自分の心の傷、他人への無意識の攻撃。
包帯を巻くという、
最初は奇妙ともとれる行為によって、人を癒やす。
その行為もまた誰かを知らぬ間に
傷つけているのではないかと感じる若者達。

心の優しさを思い起こさせる
温もりのある映画に感じました。
白くて柔らかい包帯、
包帯の持つ清らかで
優しいイメージと相まって
人の心の傷を、
本当に癒すことができそうな
気持ちになってきました。
救いのない子供達を描いた
同じく天童荒太作(永遠の仔) と比較したら
心の傷の深さは全然違うけれど、
手当ての可能な傷だからこそ、
包帯という手段があり得るような気がします。
キャスティングよりも、
原作が天童荒太というので
この映画を見たいと思いました。
でも、配役もよかったです。
主演の石原ひとみや
柳楽優弥、田中圭 、貫地谷しほり 、
若者独特の傷つきやすい、
繊細な心を感じとることが出来ました。
貫地谷しほりはホッとする存在。

柳楽優弥の変な関西弁も、
最初は耳につきましたが
理由があったんですね。
でも、声がおじさんぽく、
感じてしまいました。
空の映像がとても美しく、
音楽も映画のテーマに
マッチしていてました。