はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

「定期健診のすすめ]

2010-10-01 23:00:25 | 岩国エッセイサロンより
2010年9月28日 (火)
    岩国市 会員  吉岡 賢一

 
 遊び仲間で、とても元気のよかった同級生が緊急入院した。頭が割れそうに痛くなったので病院に駆け込んだら、脳梗塞と診断されたという。
 対応が早かったため、言語や手足の不自由もなく、大事に至らなかったことを「不幸中の幸い」と喜んでいる。
 異常に対する素早い行動で、自らの危機を脱出した彼の勇気に刺激を受けたのか、今年はまだ健康診断を受けていないことを思い出した。急ぎマイ・ドクターに所定の健診をしてもらった。
 会社勤めの四十数年間は、必ず1年に1度、医師による健診を受けていた。
 完全リタイアした今では、自治体から健診案内が送られてくるが、強制力がないため、ついなおざりになったり、忘れてしまったりする。
 年齢を重ねた今こそ、自分の健康は自分が守る意識を持って、積極的に定期健診を受け、不具合なところの早期発見に努めたいものだ。
 その配慮こそが楽しく元気に長生きする喜びにつながるのだと思う。ひいては増大する医療費の削減にも貢献することになるのだろう。
   (2010.9.28 中国新聞「広場」掲載)岩国エッセイサロンより転載


うわのそら

2010-10-01 22:48:52 | はがき随筆
 「子供の運動会なのに夫は仕事を優先し、来てくれなかった。子供がどれだけ寂しい思いをしたか」と友人からの電話。
 ふと自分の子供のころを思い出した。うちは母子家庭だったが、運動会のときに寂しい思いをした記憶がない。なぜだろうと思い返すと、父親参加の競技には、まだ若かった叔父が出てくれていたし、祖母をはじめ叔父、叔母、親せきが大勢来てくれていたからだと気づいた。
 35歳になってやっとだ。たくさんの愛情に包まれていたことを改めて気づかせてくれた友人からの電話。上の空で聞くグチもたまには悪くない。
  薩摩川内市 勘米良亜紀(35)毎日新聞鹿児島版掲載

水族館見学

2010-10-01 22:29:02 | はがき随筆


 水族館へ無料該当者8人と有料1人の希望者で、お出かけした。幸いわが町から水族館へは市営バス便がある。
 大水槽にゆらり泳ぐサメやジンベイザメを見ているとせわしなくカツオやアジ。マンタは人なつこく人のいる方に来る。奄美の海の水槽は彩りゆたかな魚たちがいる。
 イルカのジャンプ、回転を見る。「かしこいなあ」と口々に。ラッコは胸で貝など割って食べる。氷海の出身で、3枚の毛皮を着ていると初めて聞く。何度も来ているのに聞き逃していた。
 でも歩くので疲れた──。
  鹿児島市 東郷久子(76) 2010/9/26 毎日新聞鹿児島版掲載
写真はフォトライブラリより