恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

10/1(月)池袋演芸場昼席~夜席

2018年10月01日 | 噺とか
折からの台風24号が深夜のうちの通り過ぎた関東地方は、
前日からの強風で交通機関に大いに乱れを残していきました。
この日も池袋までたどり着くのがなかなか大変な状況でありましたが、
久しぶりの平日休みということで池袋を昼夜で満喫してきました。

【昼の部】
寿 伴「金明竹」
つる子「やかん」
三木助「猿後家」
こいる「漫談」
川 柳「テレビグラフィティ」
源 平「猫と金魚」
ホームラン「漫才」
一 九「夏泥」
小袁治「長短」
二 楽「紙切り」(台風一過・貫一お宮)
志ん輔「豊竹屋」
―仲入り―
龍 玉「親子酒」
春 輔「一眼国」
夢 葉「奇術」
小満ん「明烏」

ベテラン色の強い昼の部ですが、ほどほどの入りの中でスタート。
三木助師匠、真打に昇進してから拝見するのは初めてです。
この「猿後家」、あまり聞かない噺ですが三木助師匠はよくかけるようで。

川柳師匠は久しぶりに拝見します。
しかし、今日は私の思い描いていた川柳師匠から随分と違った印象になっていて、
あの元気な軍歌を客席を巻き込んでやる「ガーコン」を期待していたのですが、
まず見るからに痩せていて声も小さい。
高座に座って第一声の「やぁ、どうも、ようこそお越しくださいました!」から小さい。
そこまで長い期間お見掛けしていなかっただろうか、と思うぐらい。
マイクのない池袋だからこそ余計にその声の小ささが目立ってしまいます。
噺のほうは以前にも聞いたことがあるものですが、まるでハリがない。
当然ながら歌声を聞けるはずもなく。
おそらく今日一番の印象に残ってしまった高座かもしれません。
同じ噺が堂々巡りして、持ち時間もどんどん超過。
演出なのか本当なのか、5分程度オーバーしたところで前座の寿伴さんが高座に出てきて、
「師匠、お時間が・・・」と声をかけて、中途半端なところで下がる。
こんなシーンは初めて見ました。
たまたま川柳師匠の調子が悪かっただけ、と信じたいのですが・・・。

春輔師匠は「一眼国」でした。
先日、たまたまネットに上がっている先代正蔵師匠の「一眼国」を聞いたばかりで、
その流れを忠実にやっていることがよくわかる噺でした。
この噺、扇辰師匠でよく聞くことがあるのですが、
そっちで慣れてしまっているせいか、違いを楽しみながら聞きました。

トリの小満ん師匠は「明烏」でした。
粋とか通という言葉の似合う小満ん師匠がこの噺を語ると、
なんとなく場内全体に江戸の粋の風が流れるような気がします。
小満ん師匠の良さはやはりトリネタでこそ輝くのかなぁと。


【夜の部】
まめ菊「道灌」
こはく「壺算」
菊太楼「幇間腹」
にゃん子・金魚「漫才」
正 蔵「夢八」
甚語楼「犬の目」
アサダ二世「奇術」
歌之介「圓歌伝」
雲 助「辰巳の辻占」
―仲入り―
天どん「タラチネ」
一 朝「やかん泥」
正 楽「紙切り」(樹木希林・彼岸花・台風)
菊之丞「景清」

​正蔵師匠の「夢八」は、初めて聞きました。
池袋での正蔵師匠はあまり縁のないところですが、
やはりしっかりと聞かせる話をしてくれますね。
タイミング悪く携帯が鳴ったり、ビニール袋のガサガサが残念ですね。
正蔵師匠だからってそこまで浅草っぽくしなくていいのに。

歌之介師匠は圓歌襲名が決まっていますが、そういうこともあってかあれこれ新しいエピソードが。

一朝師匠の「やかん泥」も初めて聞きました。
泥棒を題材にした噺も知らないものがあるなぁ。

トリの菊之丞師匠は、目の不自由な方のマクラから「景清」へ。
平日の夜席では、時としてこの手の噺に出会えることがあります。
「心眼」もそうですが、こういう噺は時代的にいつでもどこでもかけられるものではないのでしょうね。
なかなか難しいものです。
ついつい話に聞き入ってしまい、世界に引き込まれてしまう、そんな噺でした。

久しぶりの昼夜通しでしたが、やはり平日の寄席がのんびりしていて一番ですね。

恐懼謹言。
コメント
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