



7月初旬のことだった。
キウイ棚付近で、唸るような低いキジバトの声。
確かにキジバトの声なのだが
、姿も見えず不気味な響きが気になっていた。
ある日、庭仕事中にスコップが倒れ大きな音を立てた。
すると頭の上で、バタバタとキジバトが飛び立った。
よく見るとキウイの茂みに巣があった。
驚かせたので巣を放棄するかと心配したが、
親鳥は雨の日も風のもじっと動かない。
やがて巣立ちした雛は我が家の庭で一週間ほど過ごし、
カメラを向けても動じない。
私は動物カメラマン気どりで愛らしい姿を撮りまくった。
鹿屋市 西尾フミ子 2012/10/19 毎日新聞鹿児島版掲載