全国色んな所に移動していると如何しても慣れとか油断や甘えが生まれる。今回も沖縄には米軍基地は多く有る事も基地周辺は気を付けねばいけない事も解っていたのに早く場所を探してQRVしないと!の焦りが有った。其れに此の時はアメリカ軍がビンラディンの暗殺を行った直後だったので報復攻撃が有るかも知れないとアメリカ軍基地内に緊張感が漂っていたのだ。(後に聞いた話では最高レベルの警戒レベル5だったらしい)
今考えると県外車で中を見ると無線機器が並び外は12mHで60m位のアンテナを建て英語交じりの日本語で数字の羅列を叫んでいるのだから危ない人間と思われても仕方が無い状態だった。又横は建物こそ無かったが50m X 150mの敷地が金網のフェンスで囲まれ「立ち入り禁止」と「遊泳禁止」の標識とアメリカ軍の基地設備である事は英文で書かれていた事も確認しているのに運用したのだから困ったもんだ。
後で解った事だが上陸用楊舟艇の保管場所だった様だ、建物は無く敷地内がアスファルト舗装してあるだけで何も置いていなかったので私は資材置場と思って油断していた。
此れも後で解った事だが沖縄の局は「ハブは沢山いるし軍設備の横だし危ないな!」と思っていた様子、だがアンテナを立て運用が始まって場所が解ったので撤収して場所換えをした方が良いと言い難かったらしい。
今思い出すと金武町で緊張した等、笑い話だが其の瞬間はかなり緊迫感が漂う場面だった。まだ米兵が若い白人二人連れだった事も幸いした。でも警察とは対応が全然違う。一人が私と対応している間、もう一人は完全に身構えて何か有ったら即、攻撃出来る体制を一度も崩す事は無かった。最後まで2人はニコリともする事無く立ち去っていた。黒人の米兵だと体も大きし迫力が有ったのではないかと思う。
沖縄での米兵の犯罪や自動車事故が沖縄県民にとって対等に司法の場で裁かれない等の報道を良く聴く事がある。あの沖縄の一等地に広がる嘉手納の基地や沖縄本島の北部には広大な射撃訓練設備が有り日本の立ち入れない場所が広がっている。ある面、日本の領土で在りながら日本でない部分を垣間見た気がした。
矢張り自分の国の平和や自国の尊厳を他国によって守って貰う今の日本は何処かおかしい。我々個人の家庭を考えても自分の生活を守る為に一生懸命に頑張っているのに、他人を当てにしては成らない「善意で差し出される救いの手は受けても良いが其れを余り期待しては成らない。」そんな言葉を思い出した。其の相手に余力が有れば助けてもくれよう、でも同じ立場になったとしたら自国を第一義に考えるは当たり前、そんな危うい泥舟に乗っている様な気がする。自国の領土を脅かされても何も言えぬ国、自国を自力で守れぬ国を国家と言えるのだろうか?平和である事は良い事だが何処か?日本人は平和ボケしている。平和ボケしたおっさんが平和だから出来る移動運用しながら そんな事を考える一日だった。