はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

旅の抄その七

2011-09-10 11:17:16 | はがき随筆
 「せめて半日はいたい」と娘が感嘆したカイロのエジプト考古学博物館。わたしの見たいのは至宝として知れ渡っているものではなかった。
 あった! 人々が一瞥して通り過ぎる地味で目立たぬ日用雑貨陳列ケースの中に見つけて小躍りした。
 少年王ツタンカーメンのトルコ石の小さな枕である。ブルーがかなり色あせている。少年王が今もこっそり使っているらしい。あたりを見回す。彼の秘密には誰も気づいていないようだ。そっとしておいてあげよう。黄金のマスクは息苦しそうだもの。
  鹿屋市 伊地知咲子 2011/9/10 毎日新聞鹿児島版掲載

囀り

2011-09-10 08:58:49 | はがき随筆
 テッペンかけたか、ホトトギス。県北の標高300㍍のこの地域が春めくころになったら、もう盛んにさえずる小鳥たちの声を聞く。ウグイス、ヒバリ、メジロ、ホオジロなどなど。なんといっても圧巻はホトトギスである。朝寝坊して置きづらい時は、目覚ましになってくれる。ホトトギスの鳴き声を聞けば心さわやかに目覚めるのである。
その日1日、仕事もスムーズにはかどり爽快楽しくすごすことができる。
 さすがに今夏の猛暑には恐れ入る。負けてはならじと、体調に気をつけて過ごして行こう。
  伊佐市 宮園 続 2011/9/9 毎日新聞鹿児島版掲載