今日は或る発電所に入る機会が有りました。発電した電圧を昇圧する変圧器の近くで1日居ましたが絶え間なく変圧器からはブーンと音が聞え結構大きいレベルの音で流石に大電流が流れて居る感じが伝わって来ます。変圧器の名盤を見ると1次電圧は(入力電圧)25000Vで二次電圧は(出力電圧)515000Vで二次電流は840A近い数値が刻印されて居る。変圧器の出力は主開閉装置までケーブルで送られている様だが其のケーブルは直径16cm位の太さで超高圧線路の割には思ったより細く多分ガスが注入されて居るのだろうが其の絶縁耐力に驚いて仕舞う。勿論変圧器部分のケーブルは1m以上の四角い鉄板で絶縁シールドされて居るが場所に寄ってはケーブルが直接に見える部分も有り「此の中に515000Vの電気が流れて居ると思うと一寸と興奮した。出来れば電線の中を見てみたい物だと思ったが其れは叶わぬ夢である。
話は変るが私の通った工業高校の電気科は強電主体の学科であったが私は強電を遣ると「命が危ない!」と思い其の道を避けて弱電の世界に身を置いたが其れでも現役最後には何十KWのシステム・エアコンの修理等でインバーターエアコンの制御回路の修理に出向く事は結構経験した。其の中で一番ビビッタ経験は大型工場のシステムエアコンが冷えない故障で呼び付けられ現場へ向かったが大きい工場なので当然其のシステムも馬鹿でかい代物、其の上に室外機と室内機は50m以上離れて居る事は良く有るパターン(むしろ其の方が大半)当然修理には二名で行く訳で一人が室内リモコンのスイッチを入れると片方が室外機の外装を外し制御盤の働きを確認する側に廻って待機する訳だが大型のシステムはスイッチを入れたからと言って直ぐには作動せず少し遅れて作動する制御方法をとって居る。修理作業は日常茶飯事の事なので鼻歌交じりで待っていたら暫くして「ドーン」と物凄い音と同時に直径が2cmで長さが15cm位有ろうか?60Aの管ヒューズが銃を撃った後にヤッキョが飛び出る感じで目の前に飛んできた時には身を避けるのが精一杯で「こわぁ~!」と後ろに尻餅をついて冷や汗が出てしまった。高々12KW程度の装置の点検で此の状態なので其の時に つくづく強電の業界に進まなかった事は大正解で有ったと自分で納得した。
余談だが同級生の主席は弱電等は殆ど遣らずに強電専門で電力会社に入社、2~3年前までは火力発電所の社員食堂の幹部が座る席で食事をして居たので可也出世をしている感じで有ったが在学中の成績の差が実社会で更に広がり気安く声を掛けられ無い状態に成って居た。何せ私の場合は交流理論のサイン、コサインが大嫌いでアマチュア無線の世界にのめり込んで勉強はしなかった分、最後まで電気はアマチュアレベルで終わった感じで成るべくして成った結果だが其れでも此の様な大掛かりな電気設備を見ると興味が湧き少しテンションが上がってしまった。もしチャンスが有るなら送電線に乗せる手前の主開閉装置の現物や動作時に興味が有り見たいと思うのだが流石に其れは無理で有ろう。