九州電力の「やらせメール」問題。それを調査してきた第三者委員会の最終報告書が発表された9月30日。鹿児島支局のファクスは、報告書のコピーを次々と吐き出し続けた。
最終報告書は、添付資料を含めてA4判約200ページ。それが、福岡社会部から順次、ファクスされた。一度には送れず、5分割されたが、その膨大な量に、圧倒された。
報告書を読み始めた。多くは佐賀県の玄海原発に絡む記述で川内原発に関する部分は極めて少ない。
鹿児島県議会で原子力発電本部副部長が「やらせメール」の存在を否定した虚偽答弁疑惑に関する部分は、1ページほどの記述だけ。しかも結論は「当委員会の調査結果からは、鹿児島県議会での答弁が虚偽答弁だったと認めるに足る根拠はない」というものだった。読んでいて、肩すかしされた印象を抱いた。
県議会の金子万寿夫議長も「中間報告と最終報告で、ものの言い方が変わっており、ベールに包まれた感じ。すっきりしない」と語り釈然としない様子だったという。
また、最終報告書は川内原発3号機増設に向けた第1次公開ヒアリングに関しても若干、記述している。このヒアリングで、九電側は傍聴人の参加を呼びかけ、意見陳述人を確保したが、陳述人は九電社員ではなく、地元住民。意見の内容も自分の体験や見解を踏まえて決めていたという。こう事実認定し、このヒアリンクでは、九電社員が賛成の立場から事前に質問を準備した「仕込み質問」はなかったという結論を導き出した。玄海原発関連の結論とは対照的だ。
報告書で共感したのは「はじめに」の部分だ。「九州で圧倒的な企業規模を誇る公益企業としての信頼回復を切に願う」と記している。まさに、そう思う。消費者は九電以外から電気を買うことはできないのだから。
鹿児島支局長 馬原浩 2011/10/3 毎日新聞
最終報告書は、添付資料を含めてA4判約200ページ。それが、福岡社会部から順次、ファクスされた。一度には送れず、5分割されたが、その膨大な量に、圧倒された。
報告書を読み始めた。多くは佐賀県の玄海原発に絡む記述で川内原発に関する部分は極めて少ない。
鹿児島県議会で原子力発電本部副部長が「やらせメール」の存在を否定した虚偽答弁疑惑に関する部分は、1ページほどの記述だけ。しかも結論は「当委員会の調査結果からは、鹿児島県議会での答弁が虚偽答弁だったと認めるに足る根拠はない」というものだった。読んでいて、肩すかしされた印象を抱いた。
県議会の金子万寿夫議長も「中間報告と最終報告で、ものの言い方が変わっており、ベールに包まれた感じ。すっきりしない」と語り釈然としない様子だったという。
また、最終報告書は川内原発3号機増設に向けた第1次公開ヒアリングに関しても若干、記述している。このヒアリングで、九電側は傍聴人の参加を呼びかけ、意見陳述人を確保したが、陳述人は九電社員ではなく、地元住民。意見の内容も自分の体験や見解を踏まえて決めていたという。こう事実認定し、このヒアリンクでは、九電社員が賛成の立場から事前に質問を準備した「仕込み質問」はなかったという結論を導き出した。玄海原発関連の結論とは対照的だ。
報告書で共感したのは「はじめに」の部分だ。「九州で圧倒的な企業規模を誇る公益企業としての信頼回復を切に願う」と記している。まさに、そう思う。消費者は九電以外から電気を買うことはできないのだから。
鹿児島支局長 馬原浩 2011/10/3 毎日新聞