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折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

時よ止まれ、君は美しい

2021-07-24 | 折にふれて

 

「海の日」に始まる4連休、久しぶりにカメラを持ち出した。

 

                     越前岬(福井県越前町)2021.07.23 18:33  Sony α7S2  FE2.8 16-35 GM (35㎜ ,f/7.1,1/200sec,ISO100) 

33度を超える猛暑日だったが、

夕方ともなると海から吹いてくる風はここちよく

日の入りまでの時間をやさしい景色の中で過ごすことができた。

 

 

さて、コロナ禍による緊急事態宣言の中、東京オリンピックが始まった。

国内外の関係者の思惑の違いが見え隠れし、

さらに、運営関係者の相次ぐ不祥事の発覚など

直前までごたごた続きの中での開催となった。

無観客での開催は致し方ないといえるが

間近での声援がない中、「表現者」としての選手たちの心持ちはどうなのだろう、と考えてしまう。

 

先の東京オリンピックが終わって間もない頃だったと思う。

市川崑監督による映画「東京オリンピック」が製作された。

その映画を暗幕を張った小学校の体育館で観た。

小学校低学年の時のことだから、やがて60年前。

記憶は断片的だが、その中で鮮明に覚えていることがある。

大きく映し出された選手たちの表情なのだが、「勝った」「負けた」の感情表現ではない。

勝負に臨む緊張した表情、そして、緊張から解き放たれた後の必死の形相などが

スローモーションでスクリーンいっぱいに映し出されていたのだ。

いや、実際にはスローモーションではなかったのかもしれない。

けれども、一瞬の選手たちの表情に長い時間、目を凝らした、

という記憶が心に焼き付いているのだ。

 

オリンピックの記録映画は「東京」以前から残されていて、

その後も「白い恋人たち/グルノーブルの13日」など名作も生まれている。

ところが、最近のオリンピックでは作られたという話をまったく聞かない。

オリンピックそのものが商業化されて

なにがしかの利権がそれを阻んでいるのかもしれない。

しかし、コロナ禍というかつてない状況の中での開催、

しかも、無観客だからこそ、しっかりとした記録として残してみてはどうだろう。

競技の記録ではなく、「表現者」としての選手たちの映像の記録としてである。

 

「時よ止まれ、君は美しい」

ミュンヘン・オリンピックの記録映画につけられたタイトルは

半世紀の時を経ても色褪せない。

この感動的な言葉をすべての選手に贈りたい。

 


Keiko Lee - We Will Rock You 

 

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