かなり久しぶりの黒門亭です。
相変わらずの20名定員と電話予約制で、
気軽に足を運べない感じながら、
この日のネタが「蕎麦の隠居」とあり、
なかなかの珍しい噺の部類。
予定も空いていたので、すかさず電話して足を運んでみた次第。
ちなみにこの日は満員の札止めでした。
みそ豆 ぽん平
定吉殺し わん丈
幇間腹 我太楼
−仲入り−
七五三 文雀
蕎麦の隠居 扇辰
前座は正蔵師匠の実子、ぽん平さん。
お兄さんのたま平さんとはあまり似ていないような。
なぜか5分遅れて開演し、3分早く下がる。
これからの成長に期待でしょうか。
続くわん丈さん。
最近は色々とご活躍の様子。
前座に続く一席で大ネタとも言える、
双蝶々の定吉殺しなのでありました。
客席にお子さんがいる中で、
この噺もどうかと思うと前置きしつつも、
黒門亭はそういうところである、と。
ここは同意ですね。
他の寄席ならいざ知らず、
珍しい噺を聞きたくてウズウズしてるお客さんの集まりですもんね。
新作に限らず、こういう噺もいいですね、
わん丈さん。人気なのも頷けます。
仲入り前の我太楼師匠は、
いつ以来かわからないぐらいのご無沙汰。
明るく陽気な雰囲気が印象的。
今日の中では、一番スタンダードなネタ。
細部に独自のくすぐりがあり、
子供にも落語ファンにもウケる工夫あり。
定番ながら楽しめる一席でした。
仲入りの後は文雀師匠。
こちらもかなり久しぶり。
今年亡くなった師匠方との思い出から、
金翁師匠の話題へと移り、
生前に稽古してもらったという、
この時期ならではの噺を、と。
この七五三という噺、初めて聞きました。
大家さんから習った狂歌を覚えて、
付け焼き刃で周りに披露するという、
なんとなく同じような設定がありそうな。
とても面白い、楽しい一席でした。
トリの扇辰師匠、各所で活躍する人気者。
蕎麦の隠居という噺は初めて聞きます。
蕎麦屋に来るたびに主人に小言を言って、
また翌日来ては違った小言を残して行く。
「小言幸兵衛」のような、
はたまた「かんしゃく」のような。
最後の最後にくるサゲでアッと言わせる、
そんな展開も楽しいネタでした。
寄席ではなかなかお目にかかれないかも。
総じて珍しい噺に出会えた今日の黒門亭。
おおむね満足なのですが、
一つ気になったのが、
来場していた子どものお客さん。
おそらくは小学校低学年ぐらいで、
親に連れてこられたと推測されますが、
浅草や鈴本ならいざ知らず、
ここ黒門亭ではちょっと難しかったのか、
途中で足をばたつかせたり、
母親に語りかける場面が度々ありました。
私も少し気にはなりながらも、
仕方ないのかなぁとは思っていましたが、
仲入りの時に常連と思しき男性が、
親子に苦言を呈していました。
子供が寄席にくるというのは、
微笑ましい光景ではありながら、
時として迷惑と感じる場面もあります。
我慢できるレベルは人それぞれですが、
注意した男性の気持ちもよくわかります。
出演者も所々でお子さんへの配慮を見せていましたがね。
仲入り後も大きく改善されることもなく、
退屈そうに足をばたつかせたり、
母親に語りかけるシーンがありました。
その度に小声で母親はたしなめるものの、
その気まずさはこちらにも伝わりました。
お母さんが熱烈な落語ファンで、
止むに止まれず子供を連れてきたのか、
想像は尽きませんが、
色々と考えさせられる場面でした。
でも、いきなり黒門亭は難しいかもね。
そんなこともありつつも、
有意義な土曜の午後を過ごすことが出来ましたよ。
恐懼謹言。
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