恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

5/15(水)179回 熱血若手落語会@池袋山野楽器

2019年05月15日 | 噺とか
二日続けて落語を聞きに行きます。
本当なら同じ池袋の演芸場に一日籠りたいのですが、そうもいきませんで。
この会は以前に一度参加したことがあり、3部構成になっています。
第1部が落語の講座のようなもので、二部がこの熱血若手落語会。
第3部には独演会などが行われているようですが、
この第2部は真打が4人も出て1000円という安さ。
告知では当日1500円とあるのですが、当日行っても1000円。
不思議なもんですが、高いのではないから質問することもあるまいと。

美 馬「金明竹」
おさん「本膳」
たこ蔵「粗忽長屋」
馬るこ「野ざらし」
馬 桜「景清」

前座の美馬さんは初めてお目にかかります。
小柄な女性ながら語り口はしっかりとしていて、かなりいい感じ。
「金明竹」をフルで口演されましたが、なかなかのものです。
関西弁の細かいイントネーションなどはちょっと耳になじまない感じ。
あとは馬るこ師匠のオリジナルに習ったのか、
サゲのあたりがちょっと通常のバージョンとは違います。
寄席でもそのうちお目にかかるようになるでしょうか。

おさん師匠は「本膳」。
マクラでは馬桜師匠がかつてドラえもんを知らなかったことに触れて、
知ったかぶりをせずに何でもわからないことは、
人様に聞いて確かめることの大事さを説いて、本題へ。
この噺もそんなに多くかかる噺ではないようにも思いますが、
のんびりとした空気の中でさらっと。

たこ蔵師匠はかつて末廣亭で披露目を見て以来かしら。
10連休はフルで休んでいたというちょっと変わった噺家さん。大丈夫かしら。
前座時代の思い出で、師匠の息子である現・たま平を運転手として送り迎えしていた話など。
たま平さんのことをあれやこれやといってましたがねー。
内弟子だとこういう経験もあるのでしょう。
また、前座時代に兄弟子のたけ平さんとともに、
病に倒れた九官鳥を動物病院まで送り届けるエピソードなど、
いろんなドラマを聞かせていただきました。
本題の「粗忽長屋」は昨日も聞いていますが、はやりこちらはスタンダード。
笑いのポイントをしっかり押さえているなぁと思います。
慣れというのも恐ろしいもので。

馬るこ師匠は笑点の若手大喜利のエピソードをあれこれと。最近見てないなぁ。
また、寝過ごして中央線の大月や青梅線の中神まで行ってしまったエピソード。
寒さをしのぐためにコンビニでごみ袋を買って服に仕立て、防寒した話は圧巻。
そんな酒の話から「野ざらし」へ。
聞き馴染んだこの噺も馬るこ師匠にかかると独自の路線へ。
微妙な下ネタで笑いを取ったり、一龍齋貞水をネタにするあたりもさすが。
今日一番笑わせていただきました。
いつもながらの熱演で、次に上がった馬桜師匠は苦言を呈していましたが・・・。

トリは馬桜師匠で「景清」。
盲人が出てくる噺についてあれこれとエピソードを披露し、
なかでも橘家円蔵師匠がネタ出しで「心眼」を出して、
それを楽しみに聞きに来た盲人の人へのエピソードなどは考えさせられます。
で、本題へと入っていきます。この噺は2度目でしょうかね。
光を失った人の悲哀と信心への疑念。
聞きながらも考えさせられる話ですが、笑うポイントも随所に。
なかなか寄席では聞くことのできない貴重な話ですね。

いろいろな立場の人への配慮ということが言われる現代社会ですが、
こういう落語を聞くといろいろなことを考えてしまいます。
そんなに堅苦しく考えることもないんでしょうけどね。
ともかく、2時間以上たっぷり楽しんで1000円はお値打ち。
平日休みがあればまた足を運びたいもので。

恐懼謹言。
コメント
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