台風一過秋晴れの土曜日。お寺の退山式に出席した。住職を副住職(ご子息)に引き継がれるための儀式で、参列者の椅子は満席だった。
柔和なご住職も心なしか、感慨深そうである。入寺されて45年目の退山だそうだ。
髪をそられた新住職の頭は青く光り、真新しい法衣に袈裟がいっそう輝いて見えた。京都大本山の管長ほか、十数人の和尚たちの読経が厳粛に本堂に響き渡り、身の引き締まる思いで合掌する。式が終わり、にこやかに出てこられた前住職は、いつもの口調で笑いをまかれ、その様子に安堵の表情を感じた。
鹿児島市 竹之内美知子 2014/11/24 毎日新聞鹿児島版掲載
柔和なご住職も心なしか、感慨深そうである。入寺されて45年目の退山だそうだ。
髪をそられた新住職の頭は青く光り、真新しい法衣に袈裟がいっそう輝いて見えた。京都大本山の管長ほか、十数人の和尚たちの読経が厳粛に本堂に響き渡り、身の引き締まる思いで合掌する。式が終わり、にこやかに出てこられた前住職は、いつもの口調で笑いをまかれ、その様子に安堵の表情を感じた。
鹿児島市 竹之内美知子 2014/11/24 毎日新聞鹿児島版掲載