毎月11日は「鉄写同好会」の日。
詳しくは発起人てくっぺさんのブログ「高橋さんの写真記念館」をご覧ください。
8月8日夕刻、北陸自動車道下り線、杉津(すいづ)パーキングエリアから眺めた日本海。
この日は例の長寿台風、5号が未明から早朝にかけて北陸を縦断、
自転車並みの速度から降雨の時間帯が長く続き、大雨や土砂災害に関する警報が北陸各地で発報された。
折しもこの日は10日ほど前から名古屋への日帰り出張を決めていた日、
前日から列車運休の情報は入っていたが、
自分にとっては重要な仕事のため延期することもできず
早朝、時間に充分の余裕を持って車で向かうことにした。
通行止めによる迂回を繰り返し、客先に着いたのは約束時間の10分前、
通常なら3時間半の行程を倍以上の時間を費やすこととなった。
そして、なんとか無事に仕事を終えた帰り道。
行き帰り600キロの道のりもここまでくれば残りは100キロ足らず、
ほっとした気分で眺めたのがこの景色だった。
前置きが長くなったが、11日は「鉄道」にちなんだ写真と話題を掲載する日。
ここ杉津にはかつて北陸本線が走っていたことは、過去にも当同好会で取り上げた。
それを物語る記事を引用させていただいた。
国鉄 北陸本線 杉津駅 福井県敦賀市のホームページから
しかし、その北陸本線も昭和32年の北陸トンネルの開通とともに廃止、実に55年も前のことだ。
この杉津からの眺めは絶景として鉄道唱歌にも歌われ、
大正天皇が行幸の際、見とれたご様子に発車を遅らせたという逸話が残っているほどだ。
ここを走る旧北陸本線は急こう配に加え、鉄道黎明期に開通した狭いトンネルが連続する難所だった。
喘ぎながら急坂を登る機関車。そのため、トンネル内では窓を閉め切っていても客室内に煙が充満したのだとか。
しかし、そんな不快な思いを一気に発散させてくれたのが、杉津からの眺めだったという。
廃止から半世紀。
それにもかかわらず「今でも当時の情景を心に残す人が多いのだろう。」
台風一過の杉津で一息入れ、掲示された写真を眺めながら、ふとそう思った次第である。
Neil Young - "Like A Hurricane"