花ごよみ

映画、本、写真など・

地下鉄(メトロ)に乗って  (浅田次郎)

2006-10-15 | 本 あ行(作家)
 



地下鉄、それは過去に行く出口、
過去へとつながる道。


思ったままの場所へ、
自在に行ける地下鉄を手段に、
軽々と過去へとタイムスリップ。 

そして今まで知ることのなかった、
事実の数々。

幾度となく時間をさかのぼったり、
戻ったりする主人公。

時間の逆行によって戦前、戦後、
亡き兄、父親、母親、 
そして真次、みち子の過去が見えてくる。
 
タイムスリップを通して 
家族というものを見直すことになる。 

血縁とは切っても切ることの出来ないもの。  
自分の力ではどうにもならないもの。

父そして兄への想い。 
父親の精一杯の生き様。

真次と一緒に地下鉄に乗って、 
過去への道を違和感もあまり感じさせないで
通過させてくれます。 

真次とみち子の関係、
運命的な巡り会い。

みち子のかけがえのない愛の深さを 
感じ取ることが出来ました。 

そして、考えもしなかった驚きの内容とは…。
(2回驚きました。) 

みち子とのあまりにも悲しい結末。

目に浮かんでくる時代描写も
生き生きとしています。

せつないけれど、明るい光も
少しは見えてくるラストでした。  
 
もうすぐ映画となって上映されます。

堤真一、岡本綾、常盤貴子、大沢たかお、 
田中泯らが出演。
 
どんな映画になっているのでしょうか?
楽しみです。





コメント (8)
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