表参道のケヤキ並木もいい具合に色づいていた
そして...
表参道ヒルズもこの景色のなかにようやく馴染みはじめたようだ。
表参道ヒルズの設計は安藤忠雄氏
今、日本でもっとも有名な建築家のひとりである。
その作品に、「ようやく馴染みはじめたよう...」とは何事だ、と言われそうだが、
そう思っているのは、たぶん私だけではないと思う。
同潤会青山アパートの記憶を持つ人ならだれもがそう思っているはずで、
表参道ヒルズは、その同潤会アパートの風景を記憶に残しながら設計されたそうなので、
すばらしい建物であったことは誰もが認めるところだ。
けれども、同潤会アパートの風景を知っている人の記憶に取って変わるにはまだまだ時間がかかるのかもしれない。
こうやって行き交う人の中には、すでに同潤会アパートを知らない人もたくさんいると思うと
なんとなくさびしい感じもするが、
今となっては、あの風景の記憶を持っているだけで幸せな事なのかも知れない。
解体前の同潤会青山アパート(2002年1月)