先日《Cafeあつめ木》で教えて頂いて、こうの史代著《ぼおるぺん古事記(三)海の巻》を入手しました。イザナギ・イザナミによる国生みに始まる《天の巻》、大国主命の物語を中心にした《地の巻》に続く第3弾で、本来は古事記編纂1300年の去年中に完成の予定だったのが、ちょっと遅れて完成したものです。
今回はいよいよ『天孫降臨』から始まります。天照大御神の命を受けた邇邇芸命(ににぎのみこと)が日向・高千穂の地に降り立ち、木花之佐久夜比売(このはなのさくやひめ)を見初めて妻に迎え、やがて生まれた火照命(ほでりのみこと=海幸彦)と火遠理命(ほおりのみこと=山幸彦)、火遠理命と結ばれた豊玉比売命(とよたまびめのみこと)との間に生まれた天津日高日子波限建鵜草葺不合命(あまつひたかひこなぎさたけうかやふきあへずのみこと)が玉依比売命(たまよりびめのみこと)との間に四柱の御子をもうけるところまでの、いわゆる上巻・神代編と言われる部分全てを、文字通りマンガを描く時に背景に使うスクリーントーン等を一切使わず、ボールペンのみで描き上げた作品です。
まあとにかくこの作画のクオリティーの高いこと!これだけの絵を全てボールペンだけで描いたと思うだけで驚嘆します。そして、各キャラクター…基、諸々の神様の御姿が、実に巧妙に描かれているのです。特に木花之佐久夜比売と一緒に邇邇芸命の輿入れしたものの、醜さ故に実家に返されてしまう石長比売(いはながひめ)の御姿は、文字通り「岩」そのもので仰け反ります。多少悪意を感じないではありませんが、もう「こうきたかぁ~っ?!」という感じです。
あと、巻末におまけがついているのですが、これもなかなか笑えます。特に石長比売と木花之佐久夜比売とが興じる『ヤマツミ一万尺』はシュール過ぎて、しばらく立ち直れませんでした(^_^;)。
古事記自体は上巻・神代編に続いて、先の四柱の御子の一柱・神倭伊波礼比古命(かむやまといわれびこのみこと)が日向を出て大和に向かい、神武天皇として即位して諸国を平定させていく中巻・下巻の人代編に続きます。本来はあまりに壮大な物語なので神代編で終わる予定でいたのだそうですが、こうの史代女史のあとがきに「いつか力を付けて、必ず続きを描きます。」という、力強い決意が表明されていました。いつかこのシリーズで古事記がコンプリートされることが今から楽しみです。
古事記って難しいんじゃないの?…という方も多いと思いますが、難しい読みの漢字には全てルビが振ってありますし、何しろマンガですから見た目に非常に分かりやすくなっていて、何とも人間くさい神様方に思わず頬が緩みます。そして一番凄いのは、これを読み終わった時に、なんと原文のままで古事記を読み終わっている自分に気付くのです!数ある古事記関係の著書の中でも決定版と言っても過言ではない作品ですので、是非天・地・海の3巻揃えて読んでみて下さい。
今回はいよいよ『天孫降臨』から始まります。天照大御神の命を受けた邇邇芸命(ににぎのみこと)が日向・高千穂の地に降り立ち、木花之佐久夜比売(このはなのさくやひめ)を見初めて妻に迎え、やがて生まれた火照命(ほでりのみこと=海幸彦)と火遠理命(ほおりのみこと=山幸彦)、火遠理命と結ばれた豊玉比売命(とよたまびめのみこと)との間に生まれた天津日高日子波限建鵜草葺不合命(あまつひたかひこなぎさたけうかやふきあへずのみこと)が玉依比売命(たまよりびめのみこと)との間に四柱の御子をもうけるところまでの、いわゆる上巻・神代編と言われる部分全てを、文字通りマンガを描く時に背景に使うスクリーントーン等を一切使わず、ボールペンのみで描き上げた作品です。
まあとにかくこの作画のクオリティーの高いこと!これだけの絵を全てボールペンだけで描いたと思うだけで驚嘆します。そして、各キャラクター…基、諸々の神様の御姿が、実に巧妙に描かれているのです。特に木花之佐久夜比売と一緒に邇邇芸命の輿入れしたものの、醜さ故に実家に返されてしまう石長比売(いはながひめ)の御姿は、文字通り「岩」そのもので仰け反ります。多少悪意を感じないではありませんが、もう「こうきたかぁ~っ?!」という感じです。
あと、巻末におまけがついているのですが、これもなかなか笑えます。特に石長比売と木花之佐久夜比売とが興じる『ヤマツミ一万尺』はシュール過ぎて、しばらく立ち直れませんでした(^_^;)。
古事記自体は上巻・神代編に続いて、先の四柱の御子の一柱・神倭伊波礼比古命(かむやまといわれびこのみこと)が日向を出て大和に向かい、神武天皇として即位して諸国を平定させていく中巻・下巻の人代編に続きます。本来はあまりに壮大な物語なので神代編で終わる予定でいたのだそうですが、こうの史代女史のあとがきに「いつか力を付けて、必ず続きを描きます。」という、力強い決意が表明されていました。いつかこのシリーズで古事記がコンプリートされることが今から楽しみです。
古事記って難しいんじゃないの?…という方も多いと思いますが、難しい読みの漢字には全てルビが振ってありますし、何しろマンガですから見た目に非常に分かりやすくなっていて、何とも人間くさい神様方に思わず頬が緩みます。そして一番凄いのは、これを読み終わった時に、なんと原文のままで古事記を読み終わっている自分に気付くのです!数ある古事記関係の著書の中でも決定版と言っても過言ではない作品ですので、是非天・地・海の3巻揃えて読んでみて下さい。