生来の無精者の私は71歳を間近に控えた頃、何をすべきか思案が続いた。そんなとき妻の叔母から書道の先生を紹介してもらった。習字は習ったこともなく、毛筆に躊躇するも妻の後押しが励みになり、71歳で未知の扉を開いた。
今では先生の熱血指導により楷書、草書が有段になった。この4月、先生から電話があった。行書が初段になり教材に私の作品が写真掲載されていると教えてくださり、次はかなの練習との目標をくださった。社会はコロナ禍で暗雲の中、念願の有段の連絡は私にとって宵の明星であった。
鹿児島県出水市 宮路量温(73) 2020/6/27 毎日新聞鹿児島版掲載