久しぶりの鈴本演芸場です。
平日の昼席ということでゆったり。
かと言って閑散としているわけでもなく、
程よい客入りなのでありました。
菊丸師匠は寄席で何度か見たぐらいで、
トリの芝居はおそらく初めて。
道灌 駒平
初天神 歌彦
ギター漫談 ペペ桜井
寿限無 黒酒
狸鯉 金朝
紙切り 八楽
妻の旅行 はん治
替り目 文菊
漫才 ニックス
金明竹 菊志ん
−仲入り−
太神楽 翁家社中
無精床 志ん彌
芋俵 一之輔
紙切り 二楽
井戸の茶碗 菊丸
歌彦さんの初天神、師匠である歌奴師匠の影響をとても感じる一席。
もともと高知県のご出身なんですね。
黒酒さんは今席から二つ目昇進。
くろき、という読み方は本名の苗字と、
新嘗祭で供される白酒と黒酒に由来。
もともとは、あられさん。
寿限無の下げは少し変わった形。
金朝師匠、お名前は存じ上げていましたが、おそらく初めて。
鈴本でもあまり顔付けされないような。
狸の鯉はよく聞くところですが、
これがなかなかに良く、今日の発見の一つとなりました。
もっと聴いてみたくなった噺家さんです。
八楽さんは長らくの前座生活を終えて、
めでたく紙切りとして11月上席からデビュー。
落語家さんと違って二つ目昇進ではなく、
年季明けという表現をされていました。
体を動かし、間断なく話すスタイルは、
父であり師匠でもあ?二楽師匠そのものですが、
まだまだ緊張があるようですね。
鋏試しは花嫁。注文で暴れん坊将軍と七五三、秋の温泉を切り抜かれました。
正蔵師匠の体調不良に伴って、
はん治師匠の代演。
お馴染みの妻の旅行ですが、
私としてはかなり久しぶりでした。
文菊師匠はたっぷりのマクラから、
替り目をごく短く。
かなり途中省いていたように思います。
コンパクトな一席。
菊志ん師匠も久しぶりですが、
この日は仲入りの出番ながら、
コンパクトに金明竹でした。
まぁ、こういうこともあります。
志ん彌師匠の出囃子が、
どういうわけか次に上がる一之輔師匠のものになっていて、
あれ、と思ったら下座さんのミス。
すぐに訂正した出囃子になりました。
こんなこともあるのね。
一之輔師匠、秋のシャインマスカットやら葡萄の思い出のマクラから泥棒の噺へ。
芋俵、先日も連雀亭で聴きましたが、
遭遇率高めですね。
相変わらずの一之輔節で楽しい一席。
同じ芝居だ紙切りが2人出るのは珍しいとしながら、高座で紙を切る二楽師匠。
この日の鋏試しは芸者さん。
注文では、二楽師匠と八楽さん親子、
ちびまる子ちゃんを切り抜かれました。
八楽さんの命名エピソードは聞いたことがありましたが、この日改めて。
なかなかいいお話でした。
トリの菊丸師匠は井戸の茶碗。
どうもトリネタでこの噺にあたることが多いような。
それでもやはり菊丸師匠は技巧者ですね。
侍同士の意地の張り合いのあたり、
ややとするとだらけてしまうのですが、
この日はしっかり聴き込ませていただきました。
国立では新真打の披露目が行われていますが、
他の定席では二つ目さんの披露目が進行中です。
最近なかなか若手の落語家の名前を覚えるのが苦手になりつつありますが、
それでも寄席におめでたい空気が広がるのはいいことですね。
恐懼謹言。
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