元々建築畑出身の私ですが、現在の会社が土木にしか相手にしていない会社なので、渋々と土木関係者と話す日々です。
東京都写真美術館で「ランドスケープ 柴田敏雄展」というものが開催されていると言う情報を入手。早速、嫌々ながらも後学のために見学に行きました。
「建築と芸術」なら分かるけれど、「土木と芸術」の関連性なんか全く見いだせない、と思うのは私の偏見かな?とにかくこのミスマッチ?に期待しつつ見ました。
単なる工事現場だよなあ、どう見ても。土砂崩れを防ぐためのコンクリートの吹きつけなんか。
写真のような面白い橋はありませんでした。
「ダム萌え!」な写真集もあるけど、ダム写真については、確かに壁面から水が流れ落ちる様は良いです。
しかし、道路・河川に関する写真は「工事現場施工後」にしか感じません。美は感じませんでした。それよりもどうしてこんな工事をしたんだ?その理由は?と言った技術的疑問が頭に浮かびます。
道路なんてどこにでもあるから、ネタに困らないだろうなあ、とも思いました。経済学的に考えると、「いかに地方が公共事業に依存しているか、の証明写真」でもあります。
建設に携わらない人達にとって、これは芸術なんでしょうね。
それよりも、同時に開催されていた「蘇る中山岩太 モダニズムの光と影」の方が良かったです。
1930年代にこんなにモダニズムされた写真を撮る日本人がいたことに驚きました。バウハウス全盛期の頃だよなあ。
この人も後半は色々なものをコラージュした幻想的な写真が増えていきますが、これは私の趣味ではありませんでした。
ガラス乾板も展示されていいます。「当時これがネガだったのかあ」と驚きました。デジカメ主流となった現在では、ガラスがネガになるなんて信じられん、と思ってしまうのは勘違いなんでしょうね。