私は移動運用の目的で今年の5月1日 沖縄県国頭郡金武町に移動していた。恩納村の移動運用を終え沖縄の中央部を西から東に抜け金武町に着いたのは夕方の遅い時間だった様に記憶している。金武町は沖縄本島の中で移動場所選定に苦労した中の一つで有った。
金武町の町で2時間程,移動運用場所の選定に迷い最終的に国道から200m位海岸に向かった海岸道路の側帯(道幅が10m位の道端)に車を止めた。(北緯26度26分52秒 東経127度54分43秒)ダイビング・クラブチャートの近くで有った。30分位は通行量を確認したが通行が無く奥に10m入ると道は有るが舗装されていない泥道(行き止まり状態)だったのでアンテナを設営し運用を始めた。其の日は暑かったのでパンツ(下着)にランニングシャツ姿、人には見せられない姿では有ったが日が暮れていたので安心していた。
金武町は沖縄の中であまりQRVのある場所で無かったので呼び続けられ夢中で運用中の22:14分頃に窓をコンコンと叩く音、其の方向を見ると迷彩色の軍服を着た若い白人の米兵が車内を覗き込んでいた。私の顔を見ながら「出て来い」言っている。格好が格好だったので躊躇したが銃を持っている様子だったので早く出て行かないとヤバイ思い「一寸待ってくれ」と言いながら出て行った。「御前は何者だ」「何をしている」と早口で質問してきたので私の拙い英語で「アマチュア無線の運用をしている民間人で怪しい者では無い。」と答えたがアマチュア無線が解らなかったらしくハムラジオと言い直したが理解出来てい無い様子、ひとりの米兵が相手に「こいつの言葉は理解出来ない お前はわかるか?」と聞いたのは解ったが相手の米兵は首を横に振った。1分位早口での話合いの後、話し掛けていた米兵が携帯電話を取り出し何処かに掛けた後、私に手渡してきた。電話を取ると「何をしているのですか?」日本語の声「アマチュア無線の運用をしている。」答えると「アマチュア無線?・・ハムですか?」と聞き返してきたので「ハイ」と答えると「まさか基地の敷地内じゃ無いですね?」聞き返したので「基地のバリケードの外で道の反対側の側帯で運用している」と答えると「解りました米兵に変わってください」との事、其の後米兵は少し興奮した様子で3分間位い話していたが諦めた感じで「有難う」と言って車に乗って立ち去って行った。
無線の交信中に米兵が来て「出て来い!」と言っているので暫くQRXとアナウンスしていたので 直ぐに車に戻り無事である事を連絡したら皆さん待ってくれていた。気を取り直し10:25分に次の交信が開始されているので10分間の中断に成った。徳島の兄も丁度此の状況を聴いていたらしく「此れは沖縄まで引き取りに行かなければ!」と思ったそうだ。