共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

お幸せに…

2015年03月29日 21時00分49秒 | 日記
今日はいよいよ、知人の結婚披露会本番となりました。

司会進行を仰せ付かった身としては、朝から緊張していました。というのも、結局司会台本が作れなかったのです!もっと言うと、台本を書いている最中にも新郎新婦に関するエピソードがあれやこれやと浮かんできて、どれを紹介してどれを割愛するか…という整理がつかなかったのです。

そんなわけで最終的には、演台の上にお名前や家族構成といった最低限のキーワードのみが書かれたメモ書きを置いて、後は失礼を承知でそれを頼りに口から出まかせ出放題で押し通すことにしました。

会場のある平塚市総合公園に到着すると、園内の桜が、まるでお二人の門出を祝うかのように今を盛りと咲き誇っていました。宴会場の窓越しにも美しい枝垂れ桜の花を愛でることができ、宴に一層の華やかさを添えてくれていました。

一応進行にあたっては、かつて働いていたブライダルの現場でプロの司会者さんがしゃべっていた内容を下敷きにさせてもらいました。現役時代はあくまでも音楽スタッフとして参加していただけですので、ともすれば『自分には関係ないも~ん』と高をくくってしまいがちなのですが、他人事だなどと思わずにきちんと聞いていたことが、思わぬ形で役に立ちました。

普段ワイルドなスタイルが多い新郎は、今日はスーツでビシッと決めていました。そして、普段はモノトーンを基調としたシンプルなスタイルの新婦は、今日はこの時期に合わせた濃い桜色のお着物での登場でした。お二人ともかねて見知った方ですが、こんな風におめかしして晴れて夫婦となられた姿を拝見して、ちょっと目頭が熱くなりました。

やがて開宴と共に私の仕事が始まったのです…が、これがまあ見事なまでの噛みっぷりで、随所に「う”~…」とか「あ”~…」が入りまくるという、なんとも情けない司会っぷりになってしまったのです。本番前までは、他の皆さんにバレないように、人知れずバルコニーに出て発声練習をしたり、お名前の読み上げをしたりして備えていたので『イケるかな?』などと思っていたですが、そこが素人の赤坂見附…ぢゃない、素人の浅はかさ、実際にマイクの前に立った日にゃあ、すっかりシドロモドロになってしまって、言おうと思っていたことの半分も言えずに終わってしまったという体たらく…(もっとも、結果的に手っ取り早く乾杯に持ち込めたので、ケ
ガの功名と言えなくもない感がありましたが)。

それでも何とか乾杯まで漕ぎつけて御歓談になってから、私も席を御用意して頂いていたので、お相伴に与ることにしたのですが、そこでとんでもない失態に気付いてしまいました。今日の宴席には高砂を含めた各テーブルに、新郎側の御親戚のお花屋さんが素敵なアレンジメントを飾り付けて下さったのですが、そのことを御案内申し上げるのをすっかり忘れてしまっていたのです…)゜0゜(ヒィィ!

それに気付いてしまってからは、談笑しつつも心中穏やかではありません。『どうしよう、どうしよう…』という自問自答が頭の中を駆け巡り、首から下に変な汗をかきまくっていたのですが、最終的には親族を代表して新婦のお父様に御挨拶を頂戴する前に補足事項として御紹介するという、苦肉の策を取らざるを得ませんでした。本当に申し訳ございませんでした…m(_ _)m。

そしてもう一つ、新郎新婦には内緒でヴァイオリンを持参して、サプライズで一曲プレゼントしました。会場内に伴奏できるようなものがないと聞いていたので、和装に因んで無伴奏で《さくらさくら》と《花嫁人形》をメドレーにしたものを演奏しましたが、新郎新婦は元より、御臨席の皆様方からも暖かい拍手を頂戴しました。喜んで頂けたようでホッとしました。

その後、新婦のお父様から御挨拶を頂き、お二人を代表して新郎から一言御挨拶を頂戴しました。最後に、新郎の御一家が氏子を務められている御霊神社の例大催御神輿渡御で謡われる甚句を新郎のお母様と御兄弟とで唱和して頂き、三本締めで締めてめでたくお開きとなりました。

今日の日を迎えるまで、お二人それぞれに様々なことがありました。それらを乗り越えてめでたく結ばれた新夫婦の門出に関わることができて、私も感無量でした。これから先のお二人の人生に幸多からんことを、陰ながら御祈念申し上げたいと思います。
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