先日に腑とした事から可也以前の映画の事や放送番組の主題歌の事を書いたが 其れ以降も昔の事を思い出しながら彼是とインターネットで調べて楽しむ事に嵌ってしまった。小学校時代は所謂チャンバラ映画を中心に見ていたが私が小学校の高学年に成る頃から流れが大きく変わり時代劇も黒澤監督に代表されるリアリズムの時代劇が主流に成り、大人には受け入れられたのだろうが?子供には少し難し過ぎて子供心に其れまでの煌びやかな時代劇とは打って替わった時代劇は子供心に暗い感じや現実過ぎて汚い感じの映画に思えた。(余りにも現実過ぎてハッピーエンドに終わらなかったり夢が無さ過ぎた。)
そして子供を対象の娯楽時代劇の映画の時代劇は終焉を向かえ其の内に現代劇を中心にした日活が台頭し始めた。其れまで主流で有った完全娯楽時代劇映画から社会派や子供が見る教育映画(表現が適切か如何か?学校が推薦する様な映画)は日活が専門であったし日活の娯楽映画は石原裕次郎さんや小林旭さんが主役を演じる現代劇が中心に成って来た。子供の頃なので石原裕次郎さんの映画は(少し子供には生々しかったのかな?)余り記憶に無いが国籍不明と言うか?ギターを背中に馬に跨って颯爽と現れて悪人と戦い物事が解決した後には恋人を振り切って一人旅立って行くストーリーを小林旭さんが主演する渡り鳥シリーズは結構見た様な記憶がある。多分 当時の外国のウエスタン映画の影響と思うが当時として不自然な感は有ったのだが理屈抜きに見て楽しんで居た様に思う。
其の直後くらいに私は中学生に成り、入学した途端に今考えると本当に理由や意味が解らないが当時は中学校に上がると校則で映画館へ行く事は御法度に成り殆ど映画を見に行く事は無く成ってしまった。その代わり中学生時代は年に何回か?学校の行事として体育館に映写機を持ち込み「上映会」と称される物が模様される様に成った。此の時に見た映画の大半が「浜田光男さんと我等が吉永小百合さん」のコンビの学園青春物(表現がふるぅ~)で有った。
当時の日活の女優さんと言えば浅丘ルリ子さんや芦川いずみさんが美人で特に印象に残って居るが年齢的にはお姉さん以上の歳の開き、其の点、吉永小百合さんや松原千恵子さんは年上だがお姉さん位の年頃(確か御二人とも1945年生まれの歳の差は3歳)なので十分対象の世代で憧れた人達で有り、少し色気が出始めた私達世代としては気に成る映画スターで有った。そして此の時代の吉永小百合さんの代表作の「キューポラのある町」や「青い山脈」や「伊豆の踊り子」を含め大半の映画は中学校の体育館の中での上映会で見た。
先日、インターネットで吉永小百合さん主演の主題歌や短い動画を見てる途中で画面が小さく画像も良くは無かったが「伊豆の踊り子」の全編を見る事が出来たので夢中に成って居たら夜中の1時を回っていた。最初に此の映画を見たのは約半世紀前に成るのであらすじは解って居たが細かい部分の映像は忘れて居る部分が大半で有ったが吉永小百合さんの魅力を存分に現していて一気に映画の中に溶け込み夢中に成り感動した。私は以前に美空ひばりさん、山口百恵さん、松田聖子さん主演の物も見たが矢張り多感な世代に見た吉永小百合さん主演の映画が一番と思った。私の中の踊り子のイメージとしては山口百恵さんが一番近い様に思うのだが(一寸寂しそうな陰を感じる顔立ち)しかし後の二人は歌手が本職、人気の中で映画に挑戦したのと本職の違いは明らか、そして何より映画スターを長年遣って来た吉永さんの魅力は美しさの中に昭和の凛とした気質や知性や育ちの良さを感じる事、早く言えば内面から現れるオーラーとしか言い様が無いのだが此の部分が本質的に違う感じがする。
私は数年前に(確か2011年だったと思うが)伊豆半島を周遊する機会があったが其の時に行きたいと思う動機は此の映画の全編に出て来る「伊豆の天城越え」を見る事と実際を体験したかった事であった。現在の天城トンネルは新しく掘られて天城越えのコースは以前とは変わっているが此の映画に出て来る昔の天城トンネルにも現地へ実際に行って見た。新道の途中から未舗装の林道の様な細い道を進むと旧の天城トンネルが有り其処に車を停めて2時間ほど映画を思い出し思いに耽った事が有ったが余りの寂しさと交通量が無く夜に車中泊すると動物が出て来そうで夕方前に新道との合流点近くの駐車場に入り其の場所で移動運用と車中泊をした事を映画を見ながら思い出した。しかし撮影は50年も前に行われて居て映画の中で見る景色と現在の景色には大きな隔たりがあったが旧の天城トンネルに至る大きく右に曲がる道の上の山肌は見覚えが有る感じで有った。
私は此の歳を迎えるまでに沢山の女優さんを映画やテレビドラマで見て来たが確かに吉永小百合さん以上の美人も何人か居たが私達と同世代か其れ以後で此れ程の実績とオーラーと現在70歳近い年齢で第一線で主役を張れる女優さんは見当たらない。その意味でも昭和生まれの銀幕の女性映画スターと言えるのは此の人が最後と成る事は間違いが無い様に思える。
旧道の「天城越え」や旧の天城トンネルに興味が有る方はインター・ネットで「GT-R紀行 天城越え」で検索を掛けると南の河津町から北へ抜ける動画が配信されて居ます。私は同じコースを北側から南側に逆に走りましたが動画を見て懐かしかったです。後で解った事ですが旧の天城トンネルは此の辺りでは有名な心霊スポットだそうで私も移動運用する心算で(トンネル出入り口で伊豆市と河津町が運用できる)2時間くらい滞在したが何と無く嫌な感じがしたので諦めて下に下ったが判断として正解だった様である。