれたような。

恐懼謹言。
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2023/08/18 国立演芸場昼席(主任:三遊亭好楽)

2023年08月18日 | 噺とか
今月3回目の国立演芸場です。
と言いつつ、芸協の芝居に来るのは本当に久しぶり。
日常的に落語協会の芝居ばかりで、
芸協や圓楽党の噺家さんを見るのは、
連雀亭などに限られています。
そんなわけで、新鮮な気持ちで聴くことができました。

鈴ヶ森   ちづ光
権助提灯  昇羊
反魂香   夏丸
奇術    瞳ナナ
たがや   夢太朗
−仲入り−
七段目   王楽
粗忽長屋  歌若
俗曲    うめ吉
干物箱   好楽

前座は元・林家ひこうきのちづ光さん。
こういう出会いがあるのも面白い。
移籍した経緯はよくわかりませんが、
開口一番の鈴ヶ森はお見事。
よく笑いをとっていました。

昇太門下の昇羊さんは連雀亭以来。
いい声だし、見栄えもいいですね。
独自の演出もあって楽しい一席。

夏丸師匠は記憶ないものの、
以前どこかでお見かけしたような。
落協の芝居ではあまり聞かない反魂香。
音曲もあってなかなか面白い。
話の後には珍しく歌謡ショー。
青い山脈を熱唱されました。
どういうわけかちづ光さんも高座へ。

瞳ナナさんの奇術ははじめまして。
落語協会のマジックと違い、
全体的に大掛かりで派手ですね。
これも楽しい。

夢太朗師匠は、はじめまして。
たがやはオーソドックスながらも、
普段聴くスタイルとの違いもあり、
演者による差異を楽しむことが出来ます。
円熟の芸という感じ。

仲入り後の王楽師匠もはじめまして。
言わずと知れた好楽師匠のご子息。
父親ネタや笑点ネタをやるあたり、
二代目然とした感じですが、
七段目に入ると芝居の部分は見事。
音曲も入ってしっかりと演じていました。
客席も引き込まれている雰囲気。
いい発見がありました。

続く歌若師匠もはじめまして。
定番の粗忽長屋でした。
ここで少し休憩。

俗曲の桧山うめ吉師匠も初。
三味線の高座にも色々な形があります。
締めに踊りがあるのもいい感じ。

トリは好楽師匠。
前日のネタを見ると珍しいネタをかけておられたので、
期待をしていましたがここは干物箱。
マクラもタップリだったので、
実質は20分弱の本編でした。
とはいえ、落語好きだった若い頃と、
池袋での志ん朝師匠との思い出など、
面白く聴かせてもらいました。
本編の干物箱もお見事で、
願わくば聴いた事のないネタが聴きたかったなーなどと贅沢言ってみます。

普段はあまり出会いのない芸協や圓楽党中心の芝居でしたが、
色々な発見があって楽しいものでした。
時間があれば芸協の芝居にも足を運んでみたいものです。

恐懼謹言。


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2023/08/09 国立演芸場(主任:柳家小里ん)その2

2023年08月09日 | 噺とか
同じトリの芝居に2度来ることは殆どなく、
まして、忙しい昨今はこのペースで、
というのはなかなかありません。
前回の国立の小里ん師匠なネタが笠碁で、
出来れば聞いたことのない噺を聞きたい、
という欲求に負けて中4日で国立へ。

寄席で外国人のお客を見たことがないこともないのですが、
今日は複数組の外国人客の姿が。
歌舞伎や演劇ならまだしも、
落語を聴きに来るなんて驚きです。
日本語がそこまで達者ではなさそうで、
仲入りでお帰りになってましたが。

やかん    左ん坊
浮世床    小もん
漫談     ホームランたにし
通信簿    天どん
目黒のさんま 吉窓
−仲入り−
代行彼氏   風柳
金明竹    小せん
奇術     マギー隆司
三人兄弟   小里ん

左ん坊さんは前回に続きですが、
前座とは思えない芸達者ぶり。
聴いていて安定感があります。

小もんさんは連雀亭で拝見して以来。
こちらも安定感がありますね。
浮世床を将棋と本で。

たにしさんは前回とほぼ同じ。
森進一さんのエピソードがありました。

天どん師匠は寄席の定番ネタ。
団体客が入っていたからですかね。
出来れば未聴の新作が良かったですが、
これはこれで。

代演の風柳さんは久しぶり。
真打になってからは初めてかも。
古典と新作、江戸と上方の二刀流。
本名も大谷さんということもあって、
これをマクラにつかみはばっちり。
上方設定な新作は、売れない噺家が、
彼氏の代行役を務める噺。
初めて聴きましたが、笑いどころも多く、
楽しませていただきました。

