恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

7/25(土)池袋演芸場昼席(主任:古今亭菊志ん)

2020年07月25日 | 噺とか
こちらも7月から営業を再開した池袋演芸場。
他の定席に比べて客席数が少ないため、39席限定という状況。
これじゃ満員の時の黒門亭よりも少ないですよねぇ。
休業期間中にチケット売り場を改装したため、ちょっと趣も変わりました。
昨今の感染者数増に歯止めがかからない中、
この日の客席は10人ちょっとという入りでした。
真偽のほどはわかりませんが、平日に4人だったこともあったそうで、
これじゃ噺家さんが思い出話で語るかつての池袋のようです。
客としてはゆったり座席を使えていいのかもしれませんがねぇ。
たぶん、今日は楽屋の前座さんなんかも合わせると、
客席の人数よりも多かったんだろうなぁ。

「道灌」      駒平
「猫と金魚」    志ん松
「目薬」      文蔵
「お菊の皿」    菊太楼
「漫才」      おしどり
「無学者」     小はだ
「ミステリーな午後」 小ゑん
-仲入り-
「四段目」     柳勢
「夏泥」      小袁治
「ジャグリング」   ストレート松浦
「付き馬」     菊志ん

文蔵師匠は今日の午後から博多なんだそうで、早めに上がる。
文蔵師匠の「目薬」は初めて聞いたように思います。
池袋でもこういう軽い噺をするんだなぁという思いと、
その中にもおかみさんの妙に色っぽい所作など、
楽しみどころは多々ありました。
小ゑん師匠との「鉄千早」リレーは何度も聞いているので、
今日はこれで正解。

小はださんは二つ目昇進したばかり。
前座さんのころちょいちょいお見掛けはしていました。
本来の出番よりも遅くなっているため、
気負わぬようにという思いは語っておられましたが、少し硬い?
これからの活躍に注目です。

小ゑん師匠のネタは久しぶりに「ミステリーな午後」でした。
数ある小ゑん師匠のネタの中でも完成度の高いネタだと思います。
この日の前日に行われていた白酒師匠との二人会、行きたかったなぁ。

真打昇進直後にコロナ禍に巻き込まれてしまった玉屋柳勢師匠。
タイミングが悪くて披露目もできなかったそうなのですが、
今後、その代替公演が行われるとのこと。
とはいえ、また感染者が増えていく中で、どうなるやらとぼやいておられましたが。
何とか無事に披露目ができることを祈るのみです。
ネタは正統派の「四段目」でした。

続く代演は、正雀師匠に代わって小袁治師匠。
こちらもコロナの影響で仕事が飛びまくって大変だったと。
そんな近況から、かつて泥棒を捕まえたお手柄の話をあれこれ。
んー、さすがに警察も逮捕協力者と犯人は間違えないでしょうけどねぇ。
そんなエピソードから「夏泥」へ。この時期良くかかります。
ところが、聞いていると知っているものとはずいぶんと違っていて、
サゲの部分も通常のものとは異なっていました。
調べてみると先代の小さん師匠の型のようですが、
もともとは上方落語からの移植。そちらをもとにしているようでした。
良くかかるメジャーなところでもいろんな形があるものです。

トリは菊志ん師匠。こちらも随分とご無沙汰です。
マクラではやはりこのコロナ禍の中での苦労をあれこれと。
菊志ん師匠も、ひところはずいぶんと寄席の出番でお見掛けしましたが、
ここのところはちょっとご無沙汰気味でしたが、
なんとなく廓話のイメージがあるんですよね。
この日も何をやるかと思ったら、「付き馬」で、やはり吉原の話。
この噺も久しぶりに聞きました。
まじめに考えるととんでもない男のトンデモ噺なんですが、
ここまで痛快にやられるとね、という感じ。
たっぷりと楽しませてもらいました。

先日の鈴本に続いて寄席も閑散としています。
これから夏休み本番になる中で、
何の気兼ねもなく寄席の空間を楽しめる日が来ることを祈るのみ。

恐懼謹言。
コメント
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