夏の甲子園中止が決まった。父子家庭の兄に育てられた甥は、我が子も球児に育てたいと警察官の職を辞し、夜勤をしながら広々とした片田舎に移り住み、バッティングコートを造り、朝から晩まで野球づけの毎日が十数年続いた。
将来はプロ野球選手として夢をかなえたいと貧しい生活の中でも頑張り、活躍し、兄や私までもが楽しみな高校3年生となった甥の子である。
夏の甲子園に向け、さあこれからという時に「残念無念」と兄は言う。
私は甥にどう声かけしてよいのやらもんもんとしている。
宮崎市 濱元カズ子(70) 2020/6/4 毎日新聞鹿児島版掲載