小せん師匠は金明竹フルバージョン。
流れるような口調はやはり気持ちが良い。
今日はしっかり楽しませてもらいました。

トリの小里ん師匠、兄弟のマクラで始まったので、片棒?と思いましたが、違う。
後に演題を見て、三人兄弟と知ります。
元は上方の噺だそうで、私は未聴。
道楽の過ぎる三兄弟が旦那の勘気を蒙り、
2階住まいで外出を禁止される。
あの手この手で外に出ようとするのは、
干物箱に似ているような噺。
山場は三男坊が吉原を思い描いて、
妄想を繰り広げるあたりでしょうかね。
珍しく自身をネタにしたクスグリも有り。
この噺に出会えただけでも、
今日は足を運んだ甲斐がありました。
柳家の芸ここにあり、といった感じ。
何をもって柳家の芸と言うのか、
そこはご意見あるところでしょうが、
なんとなく使ってみたかったワード。

恐懼謹言。

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2023/08/04 国立演芸場(主任:柳家小里ん)

2023年08月04日 | 噺とか
昨日のワンコインに続き、久々の定席。
古典の世界にどっぷり浸かりつつ、
新作の天どん師匠がいたり、
人気者の桃花師匠がいたり、
なかなか楽しそうな顔付け。
二つ目枠は、小ふねさんや、
ごはんつぶさんもいいなと思いつつ、
実力ある扇太さんに当たりました。
客席もほどほどの入りでゆったりと。

道具屋     左ん坊
ぞろぞろ    扇太
漫談      ホームランたにし
ハーブをやっているだろ! 天どん
短命      吉窓
−仲入り−
悋気の独楽   桃花
弥次郎     小せん
奇術      マギー隆司
笠碁      小里ん

扇太さんのぞろぞろ、演じ方色々ですね。
舞台は茶店のイメージですが、
今回は荒物屋さん。
御神酒をあげにいくのも娘さん。
こういうパターンもあるのですね。

たにしさんの漫談は初めて。
相方勘太郎さんが亡くなったのが一昨年。
1人の漫談スタイルになったものの、
終盤に出てくる思い出話は、
寄席に通い始めてから幾度も見たホームランのことを思い出させてくれました。
出囃子も同じですからね。
1人でも長く続けて欲しいものです。

天どん師匠、寄席で良くかかる新作。
タイトルはよく見かけていましたが、
実は聴くのは初めてのような。
天どん新作にありがちな毒と、
故人間国宝へのイジリ。
古典ネタに詳しいと楽しめますね。
国立でも変わらないトーンはさすが。

桃花師匠は真打昇進してから1年、
披露目以来の国立演芸場だそうで。
最前列は男性陣が陣取っていましたが、
桃花師匠目当てだったのでしょうかね。
相変わらず人気があります。
定吉と女将さんがなんとも憎めないキャラクターでいいですね。

小せん師匠の弥次郎も度々聴いています。
立板に水のごとく、いい淀みのない噺。
こういう時についつい意識が…

トリの小里ん師匠のネタは笠碁でした。
いやー、小里ん師匠の笠碁はよく当たる。
トリだけでなく仲入りも含めると、
5回近く聴いているような。
決してハズレではないのですが、
過去3日、青菜、船徳、大山詣りときて、
夏の噺に何がくるか思っていましたが。
とはいえ小里ん師匠の笠碁は絶品です。
全体25分弱のコンパクトさですが、
強情と我儘の老人の内面が面白く、
そしてコミカルに描かれていました。
ついつい微笑ましくなる、そんな噺。
そんな小里ん師匠のトリネタ、
他にもぜひ聴いてみたいものです。






しかし、暑い最中で日向を歩いてくると、
どういうわけか途中で睡魔に襲われる。
そんな睡魔に負けてゆったりするのも、
寄席での一つの過ごし方かもしれません。

恐懼謹言。
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2023/08/03 連雀亭ワンコイン寄席(遊七鯉舟緑助)

