夏の黄昏時、家路の車中で頻繁に聴いているのが、この「チキン・スキン・ミュージック」
スライドギターの名手、ライ・クーダーの名作の誉れ高いアルバムである
インチキ臭さあふれるタイトル名
さらに人を食っているのがジャケットデザイン
コトに及ぼうとしている男?女が「見ないで...」とばかりに振り返っている
さて、肝心の中身は...
ジャケット帯のコピーを引用してみる
偉大なるアメリカン・ミュージックを追い求め、
更にメキシコへの憧れを音に託す、さすらい人の燃える心!
その情熱は、いま常夏のハワイにも新境地を見い出した!!
なるほど!
仰々しい言い回しはさておき、
ソンブレロをかぶったガイコツとポリネシア風女性の合体が意味するものがこれか、と思わず頬が緩む
カントリーミュージックをルーツとするもノンジャンルのミュージシャンとして世界中の音楽を取り込むライ・クーダー
そのひとつの出発点が、テックス・メックス(アメリカからみたメキシコ風音楽とでもいうらしい)であり、ハワイアンであったらしい
とにかく楽しくて開放的...そして、どこか哀愁を感じる
まるで遠い記憶の中の光景を呼び起こしてくれるような音楽
それが、黄昏時の帰路の気分にしっかりとハマっているように思う
ある日、長旅に出たとする
そして、その旅の途中、ふと聴きたくなる音楽
間違いなくチキン・スキン・ミュージックはそんなアルバムである
帰巣本能に触れる、大げさに言うと、そんな音楽なのかもしれない
さて、そのチキン・スキン・ミュージックから一曲
ベン・E・キングもジョン・レノンも驚きの(かどうかは知らない)
名曲「スタンド・バイ・ミー」をテックス・メックス調にカバー
"Ry Cooder" "Stand by Me live" 1977