菅義偉総理が2050年までに温室効果ガス排出をゼロにすると表明したことはよかったが、予想どおり、計画づくりは難航しています。自然エネルギー利用で行く決心ができないようで、原子力依存を続ける恐れが大きいようです。原子力利用は、現在の人だけでなく、子々孫々を苦しめる技術です。今すぐやめるべき技術なのに頼るのは原子力しかないという日本の技術水準の低さに寒気を催します。
確かに日本の国土だけで考えると自然エネルギー利用だけでは無理です。日本では田畑山林を破壊して、太陽光発電を行うことはよくないことです。住宅について2階以下を標準とする戸建住宅を増やし、すべての屋根について太陽発電屋根を標準としても電気は不足します。大きな発電用ダム建設はダム破壊による被害の恐れを高めるので限界でしょう。山間部あるいは山に近い町は、小水力発電が利用できますが、やはり電気は不足するでしょう。
現在日本は火力発電用の炭素系燃料を海外から輸入しているように将来のエネルギーも海外から輸入しないとまかなえないと思います。原子力利用は、国内に貯まったプルトニウムを核燃料として利用すれば海外依存を減らせるという思いがありますが、放射能汚染の恐れ、処理処分技術のない放射性廃棄物の蓄積・拡散の恐れ、地球上の熱バランスを崩す放熱は、現在においても大問題です。使用済み核燃料からプルトニウムを取り出しても利用してはならないものです。
たとえば太陽光発電について世界を見ると、オーストラリアのように太陽光が降り注ぐだけの広大な荒れ地が広がっている国があります。日本はこのような荒れ地における太陽光発電開発に投資をして輸出してもらうことを今から企画実行に移すべきです。日本からの投資はその国のためにもなります。望ましい経済交流になると思います。太陽光発電した電気は水素に換え、水素を輸入し、国内で水素火力発電を行うようにします。小型で安全な水素タンクがすでに開発されています。自動車などは水素でも動かせます。小型の水素燃料電池も普及するでしょう。現在人工衛星を打ち上げているロケットは水素を燃料としています。飛行機も水素燃料で飛ばすことができます。水素は燃えれば水になりますから温室効果ガスは出ません。
一方で省エネルギーに関する工夫努力をすべての分野で行うべきです。エネルギーをふんだんに使った生活・仕事を考えがちですが、省エネルギーで豊かな生活・仕事を考えるべきです。横浜では、夜の横浜、街と人が交差するパノラマイルミネーション「ヨルノヨ」というイルミネーションイベントを新港中央広場と周辺エリアでやっていますが、省エネルギーに反する税金の無駄使いです。緑地帯を広げて、昼の横浜、街と人の交差する快適空間にした方が人々のためになります。