2023年08月03日 | 噺とか

ここのところなかなか足を運べず、
時間を作ってワンコイン寄席。
8月になっても相変わらずマスクの着用が義務化されており、
めっきりマスクをしない生活に戻ってしまってからは、
意識しないとマスクも用意していないことがあり、
ここだけは何とかしてほしいところ。
客席も今日は1ケタということもあり、
客席もかなりまばらだったため、
果たしてこのルール、
どこまで徹底するかという気もしますが、
そこはきちんと従って入館。
 
だくだく  遊七
近日息子  鯉舟
権助提灯  緑助
 
遊七さんは初めてお目にかかります。
年齢40オーバーと触れていましたが、
入門が比較的遅かったのでしょうかね。
8月上席に浅草演芸ホールの、
特別興行「にゅーおいらんず」にも参加されているそうで、
そのあたりの話をあれこれ。
小痴楽・宮治・遊かりの男女4人でどういうわけか、
ガールズバーに行く羽目になって・・・
というマクラから関係ない泥棒の噺へ。
だくだくも久しぶりに聞きましたが、
聞くところでは二つ目さんの中で、
昨今人気のある演目のようで。
寄席の定番の噺だろうと思いますが、
久しぶりでした。
所作も非常に美しく、
聞いていて楽しい一席でした。
 
続く鯉舟さんも初めまして。
痛風の疑いがあるらしく、
正座するのが厳しいようですが、
そこは見台など置かずにそのまま口演。
寄席でおなじみのはずの近日息子ですが、
私は先ほどのだくだく同様、
かなりご無沙汰で、
噺の中盤の言い合いのあたり、
まったく記憶から抜けていました。
緑助さんがあんなに激しく演じる噺?
と振り返っていましたが、同感。
非常に熱のこもった、面白い一席でした。
 
トリは緑助さん。
この人は何度かお目にかかっています。
本日唯一、落語協会の所属で、
8月中席の浅草で行われる、
「住吉踊り」に関してあれこれ。
ゲッターズ飯田さんの占いを見て、
踊りを始めると運気が上がる、
ということをTwitterに書いたら、
その縁で今も住吉踊りに出演することになったそうな。
世の中のご縁、わかりませんね。
私もかつて演芸ホールで朝から夕方まで、
住吉踊り目当てに足を運んだものですが、
最近はとんと浅草にはご無沙汰。
長丁場なのがなかなか・・・。
本題は権助提灯で、
この噺も寄席ではたびたび出会います。
前半はおかみさんやお妾さんとのやり取りをゆったり。
後半は本宅と妾宅を行き来する権助との道中をスピーディーに。
緩急があって、とても楽しい一席でした。
 
比較的軽い噺が3本のワンコイン寄席。
大ネタでなくても、
コンパクトなネタで楽しむのもいいもの。
落語を楽しむ基礎・基本が詰まっていた、
そんな1時間でした。
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2023/07/07 連雀亭昼席

2023年07月07日 | 噺とか
少し時間があって連雀亭昼席へ。
落語協会の比較的ベテランな二つ目さんが多い回でした。

千早ふる   吉緑
紙入れ    らく兵
田能久    馬久
野ざらし   あお馬

吉緑さんは以前は会に足を運んでいましたが、最近はご無沙汰でした。
以前と比べるとかなり落ち着いた印象。
千早ふるをしっかりと。

らく兵さんは前回の連雀亭以来。
どういうわけかネタが被りました。
こういうこともあるんですかね。
とはいえ、前回よりも洗練されたような。
楽しい高座でした。

馬久さんはご無沙汰。
かつての会でお会いしたのは2年近く前。
こちらもかなり落ち着きがあって、
地噺に近い田能久を淀みなく口演。
知った噺ながらワクワクさせられる一席。

あお馬さんも時々お見かけしますが、
今回もご無沙汰。
上半期を振り返ってWBCに関するマクラ。
決勝戦前の大谷翔平のセリフ、
「憧れるのをやめましょう」
を使ってみたが失敗するエピソードから、
付け焼き刃は禿げやすい、の流れ。
とはいえ子ほめではなく、野ざらし。
マクラたっぷりだったので、
本編は短めでしたが熱演でした。
もともと楽しい噺ですが、
あお馬さんの熱演が光ってより楽しい一席に仕上がっておりました。

とても良い顔付けながら客席は少数。
平日ですからこんなもんでしょうが、
それでも楽しい贅沢な空間でした。
マスク着用とアクリル板の撤去が今後の課題ですかねぇ…

恐懼謹言。
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2023/07/04 四の日昼席

2023年07月04日 | 噺とか
6月はまるまる落語を聞けず、
久しぶりに足を運んだのが四の日昼席。
相変わらずの盛況ぶりでほぼ満席でした。
悔やむべくは最近の値上がりで、
2000円が2500円になったこと。
少し割高感がありますが、
出演者を見ると納得かなぁと。

