はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

しょうゆとみそ

2012-08-25 10:47:24 | はがき随筆
 しょうゆ派かみそ派かで、4人の飲ん方会で大議論となった。「イワシやコノシロやキビナゴを、酢みそで食べるのは邪道」と私。「いいや、酢みそが最高」と他の3人。
 それぞれの魚が持つ奄美を存分に味わってこそ、命を絶たれた魚も本望というもの。しょうゆにワサビをいれるのも、私は邪道と思っている。しかし、少ない甘みを酢みそでカバーしてこそ正道だ。他の3人の意見も妙に説得力がある。 
 そこで漁師五十数年のHさんにお出ましを願う。「自分の好みで堪能するが一番」との声に4人の大議論もチョン。
  出水市 道田道範 2012/8/25 毎日新聞鹿児島版掲載

山下跳び

2012-08-25 10:40:22 | はがき随筆
 ロンドンオリンピックを見ながら東京大会を思い出していた。中学2年の時だった。大会期間中、授業は午前のみで、午後は自宅でテレビ観戦。閉会後に感想文提出が課せられた。
 強烈な印象が残っているのは体操・跳馬の山下選手。今では小中学生でもこなせる「山下跳び」だが、当時は彼しかできなかった。それだけで終わらず、種目別決勝でみせたのが「新山下跳び」。跳馬に初めて、ひねりを入れた技。たった1回のひねりだったが、その空中の舞いに驚いた。翌日の毎日新聞に、大きな分解写真が掲載され、見ながら自分の体をよじっていた。
  鹿児島市 高橋誠 2012/8/24 毎日新聞鹿児島版掲載

岩国の老桜にエール

2012-08-25 10:10:15 | 岩国エッセイサロンより


2012年8月25日 (土)

     岩国市  会 員  片山 清勝  

 岩国市の名勝・錦帯橋とその近くの吉香公園は、桜の名所としても知られ、その桜はソメイョシノで3千本といわれる。

 そんな桜の中に日本で2番目に古い木のあることを知った。その木の周囲はロープで囲まれ、保護されている。

 植えられたのは明治19(1886)年という。当時の写真と吉川家の元執事長の日記などから特定できたことを最近立てられた説明板に教えられた。

 吉香神社周辺で4本確認した。今、それらの木の古い幹は剪定され、それを受け継いだ新しい幹が、葉を茂らせている。それを支える根は太く、何本も土の中へ伸びている。その姿は老木というより翁桜の風格を感じる。

 日本一古い桜の木はどこにあるか。青森県の弘前城にあり、吉香公園の桜より4年古いという。本州両端の県というのは何かの縁だろうか。

 明治以降の変革を見てきた長寿桜、これからも周辺の仲間とともに長く咲き続一けてほしい。心からエール一を送った。 

   (2012.08.25 中国新聞「広場」掲載)岩國エッセイサロンより転載