「ヨシアキさん」。義母の声ではっきりと呼ばれ「ハイ」と返事をした。その自分の声で、目が覚めた。時計を見たら午前4時。義母が亡くなって4年たつが、これで3度目である。私は義母が寝ていた部屋で寝ている。60年くらい前に建てた古い家で、天井板も壁板も黒くすすけているのだが、それが何となくいい感じなのだ。
4畳半の居間で言い合いをしたことがある。
「それはお母さんが間違っているよ」と言うと、「よく言った。これで本当の親子になれた」。教師をしていた義母は、上から目線でまとめたのだった。
西之表市 武田静瞭(74) 2010/10/3 毎日新聞鹿児島版掲載
4畳半の居間で言い合いをしたことがある。
「それはお母さんが間違っているよ」と言うと、「よく言った。これで本当の親子になれた」。教師をしていた義母は、上から目線でまとめたのだった。
西之表市 武田静瞭(74) 2010/10/3 毎日新聞鹿児島版掲載