鮑のし        文菊
初音の鼓       やまと
厩火事        馬石
−仲入り−
ひろしのおっかけ音頭 駒治
井戸の茶碗      左橋

開口一番は文菊師匠。
奥様から「執着を捨てなさい」と言われ、
冷蔵庫に入ったオレンジジュースを飲んでいるだけでもあれこれ言われるそうな。
家庭での生活がまるで修業のようだ、と。
文菊師匠の奥さんのエピソード初聴。
そんな話題から鮑のしへ。
後半戦までたっぷりの一席でした。

続くやまと師匠は念願の映画出演が決まったエピソード。
この日の折り込みにも宣伝が入っておりました。
修業している長唄の稽古の話から、
初音の鼓へ。この噺もそこまでたくさん聴くわけでもなく、嬉しいですね。
楽しい一席でした。

仲入り前は馬石師匠の厩火事。
なんとなくゆったり、のんびりと、
そして馬石師匠のとぼけた調子がマッチする一席。

仲入りの後は新作の駒治師匠。
偶然、一年前の四の日昼席で、
ネタ下ろしに近いこの噺を聴きました。
あれから一年、細部は記憶にないものの、
テンポといいくすぐりといい、
笑いの多い一席になっておりました。

トリは左橋師匠で井戸の茶碗。
少し聞き飽きた感のあるこの噺、
前半部分は少し休憩しながら聴かせてもらいました。
中盤から後半にかけては独自のくすぐりも多く入って楽しく聴かせてもらいました。

こういう井戸の茶碗なんかを聴くと、
巣鴨地蔵通りで行われている縁日で並べられている骨董品に目がいきますね。
別に何か買うわけでもないのですが、
なんとなく並べられたよくわからない品物を見ながら巣鴨駅までの道すがら、
ゆったりとした気持ちになりました。
梅雨明けしないながらも炎暑の一日。
夏もすぐそこですね。

恐懼謹言。

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2023/05/31連雀亭昼席

2023年05月31日 | 噺とか
今月2度目の連雀亭。
前回は講談きゃたぴらでしたが、
今回は全て落語です。
落語協会から2人、芸協と立川流からそれぞれ1人ずつという顔付です。
平日ということもあり客数は5人。
ゆったりしていていいのですが、
相変わらずのパーティションとマスク着用はそろそろ見直してもいいような。

子ほめ     一刀
かくやのこうこ 今いち
紙入れ     らく兵
妾馬      文吾

一刀さん、久しぶりです。
柳朝師匠のブログに目つきの悪い三谷幸喜などと書かれていましたが、
メガネかけるとそんな感じでしょうね。

Facebookの想い出から📸 | 総領の甚六【春風亭柳朝No.6のオフィシャルブログ】

Facebookの想い出から📸6年前だそうな。📸前座の頃の春風亭朝太郎さん。三増れ紋チャンは元気かなぁ~❓若いな…俺❓ &...

総領の甚六【春風亭柳朝No.6のオフィシャルブログ】

 
噺は定番の子ほめをたっぷりと。
食傷気味でもある前座噺なこともあり、
ちょっとゆっくりしながら拝聴しました。

続く今いちさん。新作のイメージもありますが、この日は「かくやのこうこ」。
初めて聴く演題ですが、調べると、
「酢豆腐」の前半部分なんですね。
chat GPTで新作落語を作らせてみるマクラなども面白く聴かせて頂きました。

立川らく兵さんは、はじめまして。
見た目が日本兵に似ているということで、
兵の字が入っているそうな。
本題は紙入れで、独自のくすぐりなどもあって、会場はよく笑っていました。
女将さん宅での回想シーンはオリジナルでしょうかね、楽しく聞かせて頂きました。

トリの文吾さん、以前も連雀亭のトリを聴きに来たことがありました。
身分制度のマクラから入って妾馬へ。
笑いあり涙ありの変化に富んだ噺を、
とてもよく演じられていて、
噺に引き込まれました。
この日の間違いなくナンバーワンで、
この噺を聴けただけでも来た甲斐があったというものです。

梅雨入りが間近な日々、
疲れがついつい溜まりがちですが、
落語を聞いて少しリフレッシュ。

恐懼謹言。
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