峯子お義母様が「あちら」へ逝かれたのは昭和24年6月29日。その3ヶ月後に私は「こちら」に誕生しました。
25年前、プロポーズをされた後で「僕の古里へ行こう」と、山口県光市へ初めて連れていかれた時、デパートがないと聞いてびっくり。静かな海と山。のんびりした田舎で、気持ちが良かった。それ以来、妻として毎年6月は欠かさずに、お墓参りに行きました。
今春、彼の都合で結婚生活を終了。先日、後片付けがほぼ終わり、私の気持ちも落ち着いたので、けじめをつけるために最期のお墓参りに行きました。
離婚話が出て、届け出にサインをするまでの1年数ヶ月、悩み苦しみ、一生分の涙を流したと思っていたのに……。お墓を前にした途端に涙があふれ、義弟たちのお墓でも涙、市内をドライブしては涙。これが見納めと思うと、何を見ても涙が出て困りました。
峯子お義母様の命日には好物の和菓子と紅茶をテーブルに用意しておきました。ぜひ、我が家へもお立ち寄りくださるように、と。
「お義母様、成ちゃんは元気にしていますか? こちらで私は生んであげることができなかったけれど。お義母様にとっては3番目の孫。23歳になりましたが、どんな大人になっているでしょうか。私があちらへ逝った時、一番の楽しみはお義母様と成ちゃんにお会いすることです。その日まで……ごきげんよう」
北九州市 林風与子(60)2010/7/21 毎日新聞女の気持ち欄掲載
25年前、プロポーズをされた後で「僕の古里へ行こう」と、山口県光市へ初めて連れていかれた時、デパートがないと聞いてびっくり。静かな海と山。のんびりした田舎で、気持ちが良かった。それ以来、妻として毎年6月は欠かさずに、お墓参りに行きました。
今春、彼の都合で結婚生活を終了。先日、後片付けがほぼ終わり、私の気持ちも落ち着いたので、けじめをつけるために最期のお墓参りに行きました。
離婚話が出て、届け出にサインをするまでの1年数ヶ月、悩み苦しみ、一生分の涙を流したと思っていたのに……。お墓を前にした途端に涙があふれ、義弟たちのお墓でも涙、市内をドライブしては涙。これが見納めと思うと、何を見ても涙が出て困りました。
峯子お義母様の命日には好物の和菓子と紅茶をテーブルに用意しておきました。ぜひ、我が家へもお立ち寄りくださるように、と。
「お義母様、成ちゃんは元気にしていますか? こちらで私は生んであげることができなかったけれど。お義母様にとっては3番目の孫。23歳になりましたが、どんな大人になっているでしょうか。私があちらへ逝った時、一番の楽しみはお義母様と成ちゃんにお会いすることです。その日まで……ごきげんよう」
北九州市 林風与子(60)2010/7/21 毎日新聞女の気持ち欄掲載