娘と腕を組み、ステップを合わせ、ウエディングロードを歩く。父親の心を揺らす道だ。
色黒の私が、純白のドレスをまとう色白の娘を引き立てたのか、式場が「きれい!」の声で沸く。花嫁と父は感謝の気持ちを腕で伝え合う。まぶたに幼い姿の娘が浮かぶ。浴槽でおぼれかけたり、韓国岳で転げ落ちそうになったこと。万里の長城で、へたり込んだ初めての海外旅行。母を助けて登った富士の山など、思い出は尽きない。
腕を離す時がきた。13歳まで風呂を共にした愛娘の背中をそっと押し、笑顔で″六月の花嫁″を花婿に託した。
出水市 清田文雄(71) 2010/7/3 毎日新聞鹿児島版掲載
写真はフォトライブラリより
色黒の私が、純白のドレスをまとう色白の娘を引き立てたのか、式場が「きれい!」の声で沸く。花嫁と父は感謝の気持ちを腕で伝え合う。まぶたに幼い姿の娘が浮かぶ。浴槽でおぼれかけたり、韓国岳で転げ落ちそうになったこと。万里の長城で、へたり込んだ初めての海外旅行。母を助けて登った富士の山など、思い出は尽きない。
腕を離す時がきた。13歳まで風呂を共にした愛娘の背中をそっと押し、笑顔で″六月の花嫁″を花婿に託した。
出水市 清田文雄(71) 2010/7/3 毎日新聞鹿児島版掲載
写真はフォトライブラリより