はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

防災の日

2011-09-02 22:47:21 | アカショウビンのつぶやき
東日本大震災の恐怖が消えやらぬときに迎えた、防災の日。
「災害は忘れた頃にやってくる」
とは、繰り返された言葉だけれど、この未曾有の大災害を決して忘れてはなるまい。

祖父を関東大震災で亡くした私は、母から繰り返し地震に対する心構えを叩き込まれた。

幼い頃を過ごした、栃木県は地震が多い所だった。
グラッと来ると、母はまず雨戸を外して庭に放り投げる。火鉢を抱えて庭に持ち出し、火元を確認してから、幼い私たちを両脇に抱えて逃げる。

出口の確保と火の始末をしてから逃げる。と言われたが、今は少々違う。
火の始末より、まず身の安全を! らしい。

防災の日は、我が家の防災について考えてみた。

見回せば危ない物だらけ…。食器棚の固定も安心できない。

それより何より、家そのものが果たして地震に耐えるのか心配。
前から耐震診断を受けようかなあと思っていたので、思い切って申し込んだ。
築33年、耐震基準の甘い時期に建てた家である。
どんな結果がでるのか予想もつかないが、夫の遺してくれた家を無事に子どもに遺すために、厳しい診断を覚悟して…電話した、防災の日でした。

by アカショウビン