「9」のつく日は空倶楽部の日。
海の日、夕涼みがてら海を眺めに出かけた。
小松空港、JR金沢駅、そして金沢三番目の玄関口がここ金沢港だ。
海上輸送という点では、新潟や富山に遅れをとってきた金沢港だったが、
取り扱い貨物の増加、大型フェリーによる外国人の観光誘客に備えて、
今後、埠頭や港湾施設の整備が急ピッチで進められるという。
その一方、金沢港周辺には古い街並みが保存され、
そこに生活する人々の気質や伝統産業が今なお息づく一画もある。
そのひとつが金沢市大野である。
運河に沿って瓦屋根の街並みが続く大野。
ここが藩政時代から続く醤油の産地であることは金沢人なら誰もが知るところだが、
調べてみると、銚子、野田、小豆島や兵庫の龍野と並び、
江戸時代から続く五大醤油産地のひとつなのだとか...。
そして、大野には今も多くの醤油蔵があり、
港の風景とともに古い街並みに溶け込んでいる。
この日は梅雨の中休み。
朝から30度を超える猛烈な暑さだったが、
夕暮れ時ともなると、その暑さも多少和らいで
海から吹く心地よい風とともに、穏やかな黄昏空が大野の街並みを包み込んでいた。
アメリカの国民的歌手でカントリーミュージシャンのウィリー・ネルソンが
アイルランドの女性歌手、シネイド・オコナーと組んだ異色のデユエット。
Sinead O'Connor with Willie Nelson - Don't Give Up
まさに一日が暮れようとするとき、やさしい風景を眺めながら、そのしみじみとした曲調をふと思い出した。